迷走しているじゃないか、筆者よ。そんなに焦って結論を出さなくてもいいじゃないか。
もっと単純に考えてみよう。
土日で晴れていれば、外に出る口実で予定を作る。基本的にはアイドルライブに行く。
ただ、前週と同じ会場とか、そんなにワクワクしない出演者とか、だったら他の遊楽を選ぶ。
あとは超疲れているとかだったら、家に籠るのも悪くない。生命力が鬼なので、まず無いとは思うが。
といった感じで、もっと気楽に考えよう。直感的に、楽しいと思った方へと進もう。
そんなわけで、振り返って先週末、4月9日のことだが、バトゥール東京の対バンへと参戦した筆者である。
出演組数は24組、そのうちライブを観たのは16組。参戦時間は約5時間。割と平和な参戦耐久だった。
ただ、ほとんどの現場で情熱的に挑んだ。声援強く、喉休ませる場合でも振りコピは余念無く。
傍から見れば、かなり精度高かったので、あれはアイドルも驚いたんじゃないか。
どのアイドルに対しても、ひたすら踊っている。まだ数組程度なら解るが、万遍無くというのがえげつない。
一方で、フロア後方に椅子残ってたので、随時座って休憩しながら挑んだ。正直、終演まで耐久してもよかった。
しかし、物販に行かない可能性が高い、な心情でライブを観るのは、どこか申し訳なく感じてしまっていた。
と思ってしまうほどに、今回物販回収した6名、全員、会話が楽しかった。
筆者の中で、物販への求心力が高まってしまっていた。
会話量云々で言えば、それこそソープとか、周囲の雑音を許容すればおっぱぶやキャバクラなど、そして1対1すらも無視すればコンカフェやメイドカフェなども十分可能だが、今更ながら、筆者は気付いた。真剣にアイドルを頑張っている者と、話すのが一番楽しく感じるのだと。そして、それが達成できれば、会話時間というのはそこまで気にならない、ということだ。
で、日付変わって、乃木坂工事中を観ながら、執筆を始めた次第だが。
上記6名に関して、憶えている範囲で、話した内容を簡潔に書き残していきたい。
物販1「ピンク」成瀬陽菜「サインあり2shot」0円 (新規無料)
Shupinesは、コロナ禍でもタフにライブに出てたイメージがある。なので今回観た体制よりかは、旧体制での印象が強く、小柄なメンバーがまとまって可愛くライブを仕上げる印象。ただ、如何に観賞を強いられるコロナ禍であり、それに即した方向性設定とはいえ、限界は来るものだ。故に、当時から残っているメンバーはどちらかというと少数で、彼女はそんな時代を生きたアイドルだ。おそらく、コロナが明けるまでは、頑張ろうという想いがあっての、今回の卒業タイミングだと、筆者は考えた。ライブを今回観た限りでは、新メンバーが全く怖気づいておらず、積極的に魅せているのがとても良かった。かつ、実力面でも遜色ない様相であって、アイドルを始める者たちへ、確かに良く教育されたのだと、どこか腑に落ちるものもあった。もちろん現場も良かった。しかし、それ以上に、パフォーマンスが、バトゥール東京というフロアとの距離が近い会場でも、難なくこなしている。グループとしての自立。感動は数多いが、限りある物販で伝えたのは、将来のことだ。5年後や10年後、次の時代へとアイドルという世界を繋げるにあたって、教育を務めること。そんなあたりを称賛した次第である。
物販2「紫」虻崎らむ「サインあり2shot」0円 (新規無料)
