ドラえもん史に残るバッドエンド【映画ドラえもん/のび太と夢幻三剣士】ネタバレ解説・前編 | 百鬼夜行の幻想鏡

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今回は過去のブログ【2020年夏の映画鑑賞】で少しだけ触れた、ドラえもん史に残るバッドエンド【映画ドラえもん/のび太と夢幻三剣士】のネタバレ解説をさせて頂きます。

 

オープニングからエンディングまで(画像タグを含むHTMLが)6万字を越える為、文字数の都合上、前編と後編でお送りいたします。

 

何故バッドエンドだと思うのか、オチだけ知りたい方は後編の最後をご覧下さい。

 

【映画ドラえもん/のび太と夢幻三剣士】

ドラえもん映画化15周年記念作品

 

1994年3月12日公開

上映時間98分

 

映画は、のび太の夢の途中から始まります。
のび太は自分が物語の主人公、黄金ハットになり、ドラえもんの姿をしたドライオンと共に、しずかちゃんを助けるヒーローになっている夢を見ています。


のび太は目覚める前にしずかちゃんを助けて、スネ夫とジャイアンにヒーローの正体が自分だと伝えたくて、夢のストーリー展開をマキます。

しかし、良いところでママに起こされてしまい、夢が終わると同時にタイトルコール。


現実世界で、ジャイアンとスネ夫にいじめられるのび太。

のび太はドラえもんに、夢の続きを見る道具を出してとすがりますが、ドラえもんに「もっと現実の世界で頑張らなきゃダメだよ!」と説教され、ドラえもんが一瞬部屋を出た隙に窓から家出をします。

夜になっても帰らないのび太を探して裏山に来たドラえもんは「ここまで本気で思い詰めてたなんて…僕の責任だ、あんなに冷たくしたから…せめて、夢の中だけでも楽しく遊ばせてあげれば良かった…」と反省。

そこに「ほんとぉ~?」とのび太が登場。


のび太は「誰にも邪魔されず夢を見ようと木に登ったら、落っこちて目を回しちゃった」と笑顔、反省の態度皆無、更に「今の話し、本当だろうね?」と、ひみつ道具を出させる事を約束させます。

帰宅してママのお説教を受け流し、早速ドラえもんに出させた道具、気ままに夢見る機セット。


付属のカセットを入れるだけで、色んな夢を見る事の出来る道具です。

のび太は女の子(しずかちゃん)を助ける物語をチョイスして、夢電波をキャッチするアンテナをおでこにつけて、布団へ滑り込みます。

夢が始まって早々、ドラえもんが夢見る機を使って夢世界ののび太へ「そろそろ夜明けだ」と言った為、のび太は「テープ早回しして良いところだけ見せて」と言い、クライマックスの洪水のシーンへ行きます。

 

溺れるしずかちゃん「水が冷たくて凍えそう…」と瀕死、しかし泳ぐのび太は「しめた!水が温かくなって来たぞぉー!!」と喜びます。

これにハッとしたドラえもんは慌ててのび太を起こします。

案の定、おねしょでした。

ドラえもんの道具でおねしょを乾かし、急いで学校へ向かうのび太は宿題を忘れた事に気付き、学校が始まる直前まで裏山で宿題を始めます。

しかし宿題はまったく捗らず、そこに不思議な老人が現れます。

老人は「知恵の木の実じゃ」と言って、さくらんぼの様な果実をくれます。

それを食べたのび太は急にスラスラ宿題を解いて「わーい!」と横になり、秒で寝る。

すぐに目を覚ましますがそこに老人の姿はなく「なんだ夢か、話が上手過ぎると思ったよ…」と、しかし宿題は全問正解でした。

学校の帰路、しずかちゃんに一緒に宿題をやりましょうと誘われます。

しかし、いつもののび太には解ける筈もなく「宿題は自分の力でやった方が良いと思うよ…」とションボリ家路につきます。

間もなく、のび太は知恵の木の実をくれた老人と再会します。

のび太は「知恵の木の実をもっと下さい!」と言いますが、老人は「あなたはもっと素晴らしい力を授かるのです、ただし夢幻三剣士の世界での事だが…お待ちしておりますぞ」と、鳥の様に飛び去って行きます。

家ではドラえもんが、夢見る機のダイレクトメール(営業)を断っているところでした。
帰宅したのび太はそれが夢幻三剣士(夢世界のカセット)だと聞くや、ドラえもんにいつもの調子で「買ってぇ~」とせがみます。
シーンはその日の晩、嵐の夜に飛びます。

