年間4回ある定例議会では、必ず議員の一般質問があります。



一般質問では、市長などの執行機関に対して、事務の執行状況や方針などについて、報告や説明を求めたり、質問したりします。

特に、議会は、市長に対する監視機能を持っていますので、その機能を発揮するためにも、一般質問は重要とされています。



他の自治体での一般質問と答弁は、整然と行われ、質問と答弁がかみ合い、聞いている者も理解することができます。

時々、広島県議会での一般質問が、ニュースで放送されることがありますが、それが普通の姿です。



ところが、安芸高田市の市長と議員の一般質問を巡っての議論は、他の自治体のそれとは違い、異様なものになっています。



議員からの一般質問については、具体的に記述されたものが、あらかじめ市長へ通告してあり、市長は、質問の趣旨を理解し、答弁を準備しているはずです。

したがって、市長は、最初から反問権を使って、質問の趣旨、根拠、考え方等を確認しなければ、答弁できないと言うことはないはずなのです。



しかし、市長は、自分の意に添わない議員については、最初から反問権を使い、議員の反問に対する回答について批判し、時には、議員を侮蔑するような発言までします。

しかも、肝心の質問に対する回答は、的を外したものが往々にしてあり、議論を深めると言う姿勢が全く感じられません。



市長に近いとされる議員については、ほとんど反問権を使わず、時には議員を持ち上げてまで答弁する姿を見れば、反問権が本来の目的ではなく、極めて恣意的に使われていることがわかります。



結局、市長の反問権の行使は、2年後の市議会選挙を見据え、自分の意に添わない議員を徹底して貶める「議員つぶし」だと言われても仕方がないものになっています。
 


議長は、「一般質問では、議員の発言は必ず質問で終わり、それに対して市長が答弁して終わる」という形で進行するよう、議事を整理しています。



しかし、議員は、市長の議員を貶めるような答弁に対して、その場で反論し、さらに質問を付けて発言することは、既に用意した質問を終えているだけに難しいものがあります。

市長に反論できない議員の欲求不満な姿が見て取れます。

結局「市長の言い放し」、「議員は貶められ放し」で終了することになります。



議員必携には、一般質問は「あくまで質問に徹すべき」と記述されていますが、それは、議員が、自分の持論を長々と述べたり、市長への要望等を控える必要からの記述であり、市長の答弁に対する反論、見解まで一律に禁止することについては、研究する余地があります。



ここに至っては、市長と議員の建設的な議論を期待はしませんが、市民が恥ずかしいと思うような議場でのやり取りは、整理する必要があります。



議会も、折り返しの3年目に入ります。整理すべきは整理されるべきでしょう。



[一般質問の手順]

議員が、一般質問をするためには、一般質問の内容を議長に提出します。

議長は、質問が適切か、具体的か等を確認し、さらに議員間で質問が重複しないように調整して、事前に市長に通告します。



市長は、一般質問を各担当部長に振り分け、答弁案の作成を指示します。

部長は、質問内容が不明、疑義等がある場合は、議員に問い合わせ、答弁案を作成し、市長に提出します。市長は、答弁案を修正、確認して、答弁に臨みます。


 
[反問権]

質問の趣旨、内容、背景、根拠、考え方などを確認して、議論の論点・争点を明確化し、建設的な議論をするために反問をする権利です。