美しいTangerの街で水着を探す(旅の回想)
El Hotel Minzhのレセプションの男性が言った通りでした。ポーターが部屋に案内してくれ、ドアを開けた瞬間に「うわあー」と声が出るような大きなバルコニーがついている部屋でした。※ベットは寝心地は良かったです。その向こうの窓を開けるとタンジェの港を見渡す、素敵なバルコニーがあり、レセプションの方がおっしゃられていた理由がわかりました。 私自身の記憶違いだったのでしょうか?部屋にはバスタブがついてなかったのです。予約のサイトを確認しましたが、確かにバスタブありとは書かれておらず、多分バスタブは諦めたんだろうなと思い出しました。 心に引っかかっていたのがジャグジープールでした。私は水着を持ってくるのをすっかり忘れていました。ハワイなどのリゾートにいるならまだしもです。季節は春、しかもここは女性が肌を出すのがタブーな国。水着などどこで手に入るのでしょう?レセプションの男性は街で買って下さいと言いましたが、一体どこで売っているの? その前にチェックアウトする最終日のタクシー手配だけはレセプションに依頼をし、街へ出てみることにしました。一番最初に行ったのがGrand Café de Parisです。映画「シェルタリングスカイ」の冒頭と最後に、ポールボールズが座って語るあのカフェです。※あの映画に出てくるカフェとのことですが、古くて雰囲気がありました。文豪やアーティストが通って来たというのは頷けます。普通に注文したらマグカップで出て来たのが、残念でしたが、中身は同じとのこと。 宿泊しているEL HOTEL MINZHとは目と鼻の先、新市街の中にあるカフェです。大勢がテラスに座っていましたが、あえて中の席を選びました。 ウェイターさんと目をあわせると、遠くからどうぞといった合図をしていたので、着席。メニューを持ってきたのでジーッとみましたが、周囲の人が飲んでいるのはこれかな?と思われたのがカフェオレでした。 アリドライバーに色々観光地を巡ってもらって、小腹がすいていたこともあり、カフェオレとクロワッサンを注文しました。フランス語の定型文で注文できる訳ですが、その後フランス語で話されては困ると思い、一応英語で言ったのですが。 出てきたのはカップに注がれるカフェオレとクロワッサンでした。周りどこを見渡してもみなガラスのコップに入っているのに、私だけカップに入ったカフェオレです。店員さんに一体何が違うのか尋ねてみると、「中身は同じです」とのことでした。 ???私だけサービスでマグカップに入れてくれているの?スタバで「マグカップでも良いですか?」と聞かれるあれを思い出しました。 メニューをジーッとみて居ましたら、ティ(ガラス入り)などがあるので、ガラスのコップ入りというのをあえて強調する必要があるのかな?といった程度しかわかりませんでした。 素敵なGrand café París。けれどもそこは現代のカフェでテレビからはずっとサッカー中継が流れていました。何と言ってもそこは2030ワールドカップ開催国ですから。 ジャグジープールをどうするか考えながら、街歩きに出かけてみました。最初、アリドライバーがマークしてくれたカフェまで行ってみようかなと考えていたのです。そこは私が元々行ってみようと思っていたカフェでもありました。街の反対の外れにあり、だとりつく頃に丁度程よい夕食を頂けるかもと思ったからです。 若いころは一人でい歩いていると、物売りやら自称ガイドやら怪しい薬売りに絡まれ、一度ともうまくいったことのないTangerの旧市街。ひとりで自由に歩いてみたいというのは長年の憧れの夢でした。アリドライバーの話からすると、東南アジア諸国と肩を並べる位の比較的豊かな国となったとのこと、しつこい物売りも自称ガイドも居なくなっていました。残念だったのは1日に5回お祈りをする人、しかもモスクではないところでお祈りをする人を一人として見かけなかったことです。※旧市街のパンを売る店?こんな風景だけでワクワクドキドキします。割とジュラバ姿の人が多く絵になりますね。 