ドラえもんは結局、夢幻三剣士を買わされたようで、のび太はカセットの到着をソワソワと待っていました。
カセットが届くまでの時間潰しで、ジャイアンとスネ夫の夢を覗きに行きます。

しずかちゃんは宿題をして、まだ起きていました。


そんな事をしているのび太の家の屋根に、例の老人が立っていました。

老人は22世紀デパート配送センターへ、注文した品を今すぐ送ってくれと電話をします。


直後、のび太の元に夢幻三剣士のカセットが届きました。

部屋で喜ぶのび太を感じて、老人は「そうそう、それで良いのだ、なにもかも忘れ夢の世界を楽しみなされ」と言って、嵐の夜空を飛び去って行きます。

早速、アンテナをおでこにつけて布団に入るのび太。

カセットの注意書きを読み上げるドラえもん「このカセットはこれまでの夢カセットと違い、第二の現実を創造する為、実感を盛り上げるさま…」と言っているのに、のび太は寝ます。

夢へ入ると、そこはいつも立たされている学校の廊下で、ドラえもんが「注意書きには現実感を強める為、主人公のお馴染みの場面から夢が始まる」と言いますが、のび太は「現実感あり過ぎるよ!」と逃げ出します。


そして現れた、しずかちゃんの姿をした妖精のシルクに導かれ、のび太はノビタニヤンと言う名前になり、夢世界へと入って行きます。

シルクに「あなたは大勢の男の子から選び向かれた白銀の剣士なのです、ユミルメ国の救い主としてお招きしたのです」と言われのび太は浮かれますが、シルクに「夢の中では現実世界でダメな人ほど、立派になれるです。あなたはきっと、英雄になれます」と毒舌で言われます。

本題の世界へ入ると、ノビタニヤンは空から落ちて来て、三日月に着地しました。

眼下では町が燃えています。

「妖霊大帝オドロームのしわざだわ」と言うシルク。

 

ノビタニヤンを見付けて、三日月を目掛けて弓を放って来る妖霊軍。


空を飛べないノビタニヤンは、シルクが月の空気を抜く事で逃がしてくれました。

月から振り落とされて川へ落ちたノビタニヤンは、夢の中なのですいすい泳いで森の中へ、そこでスネ夫の姿をしたスネミスと出会います。


腹を空かせたノビタニヤンは「僕の召使いになるならあげる」と言われ、スネミスの食い掛けの肉に飛び付きます。

ノビタニヤンは「まったく惨めな夢だなぁ~」や「まったく、夢の無い夢」と呟きます。
 

ノビタニヤンは、現実世界で夢を監視しているドラえもんに、しずかちゃんを妖精と王女様の二役にしてと頼んで、夢の中でも寝ます。


ドラえもんは王女様になったしずかちゃんを確認します。

しずかちゃんの姿をした姫、シズカリアは、妖霊大帝を倒した者に自分を商品として差し出すなんて嫌だと、学校の先生の姿をした国王へ言っているところでした。

夢の中の翌朝、スネミスの召使になったノビタニヤンは、スネミスの荷物を持って森の中を進みます。

スネミスは「白銀の剣を手に入れれば天下無敵になれるんだ。その剣で竜を退治する、その血を浴びると不死身になれるんだ。妖霊大帝オドロームに戦いを挑み、ユミルメ国を救うんだ。王様はオドロームを倒した英雄に、王女様と結婚させると約束された。そうなれば僕は未来の国王だ!」と張り切る。

ノビタニヤンは「僕の出番がないじゃなぁ~い」とウンザリ。
 

その時、罠にかかった小熊を見付け、ノビタニヤンは小熊を助けます。

「なんで俺の獲物を逃がした!?」と、白銀の剣を狙う、ジャイアンの姿をしたジャイトスが現れます。

「白銀の剣と兜は僕が手に入れるんだ!」と戦いを挑むスネミス、しかし即行でジャイトスに負けて「私を家来にして下さい、それに召使もこき使って下さいませ」とコビを売ります。

 

ジャイトスとスネミスの召使いになったノビタニヤン、夢世界でも現実世界と変わらない苦労を強いられます。

これを見ていたドラえもんは「実に良く出来た夢だ。夢だからと言って、なんでも都合良くは行かない。実にリアルだ、教育的に出来ている」と言って、自らも現実世界で眠りに落ちます。

