先日参戦した、ハロウィン前日の対バンライブは、様々な理由があって、代官山UNITという小規模のライブハウス、そして対バンイベントとしてもそれほど規模の大きいものではない、にも関わらずの参戦であった。

 

どうしてこう著すのかについて軽く説明したい。

筆者の場合、アイドルファンの中でも、過度なDDに分類される。事務所や方向性など関係無く、ただ一つ、ちゃんとライブ活動を行っているか。欲を言えば、ライブアイドル、と呼べるほどにライブを軸として活動している者が望ましいが、それに限ったらアイドル界の全貌が見えなくなってしまう。故に、一口で言えば、アイドル問わず、アイドル界全体レベルでアイドルを応援している。

 

と書くほどに、理屈っぽいだけでなく、もはや半ば運営目線でアイドルについて考え、向き合っている筆者である。

故に、もしアイドル対バンに参戦するのだとしたら、それこそ事務所主催などではなく、幅広くアイドルを取り揃えたような対バンを選んで参戦する方が、効率的という意味ではなく、本能的にそういった対バンを選んでいた。

 

 

 

しかし、最近のモチベーションはというと、上記とは若干違うものになってきている。

もちろん、数多く出演する対バンは十分魅力的である。しかし、対バン通して参戦するとなると、どうしても体力的に厳しいものがあり、かつ一部だけ参戦というのは、筆者個人の我儘でしかないが、どこか中途半端に感じられてしまう。

 

あとは、これが一番大きいが、当然ながら、時間がかかる。

仕事が忙しい、というか、もっと仕事にプロ意識を持って取り組みたい、表面的には同じタスクだとしてもより良い成果物を仕上げたい、と抱き、つい休日も自主返上して明け暮れて仕事してしまう。ざっくり言えば、仕事好きな感覚が増してしまったように自己分析する。

そのため、アイドル応援にかける時間というのが自然と短くなってしまい、少し前の筆者であれば、土曜日に終日参戦して、日曜日に終日参戦レポ執筆して、といった応援をしていたが、それが叶わなくなってしまったのだ。

 

 

 

ただ、ここで読者は気付くだろう。単純に、アイドルに興味が無くなったのではないのだろうか、と。

正直、これは否めない。確かに、コロナ流行が終盤の頃は、ライブを行うアイドルがある程度固定化されていることに気付き始め、言い換えれば、コロナ禍でもライブを果敢に行うアイドルを大方網羅してしまって、アイドルそのものというよりかは、具体的な対象、個々のアイドルに対して、多少のマンネリ、新鮮味が得られなくなってしまっていることに気付いたのである。

 

一昔前の筆者であれば、そんなの妥協だ、と称して、半ば無理強いに参戦を続けていたかもしれない。

しかし、強制に近い使命感を持って参戦したところで、応援されるアイドルは嬉しいとは限らないだろう。もっとも、専ヲタと呼べるほどに強く応援している者であれば、見知った存在であり、頻度高く会いに来てくれることを使命感云々以上に望むものでとやかく考えるなどはしないだろうが、筆者はあくまで、幅広いDD、数多くのアイドルにとって赤の他人、特に最近はほぼ開拓ばかりである。

そんな者に、使命感などと掲げられたところで、暑苦しさが残るだけだ。それを除いても、若干アクの強い今日の筆者だ。

 

 

 

最近でも、ホール系会場云々、と多く書いているためか、たとえば品川インターシティーホールとか、ヒューリックホール東京、さらには〇〇三井ホール(日本橋や室町など)といった、普通にキャパの大きい会場でも、入場制限がかかる、もしくは予約/当日チケットが完売するぐらいに注目度が高くなっているライブ会場となっている。もはや今日の時代での、アイドルのライブ会場と言っても過言ではないだろう。

一方で、渋谷DESEOや代官山UNIT、下北沢シャングリラやTwinBoxGarage/AKIHABARAなど、キャパはせいぜい500程度の、いわゆるライブハウスでのライブも、昨今では復活している。もっとも、コロナ禍でもあったはあったが、それほど多くなかった印象だ。

 

