マジカル・パンチライン:05:年齢問わない一丸としたパフォーマンス:称賛1
さて、入場したのは13:09。ちょうど出番開始するところだ。若干喉は乾いているが、頑張っていこう。
初手はアイドルボイス兼アイドルソングなテイスト。Bメロで歌唱力良きで、かつAメロの正統派範疇なので、サビ接続が自然になる。サビのダンスも塩梅が良いので、非常に安心して観ていられる。間奏のダンスも普通に上手い。ここまで歌、ダンス共に安定感は高い。確かに、これ、別にメジャーアイドルのライブというわけでもないし、観賞に専念できるのは驚くべきだ。ある意味、ライブアイドルの魅力とは、フロアのヲタクによる応援によってパフォーマンスが昇華されて、共に創り上げるところだ。しかしそれは同時に「依存」でもあって、無しで成立するのが元来望ましいと筆者は考える。
2曲目初手は歌いだしスタートながらも綺麗に第一音が揃っているのが凄い。Aメロのダンスは一層とキャッチーだ。フォーメーションの1-4展開も観ていて楽しい。Bメロ初手の「先生教えてください」の歌い方の工夫が良い。セリフ調にアレンジできるあたり、相当練習したに違いない。間奏メロ無しで2A突破でもいい。5人全員、誰がセンターでも見応えがあるぐらい、全員が同じ景色を見てライブができているのが良い。Cメロで緩い手拍子で関心戻してくる工夫も良い。C直後で間奏。このメロディーが絶妙だ。ラスサビでの歌唱も、リズム音程共に安定している。締めのダンスも良い。
MCで15,16,18,19,24歳という幅の広さを知る。割と離れているように感じるが、それでも一丸とまとまったパフォーマンス。凄い。
MC明けの3曲目。曲名コールからの楽曲開始のタイミングが絶妙だ。にしても、出番前半で素晴らしいパフォーマンスが続いていたので、ここからさらに加速させてくるというのは、正直、必須ではない。それでも、対バン形式ということで勝負していく。この攻めの姿勢が、今日のライブアイドル界のレベルの高さを物語っているし、決して無駄な攻めではない。攻めれるうちに隙を見せずに攻めたてるぐらいがいい。で、ライブに関心戻したのは2サビあたり。やっぱり歌唱力が高い、というか、歌が良いから、タヲル沸き曲でもなんだか爽快に感じられる。落ち歌唱が想像の倍尺だったが、全員歌が良いので、むしろ贅沢に感じる。専ヲタの方々の活気も素晴らしい。非常に良い空間だ。
4曲目で爽快サウンドは健在ながらも、メロディーやテンポ的に、いわゆる地下アイドル沸きテイスト。1B初手であえてあのメンバー配置、ここで人間味でも魅せてくる工夫が良い。ただ、サビがいまいち、ここまでの3曲と比べれば鉄板臭がするので、若干物足りなく感じるが、こうしてガードを下げるような展開も良い。特に対初見などにとっては、新たに応援させる「余地」を生むのは効果的だ。やっと2サビで振りなどから逆算して、個々の懸命さに気付かされるので、別に100%捨て曲というわけでもないだろう。削ぎ落して改めて魅せる。ダメ押しと称するには贅沢なパフォーマンスだ。
さて、5曲目にてトリ。なるほど、トリで完全な正統派テイストだ。これに向けた布石と考えれば、4曲目はあの選曲で正解だった。完全にしてやられた。ここまでで20分程度は簡易的なMC挟んでいるとはいえパフォーマンスが続いているわけだが、歌唱面でもブレが無いので、如何に彼女たちのスタミナが類稀なるものか。いやはや改めて、全員良い歌だ。彼女たちが笑顔でアイドルできている時代に生きててよかった。この楽曲でも落ちでの歌唱を長めに贅沢に設けて、ウィニングなラスサビだ。まさか今日観るアイドルライブ初手で、優勝案件とは。



