「12」Candy Rouge「歌唱力改善が喫緊の課題」

今回の参戦は、一週間近くAKB48の配信限定公演を視聴、いや、観乍ら生執筆し快楽を見出し始めた頃での参戦。今回執筆対象とするアイドルからすれば、AKB48を「地上」アイドルと呼ぶその所以として、代え難き可愛さやテレビ含めたメディア出演もあるだろうが、一番としては歌やダンス、アイドルとしての実力にあるのではないか。

その点では、在宅明け一発目の参戦が本アイドルというのはあまりにも酷ではないだろうか。地下アイドルとは、そもそも運営の財政面で非情なまでに練習含めた活動の自由度が低い。故にファンと支え合って頑張るのが理想的である。そんなアイドルに対して歌唱力云々な議論を展開するのは、馬鹿げていると言うより、愚かしい行いだ。

 

 

 

「13」JYURIP PROJECT「一段高い分析設定」

と、上記では不適な議論展開を嘆いたものの、あえて地下アイドル対バンに参戦するのは、真に才能ある者を執筆という形で押し上げたいといった目的もある。そのために本アイドル以降は評価や分析といった議論が敷けるほどにはアイドルとして優れていたと言っていいだろう。ただ念のために言っておくと、決して高評価ということではない。

ソロアイドルか否か問わず、ステージに単独で立って観客を魅了するというのはそう簡単なことではないと思っている。『透白紗雪:返冬前日に舞い降りた天使』ではソロアイドル経験者である河島に対しても劣な評価に終わったように、筆者がソロアイドルに求める技術や能力は高く設定してある。グループアイドルも出演する対バンに出るからには。

 

 

 

「14」じゆりぴ「間違い無くソロアイドル」

参戦明けにTwitterを調べてみたところ、どうやらソロアイドルとしての活動は終了を迎えるらしい。彼女ほどに才能ある者がグループアイドルとして埋もれてしまうのは非常に惜しい。ただ、こうした才能の貪欲的な収束というのが如何にも人間的だ。そのドラマ性というのが地下アイドル界の魅力の一つでもある。

今回参戦した現場にも総じて言えることではあるが、雰囲気をも含んだ広義での現場で新規や外部を魅了できるか否かというのは、ファン依存ではなくアイドル由来だと主張したい。他に勝る努力、そしてアイドルへの飽くなき想いこそ、応援して貢献したいという意を掻きたてるものだ。もっとも、いくつか例外も存在するが。本対バンに限っても。

 

 

 

「15」COCO.COL♡R「プラス場ミリも難なくクリア」

川崎クラブチッタで鮮烈なデビューを果たしたものの、筆者が「かつて」リスト管理していたアイドルと比べると経験日数としてはそう長くない。故に今回の参戦も凡々な感じで終わるだろうと思っていたのだが、見事に覆してくれた。その実現に欠かせないのが、実力のうちの一つとして欠かせないダンスの緻密さだと考えている。

本グループのダンスは典型的な地下アイドルのダンスと比較して難易度が高く、相応のダンス幅を要する。故にKeyStudioのステージはもはや狭いぐらいなのだが、その狭さを場ミリレベルでの微細な立ち位置調整という、もはやプラスに変えさせるほどの実力を有している。今月末の推し総括では忘れずに取り上げたいアイドルである。

 

 

 

「16」タートルリリー「衣装も楽曲も秀逸だからこそ」

本アイドルに関してはまだ数少ない参戦だが、その参戦の限りではelsyやラルムーン、ハープスターあたりと多く対バンが被ることが多い。この三組どれもが本対バンには出演していなかった。故に動員としては筆者が過去参戦した中でも致命的なほどに少なかった。

そう嘆くのも、本運営のプロデュース力の高さを見込んでいるからである。地下アイドルの中でも衣装は手の込んだものであり、楽曲も耳に残りやすい特異性がある。壇上のパフォーマンスも楽曲に見合った調整と、アイドルと運営、この二面に関しては非の打ち所が無いほどには優れていると称賛したい。ただ、如何に優れたアイドルだろうと、観客が過少な状況はなかなかに堪えるはずだ。彼女たちはあくまで、「地下」アイドルなのだから。