自由に歩くタンジェの街は美しく、スペイン風の建築物と、モロッコ風の門と城壁、巨大な港、対岸のアルヘシラスでしょうか?タリファ?イベリア半島はすくそこに見えているのに、ジュラバを着た人が歩いている不思議でエキゾチックな街というのは当時とも変わりはありませんでした。※ダル・マグゼン門 幾何学模様の漆喰彫刻、急スルタン宮殿の入り口です。タンジェの中でもとりわけ美しい門のひとつとされています。 途中見つけた素敵なカフェは後で調べると、ボールズなどの有名人が通ったカフェだと分かりました。歩いていくうちにだんだん疲れてきて、街の反対側の外れまで行くのは諦めようと思い始めました。 気になったのはジャグジープールです。「あのときなぜミンザホテルでジャグジープールに入らなかったのだろう?なぜ水着を忘れてしまったのだろう?」と後悔をするのは嫌だなと思い始めたのです。 一方でこんな短い滞在で、水着を探して歩く時間の無駄も嫌だなと思いました。しかし両者を天秤にかけると、体験というまたとない機会を喪失するよりも、がんばって水着を探して、未知の体験をする方がプラスになるに違いないという考えに至り、水着を買いに行くことに方向転換しました。 地図を背負っているAIによると、スポーツ用品店には必ずあるとの回答で、3店舗ほど挙げてくれたのです。私は現金の持ち合わせがTetuanで絵画を買ったりしたこともあり残り少なくなっていたので、確実にクレカ支払いが出来る店舗がいいと問いいました。 するとAIが教えてくれたのは、新市街にある現地チェーンのスポーツ用品店でした。googlemapsに従って、少し怪しげな道も通りながら、結局再び坂道を登ることになりました。 ヒフデュラ切れを感じていたところに坂道ですから、やっぱり駄目だなと思いながらゆっくーりとお店を目指してゆきました。 旧市街とは異なり、ALSAの青いバスが走り、フランス風のペストリーのお店があったり、一体どこの街にいるのか分からないような、現代的かつアラビア風&フランス風の混ざり合った新市街を歩いてゆきました。少し90年代に戻り私は90年代のヨーロッパの街を歩いているそんな不思議な気持ちがありました。 そして見上げると現れたのが目的のスポーツ用品店。アディダスとかナイキとか、日本のお店でもおなじみのスポーツメーカーの製品が一通りそろったまままあ現代的なお店でした。 私は店員さんに「水着を探しているんです。泳ぐのではなく、ホテルのジャグジープールに入るための水着です」と言いました。すると店員さんが見せてくれたのは、たった1着だけのアレーナのブルーのいかにも競泳選手が着るような水着だったのです。 店員さんが広げて、二人で「ブブブーッ」と吹き出して笑ってしまいました。ユニセックスらしく、「XSがいいかもしれません。これしか水着はおいていません」ということでした。水着を買うなら郊外のお店が品ぞろえがあると教えて下さいましたが、「私は旅行者なので、郊外まで買いに行く時間がありません」と言いました。するとセパレートタイプを購入することを勧めて下さいました。 3択しかなく、ブラックかブルー系、なぜかヒョウ柄&ピンクです。消去法的にブルー系を選びました。店員さんも「それが一番いいと思う」と言ってくれました。 おなじトップスに対するパンツが無いんです。「店員さんがブラックにすればよいと思う」とアドバイスしてくれ、ブラックのセパレートのパンツのSサイズを見つけました。 試着をするのに私のカバンを預からなくてはならないと言うのです。カバンには現金のほかパスポート、Eチケットなど帰国するのに無くなっては困る貴重品が入っています。「あなたのことは信頼していますが、第三者カバンを盗んでいったら、私は困ります」と説明すると店員さんは悩んだ末、カバンを持ったまま試着室に行くことを許可してくれました。 優しい店員さんだったので「1アイテム、2アイテム」とちゃんと持ち入る水着を提示して中にないりました。ところが残念、Sサイズではブカブカだったんです。なので「Sは大きいのでXSはありませんか?