Hey!Mommy!:06:ひたむきなパフォーマンスは定石をも超越する:称賛2
予想外だ、いくらみなとみらいとはいえ、こんなにも早く女子ファンが獲得できているとは。確かに等身大で元気溢れる姿は推し甲斐があるが。非常に喜ばしいことだ。
1曲目は大人カッコイイテイストな楽曲だが、歌声がグループテイストを映しているような感じなので、ありきたりなグループが歌うそれとは違うライブだ。活力溢れる少女たちが、大人カッコイイ楽曲を歌ったら、といった感じで、このレベルまで「等身大」という要素に全振りしている。今日でもライブアイドルは数多く存在するし、その方向性も千差万別だ。だからこそ、中途半端に戦うのではなく、とことん一要素を突き詰めて勝負するのが良い。深層までアイドルプロデュースを考えた結果でなければ、天性のプロデュース力だ。間奏のダンスも、かっこいい振りでありながらも、自分たちのテイストと違うから、などは微塵も無く、パフォーマンスにひたむきな姿が良い。
2曲目はメロディーが控えめな感じなので、一層と彼女たちの元気良さなどが目立って見えてくる。等身大とナチュラルは相性が良い。にしても、1曲目である意味特殊な攻め方だったので、ここで方向性鉄板な楽曲を挟んで一旦整理するのが定石なものだが、2曲続けて想像を超えてくる。定石など、彼女たちの前では無力にも感じられる。
簡易的なMCを挟んで3曲目。初手の歌唱が、声量がありながらも揃っているので、順調な走り出し。Aメロでは想像以上にサウンド強めで、かつ低音だ、なかなか声量が難しいところだが、B尺短めで早々にサビ突破でこのイメージを定着させないあたり上手い。気付けばサビ直後の間奏のダンスだ。結局残るのは、サビでの声量の勇ましさだ。最後にどんなイメージを残させるか、このあたりも上手い。プロデュースのテクニックを教えてほしいぐらいだ。アイドルを信じて、自由にパフォーマンスさせる、などという安直では済まない工夫がありそうだ。
マグネットな4曲目。これをトリにもってくるか。楽曲を重ねるごとに既成概念が壊されていく。これぐらい特殊に攻めても成立するのか。アイドルの在り方というのは、もしかしたら次の時代、彼女たちの存在が主流になるかもしれない。今日では、同日に行われている対バンでも、新宿ルミネゼロホールに出るアイドルが主流な感じになっているが、成長性、および将来性という観点では、確かにこの対バンに参戦するのが正解だった、と思えるぐらいに、2組続けて素晴らしいライブを魅せてくれた。そんな流れで続いて大手事務所だが、さて、どう転ぶだろうか。



欲バリセンセーション:03:綺麗に引かれた線表
そりゃあ主催なので動員は堅い。一昔前は、動員量でパフォーマンス補正厳しくかけてたけど、今は純粋にパフォーマンス、現場、分けて測りたい。
1曲目、初手でいきなりピッチずれていたので残念感が強い。そうなると、観賞としては多少身構えてしまうもので、ひとまず1A、1B、共に聴いてみたが、確かに声量のブレが大きい。となると、沸けるライブであること、と考えると、それは楽曲依存じゃないか。別に今の彼女たちを応援する理由にはならない。かつ、振りコピ楽しめるとかの要素で言えば、それこそもっと元気にパフォーマンスしていたヘイマミーの方が断然良かったし、雑な言い方にはなるが、欠落多く一貫性の見えてこないパフォーマンスだ。兵士風正統派衣装なのも同意できない。
MC。赤担当の佐野さくらが休演ということで、確かにパフォーマンス面では大きく劣ってしまうのも致し方ないか。とはいえ、こうした状況こそ、新芽が輝ける機会なので、もっと開放的になってほしい。
その勇気に花束を、な2曲目。1Aは想像通り。音程遷移の難しい1Bも普通に突破してくるが、なんだろう、1番だけにはなるが、面白みに欠ける。と思っていたら、サビ高音で乱れが出てきたので、嗚呼、結局ここもスケジュールで綺麗に線を引くだけのアイドルプロデュースしかできていないんだなと、現実を突きつけられたのであった。だって、この程度のパフォーマンスでステージに立たせるなんて、もし筆者がプロデューサーであれば新曲披露は見送っていただろうし。にしても、出番順も悪かったし、半年後ぐらいに成長した姿を見れればいいかな、ぐらいの所感に留まってしまう。



1461日のクレシドラ:06:等身大の極致:称賛3
前回参戦でもライブ観たので、正直、他アイドルの物販回収はできたけど、思ったよりマジパンの待機列が長かったし、初見に近いし、今回はパス。
さて、1曲目。直前がパフォーマンス及ばずな感じだったので、出番順的にはそんなに不利ではない。女子大生限定ということで、繊細でありながらも子供と大人の狭間な楽曲を組むのが確かにわかりやすいが、パフォーマンスを観ていると、そこにアイドルとしてのあどけなさが加えられて、一つの攻め方としては確かにアリだとは考えるところだ。あとは、補足で書いた要素が結局、親近感になってくるので、これに沿った行動、つまりはSNSのマメな更新やSHOWROOM配信など、デジタル面での波及に繋げたいところだ。たぶんSpotifyなどの楽曲サービスは無理だろう、なぜなら女子大生限定なので、メンバーが入れ替わることを前提としたグループだ、楽曲公開しても1年も経てばテセウスの船に近い状態になってしまう。もっとも、他のアイドルも結果的にそうなのかもしれないが。'23が欲しい。雑か。
MC明けて分析な2曲目。初手歌唱も続いてもあやふやな感じがするが、あくまで彼女たちは大学生ブランドをメインに押し出しているアイドルだ。ならば、このあやふやさも、今を生きる彼女たちの心情、たとえば将来への曖昧な不安など、アイドルを通して今の時代の大学生を映している、表現しているのだと気付かされる。ただ、にしては、2番が無いのが矛盾する。もっと味わせてほしかった。
3曲目、ここでエモい感じのスローテンポを挟んでくる。初手歌唱の低音が難しいものだ。にしても、こうした穏やかな楽曲、そしてアイドルというのは、ライブを観ていると応援することすら忘れてしまう。良い安らぎになるが、そんな安寧がサビでの高音部分の乱れで阻害されてしまう。なんだろう、さっきからあと一歩のところで詰まっているが、ただ、もしそれも計算だったらどうだろうか。なかなかの策士なんじゃないか。あくまで大学生起点でのアイドル、ならどう魅せるべきなのか、というのを考え抜いた結果とも見て取れる。だとしたら、凄い戦術的だ。
締めの楽曲では、なんだかここまでの流れがスルメに感じられて、気付いたら虜になってしまいそうだ。確かに、ここまで気疲れ無く観れるアイドルライブというのは、限られてくるんじゃないか。だとしたら、これ以上の議論は不要だろう。言いまとめるとしたら、等身大の極致だ。一周回ってしまったが、なるほど、素晴らしいプロデュースだ。