振りコピが楽しかった。かつ、現場がどこか懐かしかった。売れたアイドルとは対照的に、コアな現場というのが、地下アイドルやライブアイドルのライブへ行った際の醍醐味だ。ただ、彼女が在籍するアイドルグループ、シュユノトキは結成して既に半年ということだった。ライブアイドル界において、正直なところ、半年というのは差が出にくいほどに短い期間だ。もっとも、当人である少女たちにとっては、目まぐるしい変化の最中故に一瞬の如く感じ得、かつ、アイドル以前に少女としての成長もまた著しいものではある。しかし、ここで筆者が言いたいのは、パフォーマンス如何の話だ。半年という期間、一般的には、定期公演などの固定イベントにやっと慣れてきて、ファンもそろそろ専門のヲタクへと昇華するぐらいの時期だ。なので、自分たちのパフォーマンスをどうレベルアップさせていくか、というのは、このあたりから考え始め、頑張る時期ではあるので、だからこそ、彼女たちが真摯に世界観表現に励み、誠心誠意ライブに臨めているというのは、なかなかに成長早くないか、と思ってしまうものだ。今回の立ち回り、別に観賞専念したわけではなく、振りコピだった。それでも十分、彼女たちのその誠実さが見えてくる、伝わってくるというのは、それほどに今の時代、スターター時点でも成長速度が求められる時代になったのだと気付かされる。ある意味、厳しい世界になったとも言えるが、筆者としては、歌やダンスを人一倍愛する者を選り抜くフィルターへと、このハードルの高さが活きているように考えるので、どちらかといえば良い変化だとは感じている。それに、蛇足かもしれないが、ただ純粋にファンと交流したいだけ、なら、メイドカフェやコンカフェ、他風俗、さらにはマッチングアプリで男遊びすれば済む話だ。言わずもがな、アイドルとはそんな職業じゃない。音楽がベースにあって然るべきだ。だからこそ、彼女たちは表現者でもある。
物販3「ピンク」藍川さゆ「サインあり2shot」1,500円
なんだか真面目な議論になってきてしまったが、彼女の方が幾倍にも、真面目にアイドルに臨んでいると思うぐらい、天性のアイドル魂を持っている。ハロプロが好きで、少し前の時代のライブ動画をよく観ているらしいが、個人的には、今のハロプロだって十分面白いと考える。なので切り返して熱く展開してもよかったのだが、これは剥がし際での内容だった。メインで話した内容としては、衣装についてだ。筆者が開口一番に、3人体制でこの衣装テイスト、なんだかエルフロートを思い出してしまうなぁ、と言ってみたら、この衣装は誰が製作担当していてー、といった感じで、専門的に語ってくる姿がとても良かった。彼女は既に今、プロデューサー業務を実質担当しているようなものなので、事細かに説明できて当然と言えば当然かもしれないが、肝心なのは、その熱意だ。今着ている、その衣装を確かに愛している。パフォーマンスで本領発揮するためにも、とても大事な愛だ。レッスンなどでは、踊りやすいレッスン着だし、比べれば当然、衣装の方が暑いし、踊りにくさはあるだろう。それでも、やっぱり見栄えは全然違うし、だからこそ、普段の練習通り、またはそれ以上にパフォーマンス発揮できるか、楽曲や現場様相なども無視できない要素ではあるが、衣装もまた同程度には、無視できない要素ではある。ちなみに、この衣装に続いての内容としては、専業化についてだ。昔と比べれば、楽曲も衣装も、製作を外注するようになったと。専門の人がやることによって、昔とは比にならないほどのレベル高いプロデュース要素が実現でき、結果、総合的にレベル高いライブアイドルが誕生する。ここで筆者は、昔は疎遠だった業界でもアイドルに関心を持ち協力してくれる、そんな風にアイドル界が魅力ある世界で在り続けてほしいからこそ、アイドルを務める者もこれから一層と頑張ってほしいと。もっとも、普通のアイドルを前にすれば、このような話など絶対しないが、彼女は経歴長く、アイドルを俯瞰できる賢さがある。故に筆者もまた、熱意を伝えて正解だったと。
物販4「ピンク」瀬戸真凜「サインあり2shot」1,500円
