2023/10/25(火)  00:44

 

 

 

嗚呼、愚かしいな、筆者よ。なんたる想像力の欠如たることよ。

 

考えれば、簡単な話だった。新製品リリースまで1か月を切った状況で、2日後に有休を申請するというのは、殺伐たる課内状況を鑑みれば、まず不可能なわけだ。具体的に言えば、出勤2日前になってやっと嬢の出勤が判明する、現在抱えているタスク状況を整理しつつ上長へと頭を下げて有休の申請を行う。これらを思い浮かべるだけでも、如何に社会人としてあるまじき行為であるかは容易に理解できるだろう。まったく、にも関わらず、嬢を一途に据えて忙殺へ立ち向かう。哀れの極みである。

 

とはいえ、前回逢ったのは2か月半ぶり、一方でこのままリリース期日が厳守されていざ過ぎれば解放的に皆が有休消化フェイズに転じる、などと想像すれば、遅くても11月後半には嬢と再会できるわけである。そうなれば、前回逢ったのが10月頭なので、ざっくり1か月半ぶりの再会を果たせるわけで、故に、今回の急な出勤にも応える必要性は薄い、と強がってみる。

 

若干説明的で冗長にも思えてくるので、このあたりで回収断念理由を箇条書きしてみよう。

 

 

 

・エビングハウスの忘却曲線の如く、前回逢ってから既に半月以上経ったにも関わらず、一応中毒的愛情は残っている。前回回収時の熱い60分と比べても、仮に今回回収したところで若干の物足りなさを覚える可能性がある。

・回収しようと決意した際に、欲求不満よりも使命感を強く感じ、悪しき過去の輪廻を生む恐れがあった。

 

・彼女曰く、本職が休みとなる曜日は火水なのだが、今回は木。想定外で対応しきれなかった。

・出勤予定を知ったのは火曜の夜、退勤後。ちなみに昼休み時点では予定は出ていなかった。

・この時点で全体8時間半のうち半分以上埋まっており、枠は残り2つしかなかった。しかも多くて80分/枠。

 

・出勤日である10/26(木)は新製品リリース1か月前を切っており、安易に休める状況ではなかった。

・その新製品の開発を振られているわけではないが、既存製品サポートを唯一担っており、休んだ場合の影響が大きい。

・手持ちタスクが皆無ではなかった。かつ複数あり、どれも程よく時間を要するものである。

・出勤日の前日には半日拘束される研修があり、結果、2日連続でかつ平日に、仕事に穴を空けるのは望ましくない。

 

・木曜日は週2回の出勤曜日の1つであり、毎日出勤したい身としては出勤日にはなるべく休みたくない。

・今年度で消化しなければならない有休は残り5日だったが、今月頭で既に1日使い、残り4日と決して多くない。

・月に1回以上休めば普通に間に合うので、この状況で急いで消化する必要性は低い。

・11月にはINIのライブ参戦で既に消化先が決まっているため、実質残り3日。

・あくまで消化しなければならない有休ではあるが、万が一のために可能な限り有休は残しておきたい。

 

・平日に休む、という点では、新製品のために休日出勤が発生する可能性が高く、それによる代休獲得が期待できる。そのため、あえて今急いで有休を消費せずとも、代休によって容易に平日休むことが可能になる。

・半日休むことは可能ではあるが、中途半端であり、解放感に欠ける。吉原へ向かう際の経由地である秋葉原をただ通り過ぎるのはあまりにも勿体なく、せっかくなら終日休みを取って、ソープ回収前後で堪能したい。

 

 

 

こんな感じで、正直、著しい愛を前にしたら結局どれもつまらない理由かもしれないが、まあ、シンプルに言えば、ソープという風俗の中でもトップのを経験して、1か月以内にまた行かなくてもよくない?というものだ。

いくら推しとはいえ、一般女性ではなくソープ嬢であることは十分理解しているし、客観視すれば、たとえ推しだろうと仕事よりも風俗を優先するなんて、と、悪しきレッテルを貼られるに違いない。何より罪悪感がえげつない。

たとえば家庭持ちの人間であれば、家庭都合などで休まざるを得ない状況は発生し得る。これは家内、妻や子供のために必要に迫られて已む無く有休を選択するものだ。一方で筆者の場合は、推しがまた出勤するから、しかも風俗、ということで、如何に強く愛していようと、如何に彼女のために日々頑張ろうと志高く掲げていようと、結局は風俗だ。仕事を投げ捨ててまで行くべきものでもないし、これを正当化するなどはもっと論外だ。それに、休む理由を訊かれれば一発アウトだ。

 