 

 

 

「17」日日是好日「鑑賞に適した静寂感」

さて、おわかりかもしれないが、ここまで記した五組の中でもタートルリリーが情報量、または論の整った内容だったと思うに違いない。以前同様の参戦レポで書いたように、これはライブ中に十二分に思考できていた、つまりは思考する余地のあるほどに声援加勢や振りコピなどを抑えていた、抑えざるを得なかった状況だったことを意味する。

ピンク担当の双葉はアイドルに固執する想いは人一倍強く、故に「かつて」正式な推しとして選定していた。今回の参戦は物販回収を見据えていたものの、あれほどに冷め切った現場を目の当たりにしてしまうと、たかが千円程度だろうと、果たして捧げる価値があるのか否か自問自答してしまうもので。もはや参戦を激しく後悔するほどに。

 

 

 

「18」いちごみるく色に染まりたい。「物販回収は唯一に絞ってから」

反して、本現場は素晴らしかった。当然専ヲタの方々のおかげではあるものの、どんなにギリギリに会場入りしていようと、直前に出演していたヒビコレの現場を目撃していたことになるだろう。果たして彼らはどんな目であの現場を観ていたのだろうか筆者としては興味深いものだが、おそらく、危機感を覚えたはずだ。非情なる静寂に。

どんな想いがあろうと、声援を強く飛ばして推しを支えまいとする。その姿勢に筆者は強く加勢として我が身を捧げたのである。併せて、壇上のパフォーマンスには整った美しさすら感じられた。コンセプトに忠実に、そして共通の想いを持って有限な時間に瞬間的に輝く、その美しさは何度目にしても、再度参戦を願ってしまうもので。

 

 

 

「19」あいふぁん「集団を推す者は只一人」

約五年前、KeyStudioと目と鼻の先にある、新宿駅前の広場での無銭イベントによって、筆者は専ヲタ時代を経験することとなった。古参。聞いたことはあるもののどんな世界が広がっているのか。たまたまかもしれないが、筆者が古参として経験したのは、前界隈に占められた「個」を推す愛の強さ、そして部外者に向けられた重圧である。

ファンを増やす。またはより多くの者に「推し」と称して強く応援するアイドルが愛されるために、一ファンとしてどう振る舞うべきか。本現場を前にして、走馬灯と共に再認識した次第である。現時点での一つの結論としては、アイドルに応じて柔軟に立ち回るべきだと考えている。故に普遍的な正解は無いにしろ、ある程度の分別は必要だと。

 

 

 

「20」左右非対称&PiNSCA「確かに加勢したはずだが…」

と一言コメントに書いたものの、参戦明けて一日経った夜にやっと思い出した。直前の現場ほどではなかったものの、専ヲタの印象が強い現場であった。最前中央に立っていながら、声援火力は決して高くなく、かつ声援の合間に水分補給をこまめに行う。それは応援に相応な体力を有していない、というよりかは、推しを前にして応援を行っている自分をどこか俯瞰的に、他人事のように捉えている無機質さが忘れ難いもので。

故に振りコピで通過しようと考えていたものの、運営が近くで撮影していたのでそう目立った行動をとるわけにもいかず、已む無く地蔵といった立ち回りであった。まあステージングとしては普通に良かったので、今後もその点は心配無いと考えているが。

 

 

 

「21」Pu Lathessa「加勢に初見とか関係無いから!」

約四年前、前述で挙げた専門的に推していたアイドルは早々と解散を迎えることとなった。自責の念として一番強かったのが、応援スキルの未熟さである。地下アイドル界での応援形式を極める。それこそが問わず多くの地下アイドル現場に足を運ぶようになった理由であり、結果として、初見で加勢できるぐらいには長けたと自賛してみたい。

もちろんメンバーコールは名前を覚えていないために叶わなかったものの、MIXを主とした典型的な声援は、注目すべきタイミングを抑えてコンパクトに切り替えるぐらいには経験的に慣れている。たとえ壇上の、目前のアイドルが初見だろうと、そこに努力が現れるのなら、今日までに学んだ技術を活かすより他は無くて。

