12月18日の議会総務文教常任委員会で、教育委員会から学校規模適正化推進事業について報告がありました。

残念ながら、いまだに思考停止状態から抜け出していないようです。



教委では、今後のスケジュールを次のように設定しています。


12月2日~17日  各町3回延べ18回の保護者説明会(併せてアンケート実施か?)


12月下旬~1月中旬 アンケート集約


1月上旬~下旬    推進素案計画作成


2月上旬~下旬    素案・資料の公表、住民説明会


2月下旬~3月中旬  パブリックコメント実施


3月下旬~5月中旬  計画策定


6月上旬       計画の公表・周知


と、超過密スケジュールをこなし、市長選挙が間近に迫った6月下旬に計画を発表するといった極めて政治的な配慮がなされています。



委員会に出された資料等から問題点を見てみましょう。


① 相も変わらず「説明会をしてアンケートを実施する」を繰り返して保護者の理解を得ようとしていますが、果たしてこの方法で保護者が納得するとでも思っているのでしょうか。


7月の第3回保護者アンケート結果は、

1校案 54.5%  2校案 27.7%  わからない 17.8%
で、1校案が50%を少し超えただけです。

しかも統合校予定地の吉田町の保護者が全体の40%余り占めていることを考えると、保護者の理解が進んでいるとはいえません。

深まった議論がないままアンケートを繰り返しても、1校統合への理解がこれ以上得られるとは思われません。


② 市民への説明会は、計画素案が出来上がってから行うことになっていますが、この時期に行う説明会に何の意味があるのでしょうか。

結局、「保護者は理解していますから、市民も理解をお願いします」と押し切るつもりでしょう。

完全にアリバイ作りでしかありません。

こういうやり方が必ず混乱を招くということは、全国の例が示すとおりです。


③ この12月の保護者説明会の資料が添付されていますが、それを見ると、いまだに「なぜ中学校を統合するのか」、「なぜ1校統合なのか」という基本的な問題と統合後の中学校の姿を理想的に記述した内容が大半で、当初の資料から全く進歩していないことが見て取れます。

4回目の説明会においてもこんな資料を使って、保護者の理解が進むとでも思っているのでしょうか。


④ 今回の説明資料で少し詳しく出されたのが、通学問題についてです。

通学バスと運行が似かよっているお助けバスの時刻表を見てみると、高宮町式敷、船佐及び美土里町生桑から吉田まで約1時間掛かることがわかります。

川根からだと1時間10分は掛かるでしょう。

この時間に自宅からバス停までの時間を加算すると、この3地区の生徒の通学時間は1時間を越えることがわかります。

また、この3地区以外にも、自宅からバス停までの時間が掛かると、全体の通学時間が1時間程度になる生徒も出てくることが想定できます。

文部科学省が示した「通学時間はおおむね1時間以内」という基準など全く関係ないようです。 (次号に続く)