ノビタニヤンの旅(夢)は続きます。
三人は白銀の剣と兜があると言われる、ヨラバタイ樹へ辿り着きました。

スネミス「てっぺんが光ってる!あそこに剣と兜がある筈だ!」

 

スネミスとジャイトスは大木を登り始めます。

スネミス「早いもん勝ちだぁーい!」

ノビタニヤン「そうか、そんなら僕も!」

 

即行で木から落ちるノビタニヤン「この夢、やめよっかな…」と寝転びます。


しばらくすると、枝の上で一夜を過ごす為、スネミスがロープを下ろして、ノビタニヤンに水を汲んで食料と一緒にロープに結び付けるよう命令して来ます。


川に水を汲みに行ったノビタニヤンは、川底で光っている物を見付けます。

それは、ノビタニヤンがこの世界に降り立った、三日月でした。

空気が抜けて川底に沈んでいる月を拾って、ノビタニヤンは思い付きます。

大木を登るジャイトスと、もっと上の枝にいたスネミスの脇を、フワフワ浮かぶ月に乗って通り過ぎるノビタニヤン。

 

ノビタニヤンはヨラバタイ樹の頂上へ降り立ち、宝箱から白銀の剣と兜を手に入れます。

 

宝箱の精に導かれるまま、木の中を通って一気に地上まで戻ると、スネミスとジャイトスが白銀の剣と兜を脱げと襲って来ました。

恐れ戦くノビタニヤン、しかし白銀の剣を持つ手は勝手に動いて、スネミスとジャイトスを簡単に打ち負かします。
 

スネミスとジャイトスは家来にして下さいと泣き付きますが、ノビタニヤンは「僕達は仲間じゃないか!」と友情を育みます。


ここでタイマー(多分、目覚まし時計)が鳴り、のび太は目を覚まします。


その日の登校中、しずかちゃんに会うと、夢世界での結婚を考えて「照れ臭い」と言ってのび太は逃げ出します。
ジャイアンとスネ夫に会うと「これで三剣士が揃ったね」と言いますが「馴れ馴れしい口をきくな!」と知らんぷりをされてしまいます。
 

寂しい思いをしたのび太は、みんなを自分の夢に引き込みたいとドラえもんに頼み、その晩、寝ているジャイアン、スネ夫、しずかちゃんのおでこに、どこでもドアを使って夢電波をキャッチするアンテナを着けに行きます。


それからすぐ、夢幻三剣士の夢世界へ入ったのび太。

 

しかし、みんなより先に魔法使いの姿をしたドラえもん事、ドラモンがやって来ます。


ドラモンは「見てるだけじゃつまらないんだもん」と言って、参加する事になりました。


スネ夫とジャイアンはアンテナを使って強引にのび太の夢に連れ込まれた為、自分の意識が強く「勝手に夢を押し付けるな!」怒って来た為、ドラモンが電波を強めて二人の意識を完全に乗っ取りました。


凄まじい洗脳。

そして不死身の身体を手に入れる為、竜の血を浴びに行こうと言う話になりますが、そこに突然クマが現れて四人は走って逃げ出します。


しかしドラモンは「これから竜退治をしようってのに、クマなんかで逃げるなんておかしいよ…」と、スネミスとジャイトスを引き止めます。


一方、逃げ遅れたノビタニヤン。

昨日助けた小熊が、父ちゃんその人は命の恩人だよと、ノビタニヤンを助けます。

ノビタニヤンを前に、子供を助けてくれた恩人を襲おうなんて申し訳ないとペコペコしているクマを見て、ドラモン、スネミス、ジャイトスは「流石、白銀の剣士だ…」と関心(勘違い)をします。

クマが竜の居場所を知っていると言うので、道案内をお願いする一行。

そこに不審な鳥が現れます。

鳥は「ほーっほっほっほ」と笑うと飛び去って行きました。
ノビタニヤンは「あれ?あの鳥、どっかで見た気がする…」と言い残します。

一方その頃、シズカリアの住む王国には、妖霊軍に襲われた周辺の町々から人々が逃げ込んで来ていました。


そして王様の元に召使から、シズカリア王女の家出を知らせる置手紙が渡されます。


王様は兵士を使って国中を探しますが、シズカリアは兵士(男子)の恰好をして逃げており、城の兵士が馬を下りたのを見計らって馬を奪いますが「助けてぇー!私馬の乗り方知らないのよぉー!!」と絶叫。