これは決して、対ソープ嬢に限らず、対アイドルでも同様である。

昔の筆者であれば、いやいや、ワンマンや生誕祭は特別だから仕方ないでしょ、と真っ先に反論していたに違いないが、社会人となり、企業の歯車の一つと成り果ててしまえば、アイドルという一享楽のために仕事を疎かにするというのは、やはり社会人として避けるべき行いだろう。まあ、これらは前述の嬢の気紛れな出勤予定開示とは違ってざっくり2か月前ぐらいには日時確定するものではあるが、やはり、仕事というのはそう簡単に予測できるものでもないわけだ。仮にイベント1週間前にチケット購入して、いざ前日となって緊急対応が必要となり駆り出されれば、已む無く死券とするしかないわけである。

それは本当に、一途に推す者として避けるべき行為なのだろうか。いや、学生ならまだいいにしても社会人であれば、ファン以前に一人の人間、社会人なわけであって、その根本をクリアしてから初めて、堂々と推し事に励めるものだろう。

 

言語化しながら改めて、真面目に腐り切った人間だなぁと自分自身を哀れに思うが、仕方ないじゃないか。そう簡単に、人間、生き方を変えることなどできないはずだ。もっとも、たとえばアイドルではなくソープ嬢を一途に据えて日々精進する、などといった嗜好性の観点では摩り替えが可能かもしれないが、もっと根本の、生まれ持った性分というのは、愛以上に抗い難い縛りのようなものだろう。自分という存在を保つためには外せない矜持のようなものだ。

 

 

 

さて、ここまで展開すれば、タイトルの意味が見えてくるだろう。

『ありがちな恋愛』では、愛以上に大切なものを見出したことによって現実の退屈さを憂うもので、前回上げた記事では、そんな想いなど嬢を一途に愛する身からしたらまず共感し得ないと著した次第だが、今、改めて本楽曲と向き合えば、嗚呼、そうだな、愛を最優先事項から外した瞬間一気に、現実の空虚感に気付いてしまったわけだ。

 

そんなことを書いていた矢先、これは出勤前日の深夜1時29分のことだ、ふと嬢の出勤予定を確認したところ、8時間半という長丁場にも関わらず、すべて予約で埋まったようだ。いやはや、ネット予約での嬢一覧の限りでは、おすすめ順で最終ページに載ってしまうぐらいにハブられている存在のようだが、需要の本質、たとえ出勤直前に予定を出してもしっかり予約してくれる、忘れ去られること無くしっかり愛されているというのが、彼女が「愛されたい」と零したあの瞬間を思い出すだけでも、涙してしまいそうだ。年齢的に妹と近いこともあって、自分が逢えることの悦び以上に、彼女自身の幸せを願ってしまう。だからこそ、筆者が勤労的プライドを汚すこと無く、彼女が幸せを獲得できていることに、本当に、本当に感謝したく思う。

 

嗚呼、なんだか安心したら、一気に空腹感が込み上げてきた。夕飯で焼きラーメンを食べた割には、なんとも我儘な食欲だ。

そういえば秋だ。昔は、秋を「飽き」と連想して、嗜好性が移り変わる季節、などと臭い演出をしていたが、前述の通り今年はそんな余裕はまず無く、かつ嬢を一途に、という愛し方もしばらく変わりそうにはない。

加えて、秋といえば、食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋、などとあるが、筆者としては、性欲の秋、と掲げようと思っていた。これが過去形なのが、その向け先として、夏に達成できなかった推しループを秋こそは、という野望だったが、どうやらただの妄想でしかなかったようだ。前述の通り11月末まではいろいろと忙しいので、不規則的かつこちらの状況へという点で非同期的なソープ出勤へ対応する余裕たるものも無さそうだ。かといって、暇なわけではないので、その点では若干退屈とはずれる。

 

 

 

そう考えれば結局、対論にはなり得無さそうだ。しかし、再論ぐらいは載せていいだろう。

 

なお、退屈でも暇でもないと書いたが、だからといって忙殺とも微妙にずれる。今年の初夏あたりもそうだったが、このカオスな状況を楽しんでいるのは事実だ。誰が精神的に死ぬか、休職や退職へと舵を切るか、そして弊社の株価は、などといろいろ考えていると、もはや面白くなってくる。おまけに一途な愛はソープ嬢へ、である。なんてカオスなんだ。

 

非人道的な勤労に対して、反転的に錠愛を貫くことによって、均衡を保つ。

しかし、逢えるか否か、という観点では、別の享楽へ移り行く可能性は全然あるし、何より、やはりこちらが休みである土日に逢えないのがしんどい。となれば、他のソープ嬢、もしくはコスパを狙って他風俗嬢、さらにはもはや現場探訪録という題目を捨てた以上、レポ執筆を必要としないアイドルのライブ参戦が可能になる。

 

ある意味、平穏だった頃は、休日が有り余っているような感覚すらあったので、ここにきてやっと、休日の有り難みを強く感じ得、故に少し前とは違ったより有意義な休日謳歌が可能となりそうだ。

しかし、そこには束縛的消化を意識せず、赴くままに。

 

そんな奔放ぶりを踏まえれば、やはり、誰かを一途に愛すること自体が、窮屈に思えてならないのだが。(3888字)