2024/6/2(日)  15:16

 

 

 

ということで、前回の記事からの続きである。前回では参戦の暗い側面しか執筆していなかったが、どちらかというとメインはこちら、称賛多き今回の対バン参戦だった。1組ずつ、とはいえ時間も時間なので、簡潔に書いていこう。

 

会場:なかのZERO 大ホール

タイトル:SPARKing

 

参戦時間:2024/6/1(土)、11:50~14:40

観賞組数:15組

称賛組数:8組

 

※筆者が参戦する対バンの中でも低知名度寄りであり称賛3割いければ十分かなと経験上

 しかし実際には5割オーバーだったのでこれでも称賛率の高いものとなっている

 

 

 

COZ39

 

本来は2人組なのだが、1名が療養中ということで、八宮1人での出演だった。

2人組、ということで、筆者はよく「ユニット」と称して、3人以上のアイドルグループとは別の議論を敷くものだ。というのも、3人であればバランス良く個性を揃えれば良いようなもので、歌割り展開、そして歌唱負担という側面からでも、3人構成であればまだ自由度が高い。しかし2人となれば、バランス以上にシンクロレベルでの相性の良さが求められるものだ。昔の話にはなってしまうが、神谷姉妹の「じゅりえり」は本当に素晴らしいユニットだった。

なので、2人組であれば1人が欠けた状況というのは、3人→2人、以上に負担の大きいもの、なはずだが、彼女はとても活き活きとしていた。水を得た魚のような積極性、エネルギッシュであり、彼女のヲタクでなかろうと元気が貰える、そんな素晴らしいライブだった。今の実力でも十分、ソロアイドルとしてやっていける。その類いの対バン出演でも十分、戦える魅力がある。

 

 

 

Mellow×Mellow

TwitterことXの検索で引っ掛かってこないのが唯一の難点ではあるが、ライブ、そして個々人のパフォーマンスに注目すれば、アニメ調な歌声、そしてアグレッシブな積極性あるダンスというのは、対バン全体においても良い刺激となっていた。小柄なスタイルで統一させているのも良いと感じた。筆者個人としては、この日観たアイドルの中で最後に称賛できたアイドルだったが、これが何を意味するかといえば、同日に観たライブ、様々なアイドルとは違った魅力で見せてくるという強みがあるということだ。やはり検索でヒットしないために詳細を思い出せないのが惜しい。いつかまた近いうちに参戦したくなってくる。

 

 

 

OS1

 

本当に良い雰囲気だった。今回、ホールということで着席で観賞する者が多かっただけでなく、動員重要と銘打つ運営が多く界隈によっては他者を寄せ付けないような雰囲気と化してしまうアイドルもいたが、OS1は界隈か外部か関係無く、積極的にレスを飛ばし、フロア全体、一人一人をよく見てライブができていたのを高く評価したい。

現場も素晴らしかった。今の時代、火力で測るのは錯誤的であり、雰囲気で測るべきだ。その点では、本現場は間違い無く、暖かい空間だった。きっと今回の動員重要対バンが終わって、飲みにでも行っていたに違いない。ヲタク同士だから、を超えるような仲の良さが素晴らしい。多少妄想的だ。いずれにしろ、壇上、フロア、共々良き雰囲気を創り出せるのは強い。

 

 

 

Quest Ship

 

対バン後半は一切参戦していないので対バン全体では議論できないが、少なくとも前半の限りでは、比較的動員が多かったようにフロア後方から見受けられたものだ。現場の方向性としては、OS1は落ち着いた安定感をベースに、Quest Shipは個々人の元気の良さをベースに、現場を構築しているように感じた。壇上についても同様だ。

やっぱりあの活き活きとした感じは、観ていて元気を貰える。アイドルできていることが本当に楽しいという、その思いを表現するだけでも十分、観客に悦びは伝わり得るものであって、日々、仕事やプライベートなどで疲弊している者などにとっては特に、良い薬になるというものだ。同日ではスパドキ出演もしたということで、積極的な活動ぶりだ。今後に期待したい。

 

 

 

Re:RIPLIE

 

どう呼べばいいのかわからないほどに独特なルックス、メイク様相というのが、路線が定型化したアイドル界においては良い意味で尖った攻め方だと感じた。病み系でも地雷系でもない、自分たちがオシャレだと信じるその自己昇華というのは、周囲に流されてただアイドルを務める者たちなどと比べれば、自立的で素晴らしいと感じた。なので、もちろんパフォーマンス面でもその世界観の範疇で一貫性がありこれもまた素晴らしかったが、上記の通りなので、登壇時点で称賛が決まったと言ってもいい。