なんで馬に乗ったんだよ。

その晩、野宿をしているクマ御一行。
クマが取ってくれた川魚を食べるみんなから離れて、ドラモンはとりよせバッグを使って、どら焼きを食べていました。


それを見て「折角の夢がぶち壊しだ!」と、とりよせバッグを空へ放り投げるノビタニヤン。

 

その時、とりよせバッグを流れ星が奪い去って行き、それを追い駆けようとしたドラモンは、魔法のほうきに置き去りにされて、ほうきは勝手に飛んで行ってしまいます。

所変わって、妖霊大帝オドロームの城。
白銀の剣士の出現に慄くオドロームや部下の元に、不審な鳥、トリホーが戻って来ます。


トリホーは「私は目覚めの世界(現実世界)で人間に姿を変え、あの少年を探し出し(夢幻三剣士の夢世界へ)送り込みました。彼は強い剣士にはなれても、不死身にはなれません」と言います。
そうです、その人間とは、のび太に知恵の木の実をくれた老人です。
夢宇宙の征服を確信したトリホーは「ほーっほっほっほ」と高笑いをします。

翌朝、クマに導かれるまま竜の谷を目指して歩くノビタニヤン達。
ドラモンは歩き疲れたとタケコプターを出して、スネミスとジャイトスはこれに便乗します。


ドラモンは更に、必ず当たる手投げミサイルを出して「これで竜なんて簡単に退治出来る」と、白銀の剣の意味を無かった事にして、ノビタニヤンは「いい加減にしろ!」と怒ります。


その時、どこからともなくアラームの音が聞こえて、ドラえもんとのび太は目を覚ましました。

笑顔で「結構楽しかったね」と言うドラえもん、のび太はすっかり怒って「ふん!」と部屋を出て行ってしまいます。


学校へ行くと、スネ夫とジャイアンが授業中に寝ているのを先生に注意されて、二人は夢で疲れて…と言い訳をします。


それを聞いたのび太は、スネ夫とジャイアンが同じ夢を見ていた事を知ります。

 

学校の帰路、しずかちゃんにも夢の話を聞きますが、しずかちゃんは「馬にしがみ付いて3日も走りっ放しで、とうとう放り出されて…」と言い、しかし詳細は「話す気にもなれない、変な夢だから…さよなら」と帰ってしまいます。


のび太は「なんだか夢が乱れ始めてる、ドラえもんのせいだ」と言って、足早に帰宅します。

家に帰るなり「ドラえもん、大変だよ!」と叫ぶのび太。
折角の夢をドラえもんのひみつ道具で台無しにされている事を改めて怒ると、ドラえもんは「悪かった、今朝からずーっと反省してた…そして僕は決心した!四次元ポケットは置いて行く!!」と、お腹からポケットを外して放り投げます。

 

更に「隠しボタンを押す!」と言うなり、気ままに夢見る機に内蔵された赤いボタンを出します。


「このボタンを押すと、夢と現実とが入れ替わる!つまり、今ここにこうしている事が夢になる!!」
 

流石に不安になったのび太ですが、ドラえもんは「話(夢)の区切りがついたらリモコンの隠しボタンを押せばまた元通りになる」と言い、これに安心したのび太は、妖霊大帝を倒してしずかちゃんと結婚して新婚旅行くらいしても良いかなぁ~と陽気に捉えます。
そしてその日の晩、隠しボタンを押して夢と現実を入れ替えて、ドラえもんとのび太は再び夢世界(入れ替えたので現実世界)へ入って行きました。

夢(現実)の続きは、竜の谷の前からスタートしました。


道案内をしてくれたクマは「竜は口から火を吐き、それを浴びると石になるそうです」と言い、四人はクマとお別れします。


竜の谷へ入った一行。

ドラモンは「竜の弱点はヒゲ」と教えますが、その直後、ノビタニヤンは間欠泉に乗り上げて、どこかに飛ばされてしまいます。

はぐれたノビタニヤンを探して、ドラモン達は別々に行動します。

スネミスは石の彫刻を見付けて、それが竜の火を浴びた人間だと気付くと、悲鳴を上げて走り出します。


しかし見れば竜は目の前にいて、悲鳴を上げるスネミスの元に「大声出すなっつーの!」とジャイトスが現れます。

 