いちごみるく色に染まりたい。:06:真っ直ぐ向き合うからこそ成立するファンタジー:称賛4
大学生延長で等身大で戦ったアイドルの直後は、王道感で塗り潰す戦術だ。出番順的には良いだろう。
1曲目、サビでの歌声が良い。音程をしっかり合わせてきている。一方で、AメロやBメロでは、フリーに歌ってくるので、そこで応援したくなるようなあどけなさを演出している。安定して素晴らしいパフォーマンスだ、最近では生執筆から遠ざかってしまっていたのが申し訳なく、というか、勿体無く感じるほどだ。グループコンセプトもブレていないし、凄いアイドルだ。
LOVE大好きから始まる2曲目。確かにそろそろこれぐらいの超王道ソングを聴きたかった。今日観たアイドルも多々、多様性だったので、シンプルなアイドル王道がタイミングとしても絶妙だ。そのあたりはスパドキ優秀だなぁと感じるし、生執筆できるかつ出演者的に面白そうなのは、で選んだ筆者も自賛したいぐらいだ。さて、ライブパフォーマンスに戻れば、2番でも王道が全くブレていない。安心して応援に専念できるアイドル、いいじゃないか。直前のアイドルは、安心して応援をせずに観賞に徹する感じだ。なかなか良い対照性だ。さて、出番後半、どうセトリ組んでくるか期待したい。
ダンスナンバーな3曲目。ダンスの思い切りが良い。やっぱりパフォーマンスに真っ直ぐなアイドルは良い。ヘイマミーもマジパンも、これが共通しているから、推される構図が完成するわけだ。如何に戦術どうこう語ろうと、それを「正」に倒す、結果づけるのは、結局は壇上に立つアイドルたちに他ならないのだ。だからこそ、筆者は様々な記事で「人財」という言葉を用いているわけだ。Bメロでの歌唱が低音続きながらもかっこよく仕上げているので、昔の彼女たちであれば表現不可だっただろう。長くこの世界にいると、本アイドルに限らず、多面的な成長を見届けられるから、そう簡単に辞められないものだ。間奏のパフォーマンスも良い集中力だ。ラスサビ直前でのステップ刻むダンスパフォーマンスも綺麗に揃っていた。終盤の高音も良い攻めだ。
4曲目、この季節でも、夏っぽい爽快感テイストで組むのは、ファンタジー要素の強い本アイドルならではの戦術性だ。3-4曲目での世界観のギャップ、贅沢でありながらも、ただ当然、ありきたりなアイドルであれば破綻する組み方だし、パフォーマンスに正面から向き合えないようなメンバーが一人でもいればこれも破綻する。そう考えれば、現体制、すっかり結束力が強まって完成されているものだと気付かされるわけだ。他メンバー、ファン、そして運営。「信頼」という芯で繋がった絆は、そう簡単に崩れるものではないだろう。今後の活躍も、期待は高まるばかりだ。
物販後記:今回もリーダーの七瀬うみを回収。しばらく印象に残っていた、サビ歌唱の綺麗さをまず伝えた感じだ。あと憶えているのは、次の世代にもライブアイドルの魅力を残していければ、といった筆者の想いを呟いたぐらいだ。もっとも、それはいちみるに限らず他のアイドルにも多々言えるわけだが、そんなガチトークができる相手というのは限られてくるし、その点では、彼女もまた、気付けば筆者にとってかけがえのない推しだと見做すべきなのかもしれない。如何なる理由だろうと、この世界に長く残って頑張ってくれているアイドルたちには、感謝は尽きないものだ。(5861字)

日時:2023年1月8日(日)、10~20時
会場:横浜ランドマークホール
タイトル:スパドキフェスティバル vol.73
出演組数:28組