前述の通り、恋アクを物販回収していたので、ずっと撮影待機していたわけではないのだが、彼女は何度も、待たせてごめんね、と謝っていた。そんなに筆者が不機嫌そうに見えてしまったのだろうか。筆者は単純に、事あるごとに彼女のグラビア姿を見返してしまっているからこそ、緊張していただけなのだ。抜群の歌唱力を持ち、小柄なルックス、そして胸の膨らみ。ライブ志向が強い筆者とはいえ、そんな少女を前にして緊張するなという方が難しい話だ。もはや思考回路すら詰みつつあった状態で、何を話そうかと考えるより先に、なんか最近凄いイベント増えてない?今日だっていろんなところでライブやってるし、と口を突いて出てしまった。どうくるかと内心ヒヤヒヤしたが彼女は、確かに平日とかもライブやってみたいんだけどね、と返してきた。これには割と困った。というのも、筆者の中では、もちろん平日にライブをやるメリットというのは十分解っている。しかし、学生時代、そしてコロナ以降の有休消化平日参戦、そこまで参戦者の傾向は変わらない。学校終わりの学生や、仕事終わりのアラサー世代や中年世代が参戦の中心を占める。これに加えてコロナ以降では、老若男女、幅は広がったものの、逆に言えば動員の多様性、つまりは幅広い人気か否かが問われる世界である。そんなライブアイドル界全体の様相を踏まえて、GRAVITYはかなり、内輪イベに寄った戦術を敷いている。それならFreeKも同様じゃないかと言えそうなものだが、あっちは若者が動員の中心なので、グループによりけりではあるが、強いところなら外部イベ出演でも全然動員は堅い。と考えてみると、確かに堅実に考えれば、土日出演はほぼゼロにして土日に全振りした方が賢いといったものだ。しかし、そんなことを彼女に伝えるわけにはいかないし、いろいろと予想外の変化が起きているライブアイドル界だ、動き出さなければ断言はできないという想いもあって、そうだねぇでもほら平日仮にライブやってみればそれは一つ良いデータにはなるし、と、2秒程度上記を思考した上で返したところ、なんだかプロデューサーみたいなことを言うね凄い考えてるじゃん、と返してくれた。あとは確定ルートに近い形で、いやまりんさんもたくさん考えているだろうし、と持っていって終了。今はまだ、現体制になってから日は浅いし、アドレナリンもあるし、ある程度は大丈夫だろうが、しばらくすれば悩みの方が強くなってくるかもしれない。そんな時こそ、メンバーという仲間を頼ってほしい。つばさプリエールから一新した現体制だ、時間がかかったからこそ、同じ歩みを以て進んでくれると信じたいところだ。
物販5「ピンク」桃乃あや「サインあり2shot」2,000円
あまりこんなことは書きたくないが、今回の対バンで、最も頭を悩ませたライブだった。もちろん、筆者の参戦頻度の高さだって多少なりとも影響はしているだろうが、他の多々頑張っているアイドルを見れば、その成長速度にはどこか首を傾げてしまうものだ。正確に言えば、何か明確な目標やゴールに向かった、一貫性のある努力、というのが欲しいところだ。とはいえ、パフォーマンス志向の強い筆者だ、ある意味、変わらない様子でもライブに出続けるというのは、極致的な親近感の獲得とも言える。会うベースに全振りするというのは、何も悪いことではない。だからこそ、彼女、あやがパフォーマンス改善に頑張っている姿というのは、どこか心配すら覚えてしまう。もうそんなに無理しなくても大丈夫だと。縋るレベルでメンバーに頼って、信頼し合って努力しても大丈夫なのだと。ただきっと、今の彼女に伝えたところで、理解するとは思い難いところだ。まだ時間はかかるが、彼女がアイドルとして、そして人として、成長する未来に賭けたい。ちなみに、そんな心情でなぜ物販回収に至ったのかといえば、この後に書くゆる革の物販回収で向かったところ、ブースA,Bは階段上がったところ、そしてブースCがフロアと同じ階で、ブースの様子が少し見えるような構造になっている。そこでチェック衣装が見えたので、ゆる革だと思ったのだが実際にはセカモノだったという流れだが、そこで手隙なメンバーが2人程度、踵を返すよりも先に、セカモノはじめてですか?