では、上記のようにアイドルのライブ会場を二分するとして、どちらに参戦、もとい、足を運びたいかといったら、おそらく前者になるだろう。

理由は多々あるが、列挙すれば、椅子や座席によって自然とソーシャルディスタンスが確保されること(1mとか2mとか細かい数値指定は無いにしてもコロナ禍で他者と近く居ることに抵抗を感じる人が増えたのではと推測)、キャパが大きい会場なので自然と知名度の高いアイドルが出ること、どの会場も綺麗なのでコロナ以降からアイドルを好きになった人にとっては気兼ね無く行きやすいこと、などが取り急ぎの考察でも挙げられる。様々な分野に生きる者がアイドルに興味関心を持ってくれるようになった、これほど嬉しいことはない。

 

 

 

これに加えて、もう一つ、今回新たに挙げたい、ライブアイドルの議論観点がある。

それは、「知名度格差の拡大」である。

 

ここで「悪化」と表現しないのは、決して一概に悪い変化とは思わないからだ。

そもそも、ライブアイドルがコロナが疑似的に明けて再度さらに増えつつある今日、またステージレベルでの総数としても増えるだろうし、となると自然と優劣というのは生まれるだろうし、実力面やアイドルオーラなど、どのような尺度で測っても、どうしても優劣は生じてしまう。肝心なのは、どのアイドルにも素晴らしいところがあって、結果としてのアイドル界に限らず、動員レベルで有効なアイドルファン、というか、アイドルを少しでも好きでいてくれる人の多様化に繋がるものだが、だとしても、知名度格差が広がるのは否めない。

 

とはいえ、知名度の優劣関係無く、どのアイドルも頑張っているのは確かだし、そもそも今の時代、様々な人生選択がある中で、アイドルを選んでくれていることだけでも本当に有難いことだ。だからこそ、そこに囚われずに真価を評価していきたい。

 

 

 

話を戻せば、なぜ知名度の格差など言いたいのかというと、要は、かつての地上アイドルはそれはそのまま存在し、ライブアイドルでも別途、似たような感じで、地上と呼べるようなアイドルは出てきて、そこまで達しないとしても、近しいアイドルというのがどうしても多く注目されるものだし、多様化だとかでいろんな人がアイドルに興味を持ってくれたとしても、その恩恵は表層限定ではとも思えてきているのだ。

別に、売れているアイドルを僻んでいるわけではなく、その逆と言ってもいい、その領域は彼ら、彼女らに任せたいという表明である。

 

いろんなアイドルが出てきて、かつ冒頭に挙げたように、社会人化によってそれほど時間に余裕が持てなくなってきた今日の筆者、万遍無くアイドルの動向を追うのが難しくなってきた。かといって、アイドルには変わらず興味はあるし、可能な限り愛し続けたい。というか、この世界に最期まで埋もれていたい。あと、今日までのノウハウというか、対アイドルでの慣れや知見などは活かせるだろうし、忙しくなってきたからという理由だけでアイドル応援を辞められるような潔い人間ではない筆者だ。本当に諦めの悪い人間だ。

 

 

 

改めて話を戻せば、一言で言えば、ライブアイドルの中でも地上寄りはアイドルに興味を抱き始めた方々に任せるとして、筆者はキャパ換算でより過疎だと予想されるようなライブハウスへの参戦も視野圏内濃厚だと、再認識するのであった。

それこそ、今回の表題に据えた、自分自身の存在意義の獲得にも繋がってくる。

 

だとしても、じゃあ先日の参戦で終始運営っぽく最前端でじっくり観賞していたのはなんだったんだ、感はあるけど、まああれは物理的に狭かったし、直接見はしなかったけど、きっと運営や演者など動線で使っていただろうしでできたとしても手拍子や拍手程度だった気がする。

ただ、『至近観賞:多彩な6組への称賛的考察』として仕上げられるほどには、組数が少なかったり、キャパの小さい会場であったりする方が、むしろちゃんとした記事が書けるということもあって、結局、どう立ち回っても正解なんだと思う。

 

重度な過疎であれば、昔のように、振りコピや物販芸で、アイドルヲタクらしく貢献すればいい。

そこそこ人が多ければ、コロナ禍で得た考察的観賞によって、アイドルを分析して、価値ある記事に起こせばいい。

 

どう転んだとしても、結局はアイドル好きに変わり無いのだと。そしてきっと、今度の土日も、少なくとも一方はライブ参戦するのだと思いながら、その実現に向けてまた一週間、頑張っていこうと11月、気持ちを一新する筆者であった。(3511字)