私のアンダーバストは70です」と言うと、男の子の店員さんは少し恥ずかしそうにニコリとしましたが、XSを出してきてくれ、パンツも水着用と言うわけではないのですが、XSサイズのイージードライのフィットネス用っぽい良い感じのパンツを私が見つけました。 再度試着にトライ!これならまあ何とかジャグジープールに入ってもおかしくはないというスタイルを確認し、日本なら同じ値段でもっと素敵な水着が買えるのにと思いながら、セパレートの上下の水着を無事購入しました。 結局私自身が水着を買いに行かなくては納得出来なかったのだと思うのですが、一体水着なんてどこで売ってるの?というイスラム教の街で無事にセパレートフィットネス水着をゲット出来たのです。 ホテルへの帰り、アラビア語しか分からないチューロス屋さんがいて、私が興味を持っていると、アラビア語で何か言うのですが、通じません。「いくらですか?」と英語で聞いても???。道行くひとがフランス語で訳して下さったのですが、「3個下さい」と言ったらアラビア語で訳して下さり、どうやら3個ではなく3グラム?なのか3ディラハム分なのか分かりませんが、かなりの量のチューロスを手渡され、割と安い金額を払って、「まっいいか」と購入しました。 夜は遅くなっており、出かけるの危険だったので、少しチューロスで小腹を満たし、いざジャグジープールへと向かうことにしました。 ビーチサンダル風の部屋履きを持参しているのですが、まさか高級ホテルでそんなサンダルで行く訳にもいかないだろうと靴を履いて、バスタオルや着替えなどをバッグにいれてジャグジーの受付へと向かいました。※昔の写真や絵画が飾らせてちう館内を通り抜け、El Hotil Minzhのジャグジープールへと向かいました。創設当初の写真なのでしょうか?走っている🚖と、街ゆく人の服装が時代を感じさせますね。 1階のレストランのある広場を通り、寒くて誰も泳いでいない、プールを通りぬけると建物がありました。ドアを開けて中に入り、「まさか有料だったらどうしよう?」とおもいながら、部屋番号を告げました。ノートみたいなのをチェックしんがら「このお部屋はジャグジープールはインクルーシブでございます」とレセプションの人と同じことを言ってくれたので、少し安心しました。 システムがいまいちわかりませんでしたが、「ここで待っててください」と言われ、バスタオルと鍵が手渡されました。受付の女性が後ろの男性に声をかけると、ホカホカに温められたバスローブを手渡して下さいました。 そしてスタッフの男の子が「こちらですマダム」と言って更衣室まで案内してくれたのです。 いまいち訳が分かっていませんでしたが、バスローブがホカホカなのには感動しました。ロッカールームで購入したばかりの水着に着替え、上からバスローブを羽織り、タオルを持って靴を履いてプールへ向かいました。ここでサンダルがいるのだと翌日はサンダル履きで行きました。 プール横にあるデッキチェアの上にバスタオルを置き、バスローブを脱いで水着姿になり、靴の中に鍵を隠して、いざプールへザブンと入りました。 浮き輪ではないのですが、色々な棒みたいな浮きツールがぷかぷか浮いていて、それらをうまく組み合わせると、水の上に寝ころんで脱力することができたり、時間ごとにジャグジーが回転し始めて、ブクブク泡の中で遊んだり、ひとりでかなり楽しんだと思います。 そして驚いたのは意外と泳げるという事。けれどもその後、体力を使った息苦しさとは異なる肩呼吸のような息苦しさが出てきて、「これはまずい」と思い、浮き輪みたいなのでぷかぷか浮いてリラックスしていましたが、意外と首の力が無く、結局はジャグジーでブクブク泡に包まれて過ごしました。 イスラム教の国で消去法的に購入したスイムウエアーは、トップスがニューバランス、パンツがプーマというちぐはぐな組み合わせ。けれども3択しかなかった割には良い水着に出会えたと思っています。 何より首が詰まっていて胸腺腫の跡形が見えないのが本当に良かったとそう思っています。 そのまま部屋に戻りシャワーを浴びて、翌日に備えたのでした。