と声を掛けられたので、ええいまよい、という想いで撮るに至ったわけである。ただ、そんな回収で見えてきたのは、しょうがないなぁと言いつつも満面の笑みで物販回収する中年男性、そして可愛く着込んでアイドルとどこかあどけなく話す若い女性の姿だった。なるほど、前述では会うベースなどと一口にまとめてしまったが、やっぱり、人と人が会う空間、それもアイドルとファンという特別な関係性だ。この奇遇性というのは、その構成人数が少ないほど、際立って感じるものだ。だからこそ、彼女と話し始めるにあたっては、堅物の議論ばかりしてしまう筆者自身をどこか恥じらいながら、相対するのであった。
物販6「赤」神凪星七「サインあり2shot」1,500円
そして、今回の対バン参戦で、結果的に本命回収となった、せなてんこと神凪星七である。81momentにも在籍していた彼女だが、個人的に一番憶えているのはイタテンの頃だ。あれはかなり強いメンツな4人組グループだった。最も近しい存在としては、今は弓川いち華という名の少女だが、彼女もまたグラビアでの活躍が素晴らしい。今日、アイドルまたは元アイドルがグラビア活動またはグラビア的に魅せるにあたって、肝心なのは、厭らしさを生まないことだろう。なかなかに難しい。わかりやすく言えば、風俗的な連想を抱かせないことだ。ただ、これは正直、個人差があると思っている。筆者の場合は、すっかり風俗慣れしてしまった身なので、もはや、全くその気が無い、夜明けのモニュメントというアイドルグループが、どのメンバーも物販スペースの高貴な座椅子に座ってファンと話している様相だけで、すすきののキャバクラを連想してしまったぐらいだ。ただ、その妄想の先に、やっぱりどこの業界でも人対人、どういう業態であれ男女が互いに必要としている。しかも一般的な生き方では絶対に巡り逢えなかった二人だ、やはり筆者はそんな空間や関係性に惹かれてしまう。なので、話を戻せば、星七が抜群のプロポーションを有しているから、に限らず、如何なる少女も、自分自身をどう魅せるか、どう在りたいか、というのは人それぞれなわけだし、そんな姿を見て客がどう思うかというのも様々だ。なので、結局は筆者がどう論じたところで、それがアイドル対ファンのきっかけ程度でしかなく、本質は相対しての男女の相性だろう。それでもあえて言うなれば、筆者個人としては、彼女の素直な生き方に惹かれている。アイドルも、グラビアも、そしてポケカも、どれも純粋な興味関心で仕事へと繋げているところが凄い。だから、ここまで長続きできるわけだ。昨今、ライブアイドル界、何かと競合意識強く、差別化などととやかく、運営に限らずアイドル側も本質を見失い疲弊してしまっているケースが散見されるが、GRAVITYはライブベースの軸をブレずに、無理の無い活かし方というのが素晴らしい事務所だ。かといって、堕落的な雰囲気でもないのが、運営各位もそうだが、向上心程好くありたいと願う少女が集った結果なのだと、筆者は考えたい。故に、彼女が今、GRAVITYに所属しているというのはきっと、互いに少しでも時間軸がずれていたら無かったのではと、どこか奇跡的にも感じてしまう。まあそうなれば、落ち着くべきところは他の事務所で出てきたのかもしれないが、様々な少女を見て、その可能性は低いと妄想するところだ。どんな活動形態であれ方向性であれ、相性は運命的で逆らえないものだ。そんなわけで、本音を言えば、安心してアイドルに励める事務所そして仲間に巡り逢えてよかったねと伝えたかったが、初見な筆者がそう言ったところで新参が偉そうに、となりかねない。なのでひとまず、どちらの事務所もそれなりに長く見ていることを簡潔に伝えた。ライブで観ない間にすっかり個人知名度が上昇し、魅せ方も幾重にもレベルアップしたからこそ、かなり緊張した中でも、上記の旨伝えられたのは、間違い無く大きな収穫だった。(6521字)