二人は竜を前にして、一瞬で火を浴びて石に変えられてしまいます。

飛ばされたノビタニヤンを見付けたドラモン。


二人は竜の雄叫びを聞いて走り出しますが、飛んで来た竜に見付かり追い駆けられます。

 


逃げるノビタニヤンとドラモンは、うっかり崖から転落して温泉に落ちます。


物語の冒頭では泳げていたのに、夢見る機の夢と現実を入れ替えるボタンを押し、今いる夢世界が現実世界になっている為、いつもの泳げないノビタニヤンは、今度は溺れます。


ドラモンは水上で待ち構えている竜を避けて、温泉の深くにある洞窟で難を逃れます。

一方、三日三晩、馬にしがみ付いて投げ出されて、孤独な旅をしているシズカリア。
助けを呼んでも誰も来ず、お腹が空いた、喉が渇いた、私ここで死ぬんだ…と打ちひしがれていると、そこに流れ星が落ちて来ます。


落下地点へ行くと、そこには先日、流れ星に持ち去られたとりよせバッグが落ちていました。


中をあさると食料が出て来て、シズカリアは「神様のお恵みだわ」と喜びます。


食事をしているとクレーターの底から妙な声がして、シズカリアはそこでドラモンの魔法のほうきを見付けます。

 


地面に突き刺さったほうきを引っこ抜いて助けると、ほうきはそのままシズカリアを乗せて飛び去って行きます。

意識を失っていたノビタニヤン、目覚めるとそこは外でした。


ドラモンに「あの池(温泉)の底が谷の入口近くに続いてたんだ」と説明され、二人はスネミスとジャイトスを心配します。


星を追い駆けて行ったほうきさえあれば…と呟くドラモンの元に、シズカリアを乗せたほうきが戻って来ます。


ノビタニヤンは「君だれ?」と聞き、シズカリアは「あたし…ぼ、僕、シズカール、旅の剣士だ…」と、咄嗟に偽名を使います。


ノビタニヤンは「剣士?じゃあ君も竜を退治に??僕、ノビタニヤン、白銀の剣士だ!」と言い、それを聞いたシズカリアは「白銀の剣士!?君が…家出して良かった……」と呟きます。

ドラモンが「仲間は多い方が心強い、竜退治に再挑戦しよう」と言い、三人は竜を目指します。


ドラモン「ほうき君、僕らの姿を消してくれ」

 

ほうきは土埃を巻き上げて、三人の姿を石にされた人達と同化させてくれました。



石像のふりをして再び竜の元へ戻って来たノビタニヤン。


眠っている竜に両側から近付いてヒゲを切る作戦に出ますが、そこでノビタニヤンは石にされたジャイトスとスネミスを見付けて、思わず叫んでしまいます。


ノビタニヤンの声で目覚めた竜は、火を吹いて襲い掛かって来ます。


火を逃れ岩陰に隠れたノビタニヤンは、また間欠泉に乗ってしまい、上空に噴き飛ばされます。


空高く舞い上がったノビタニヤンは白銀の剣を抜くと、竜のヒゲを切り落としました。

 

落下するところをドラモンに救ってもらい、ヤッター!と喜ぶ三人。


早速、白銀の剣で頭を刺して、竜の血を浴びて不死身になろうとしますが、いざと言うところでノビタニヤンは躊躇します。
ドラモンは、早くしないとヒゲがまた伸びてこっちがやられると呷りますが、ノビタニヤンは「こんな事出来ないよ!」と剣を下ろします。


ドラモン「それじゃあ、どうやって妖霊大帝と闘って、ユミルメ国を救うのさ?!」
ノビタニヤン「そんなの、人間の勝手じゃないか!」
ドラモン「大勢の人が石にされたんだぞ!?」
ノビタニヤン「こんな所へ来なければ良いんだよ…」

 

そんな事を言い合っていると、切断された竜のヒゲはあっと言う間に伸びてしまいました。
 

ノビタニヤン「秘境で、ひっそり生きてる竜を殺す権利なんて、誰にもないよ!」
シズカール「君、優しいんだね…」

 

そう同情したシズカールの背後で、竜が目を覚まします。


全力疾走で逃げるノビタニヤン達、しかし竜は「騒がなくても宜しい、君達に危害を加えるつもりはない」と言ってくれます。
竜は、大勢の人間どもが私の命を狙ってやって来た、私は身を守る為に人間を石にしたと、元より敵意が無い事を語ります。