兼業としてアパレル、というのもまたなかなか独特だが、提案にしろ経営にしろ、アイドルだけに限らない活動の場というのは、専念する以上に女性を育てるものだと筆者は考えている。今の時代、ライブアイドルと唄っていてもライブ以外の活動をも充実させているアイドルは少なくないが、そんな今日でも十分稀有な生き様である。長続きするかどうか、以上に、そんな人生選択をして生きると決めたこと、それを継続すること、それだけでも十分、この刹那は将来、輝かしい思い出に化すに違いない。

 

 

 

yumegiwa last girl [MVP]

 

10分間で7曲メドレーという、明らかに楽曲派なプロデュースからして推せる。

アイドル界、広く見渡せば、コロナが明けたことによって、沸ける楽曲であれば音楽性を強く求めない方向へシフトしてしまっていると考えており、これとは別で、運営アイドル間での信用失墜や、多様化に伴いヲタクの厄介ごとに巻き込まれるアイドルなど、音楽を軸とした魅力の構築という点で、多少の危うさをも考えてしまう筆者である。

だからこそ、今回、同日にクロフェスやスパドキなど、名の知れたイベントが行われているから、と手を抜くこと無く、プロデュースするアイドル、少女たちに音楽を表現する悦びを提供する、そうだ、それこそがアイドルをプロデュースする者の使命なのだと、こう熱く議論できるほどに、音楽と歌唱力含めた実力のぶつかり合いというのが、確かに眩しかった。

会場出るついでに物販ブースも見てみたが、雰囲気が良かった。良い界隈だ。多々、アイドルというのはマイナスな議論がされ得る世界ではあるが、本運営/アイドル/ヲタク、な三者が今後もブレなければ、十分、アイドル界は明るいと。

 

 

 

スターチスのラブレター

 

動員量は特筆すべきほどでもなかったが、個々人の活気が良かった。若さも良い。あの人数であの勢いが出せるのなら、若者からの支持が強いアイドルが出るような対バンでも戦えそうだ。出番箇所を上手く調整すれば、良い相乗効果が出そうだ。

パッと浮かんだのはUtaGe!である。ただ、これはこれで、すっかりアイドルとして成長しているので、逆に浮気してしまわないかが心配だ。まあいずれにせよ、少なくとも、今回のようなイベントに限らず、もっと幅広く対バン出演で攻めていい。そして外部ファン含め、広く愛されるような感じで展開していけば、彼女たちにとっても、より満足度の高いアイドル活動になるだろう。

 

 

 

トキメロ

 

さて、最後のアイドルとなってしまうが、現体制、ソロで活動せざるを得ない状況でも、果敢に挑んでいる様子が良かった。一方で現場はというと、超高火力で戦える猛者が1人いて、筆者はそれに乗っかる形で加勢できたので、個人的な満足度でも高いものであった。なお、ヒビコレに関しては、4名という多さにも関わらず、人数分の魅力が出し切れておらず、リズムがかなりずれての歌唱様相だったので、ホール出演自体今後は控えた方がいいのではという評価である。

同事務所とはいえ、評価が明暗分かれた2グループだが、今後も互いに高め合うような関係性であってほしいものだ。

 

 

 

ということで、順番に書いてみたが、自分で書いてて、評価の濃淡が大きいと感じてしまうところだ。まあ当たり前なのかもしれないが、やはり、既に28歳ということで、短期記憶力が確かに衰えている。そもそも、ヒビコレのライブがひどくて離脱した、というのも結局、老いなどによる疲労もあり、アイドルの実力云々だけでも正当に測れていないのも否めないところだ。

 

まあ、今回の参戦、全体所感としては、知名度の高くないアイドルでも、真面目にパフォーマンスに取り組み、ファンと良い関係性で互いに尊敬し合えて、そして運営側も決して諦めていない貪欲さ、それらすべて合算して、改めて、ライブアイドル界の未来は明るいと評価するに至った。なお、タイトルでは今回に限り、知名度面を考慮して「地下アイドル」と著した方が、読者にとってはイメージしやすいのでは、という判断である。それに、これからまだまだ伸びる余地があるというのは、良いことだ。地道に経験を積んで、着実にファンを増やして、次の時代のメインプレイヤーになる。いいじゃないか。そんな未来に期待したい。

 

さて、続けて書くあとがきについては、この参戦前後で筆者は何をしていたのか、そして日没あたりの時間まで中野を堪能して帰路に就く、それらも含めて、今回の参戦に対する全体所感へと影響はしている。そのあたりを雑に書いていきたい。(3739字)