「君のような剣士は初めてだ」とノビタニヤンを受け入れる竜は「血を流す訳にはいかないが、ついて来なさい」と三人を温泉へ案内します。


竜は、自分の汗をしみ込ませた温泉を浴びれば、不死身とまでは行かないが、一度死んでも生き返る事が出来ると言ってくれます。


「裸になって身体にしみ込ませると良い」と言われるなり、ノビタニヤンとドラモンは服を脱いで温泉に浸かります。


シズカールは男性剣士のふりをしているだけで、元はシズカリア(しずかちゃん)です。

シズカールは、ノビタニヤンとドラモンが、石にされたスネミスとジャイトスを元に戻す為、温泉水を持って走り去ってから、一人でこっそりお風呂に浸かりました。

石から戻ったスネミスとジャイトスを再び仲間に加え、五人は竜の道案内で、いよいよ妖霊軍団に立ち向かいます。


竜の案内に従い、急流の川に出ると、ノビタニヤンは白銀の剣を使って、一本の木から筏(いかだ)を切り出します。


五人は筏に乗って急流を下って行きます。


ジャイトスが「みんな、しっかり捕まるんだ!振り落とされたらおしまいだぞ!!」とムードを盛り上げますが、そこでノビタニヤンの耳に「のび太!のび太起きなさい!!」とママの声が聞こえて来ます。

 


のび太は目を覚ましますが、そこが夢の中(元々は現実世界)だと気付いて「こんな夢見てる暇無いんだ、早く目を覚まそう」と再び布団に横になります。

目を覚ますと、ノビタニヤンは筏の上で居眠りをしていました。
ノビタニヤンは「夢を見たんだ、ママって言う怖い人に起こされた」と言うと、スネミスとジャイトスも同じく「ママ」の夢を見た事があると言います。
そうです、夢見る機の夢と現実を入れ替えるスイッチを押しているので、今は「ママ」と言う存在は、夢の中の人物なのです。


お腹が空いた話しから、シズカールは「食べ物ならこの中にあるよ」と、ドラモンが無くしたとりよせバッグを出します。

 


食事を済ませると雨が降って来て、一行は妖霊軍に襲われた街へ流れ着きます。

 

シズカールは水門から城の中へ入ろうと提案します。



城へ入ると化け物と間違われて兵士に襲われますが、ノビタニヤンはそれを負かすと「僕は白銀の剣士です!」と名乗ります。


残存兵に受け入れられた一行は、今は雨のお蔭で敵がいない事、敵の兵士達は水が苦手な土の精である事、敵将は妖怪スパイドル将軍だと教えられます。

 

次攻め込まれたら終わりだと肩を落とす兵士達。

ドラモンはとりよせバッグを使いますが、出て来たのは何故かラジカセでした。

それを見たシズカールは作戦を提案します。

その晩、雨が止み「トドメを刺す時が来た!」と敵兵力が動き出します。


しかし、城に着くと門が開いていて人の気配はまったくせず、地下倉庫からノビタニヤン達が妖霊軍を罵る声が聞こえて、スパイドル将軍は兵士達を地下室へと送り込みます。

 

声のする所、積み上げられた枯草に剣を突き立てると、そこにはラジカセがあり、これが罠だと気付いた瞬間、地下室のドアは閉まり、大量の水が流れ込みます。


水は、とりよせバッグから引いた川の水でした。


シズカールの作戦通り、地下室では土の兵士達がドロドロに溶けて消えて行きました。


スパイドル将軍は水を遡って地上へ飛び出して来ました。


ノビタニヤン達とスパイドル将軍の戦いが始まりますが、ノビタニヤンは白銀の剣で、見事に相手の剣をへし折ります。


スパイドル将軍は口から糸を吐くと、それを流れ星に引っ掻けて飛んで逃げて行きました。


命からがらオドロームの元へ戻ったスパイドル将軍でしたが「白銀の剣士が現れたので御座います…」と言い訳をします。

 

オドロームに「失敗は許されぬ」と瞬殺されるスパイドル将軍。


トリホーに「白銀の剣士をここまでのさばらせた責任は重いぞ!」言うオドローム。

そこに、ゾウの姿をしたジャンボス将軍が出陣の名乗りを上げます。
 

ブログは【ドラえもん史に残るバッドエンド【映画ドラえもん/のび太と夢幻三剣士】ネタバレ解説・後編】に続くランニングDASH!

 

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