 

 

 

「物販1」Pu Lathessa「青」星乃瑞波「客観的高評価を正直に」

今回の参戦で物販回収を行ったのは四名だが、そのうち三名は全くの初見であった。なんとも軽々しい物販回収のように思われるかもしれない。ただ、筆者にとって物販回収は「投資」と非常に近しい意図がある。アイドルに限らず運営、つまりはプロデュース面でも他を差し置いて金銭、そして時間を捧げるに値するか否か。

思い立ったら半ば衝動的に動かねば機を逃しかねない。実はこの回収はフロア出た直後にフライヤー配りをしていたことが決め手となったものの、物販スペースから遠く離れた場所まで赴き、勇気を出して、いやむしろ、アイドルとしてごく自然な宣伝活動として励む姿を目にすると、やはり人気になってほしいという意は強まる一方で。

 

 

 

「22」幻色シアター「女専最前は無条件で高評価」

本参戦レポのタグに「尊敬」とあるように、久々に現場で強く尊敬できる者を多く観測できた今回の参戦であった。「久々」となってしまった要因として、推しに限った参戦の偏りを挙げたく、たとえ人間性に重きを置いて対アイドルだろうと見知るほどに通いたくなるのは確かに理解できるものの、本質を見失ってはいけないと自戒を込めて。

話を戻すと、一言コメントに「女専最前」とあるように、女性ファンが最前の、しかもスピーカーに最も近い端でライブを楽しんでいたのである。会場問わず何度も経験した場所だからこそ様々な面で対峙が強いられることは解っている。だからこそ、一層と尊敬の意が増して、気付けば壇上の彼女に「彼女」を重ね合わせてしまうほどに加勢したのである。

 

 

 

「物販2」幻色シアター「赤」神楽しゅい「赤を担う彼女を重ね合わせて」

ここでいう「彼女」とは、刹那的世界線所属の花園のことである。実はAKB48の配信に一週間近く捧げることとなった三大要因の一つに彼女は大きく関わっている。新宿ReNYでの楽遊対バン。体調不良のために急遽休演。改めて「彼女」を推していきたいと思っていた矢先の悲劇であった。だからこそ、一言コメントがこう化してしまって。

別に完全な置換ではないものの、今回開拓を行った神楽は似通った赤担当として、ぽっかりと空いた心の隙間を埋めるほどに魅力的な存在であった。後程また記すが、今後参戦対バンを柔軟に変えていきたいと考えているからこそ、コンセプトに即した個性を持ち、惜しみ無く行使する神楽に出逢えたことは、鮮烈な奇跡と称しても過言ではないはずだ。

 

 

 

「23」大阪24区ガールズ「キャッチーな振りを技術好く」

直前に出番であった幻色で加勢していた際にどことなく雰囲気を察していた。出番直前だからこそ為す術無く地蔵に堕ちる、専ヲタの熟れの果てである。そして経験上、出番前後だからと解して加勢を行わないような専ヲタは、受け持つ現場でもそう現場を好く創ることはできない。故に、本現場に対しては実のところマイナススタートであった。

しかし壇上はその予想を覆す整いようであった。前述のココカラでは場ミリ調整のエネルギッシュなダンスが美しかったが、本アイドルはコンセプトに即した適度な力の配分であり、実際に場数を重ねているかは不明だが、そう思えるほどには安定感の揺るぎ無いステージングであった。どうやら地下を熟知したと悟るのは早いようだ。

 

 

 

「24」東京23区ガールズ「自然に前方に導く美しさ」

個々で担当カラーがあるわけではない。ましてや、実物とTwitterが一致するほどに、筆者の記憶が鮮明なわけでもなければ、判別可能なほどに画像加工を施していないと限るわけでもない。故に今更検索することはしないが、ただ一つ言えるのならば、射貫くほどに真っ直ぐに「今」を捉える目と、緩やかなポニーテールの美しい女性であった。

そう称するのは一言コメントのきっかけとなったメンバーである。とある楽曲で、メンバーがフロアに下りて観客を巻き込んでいた。ここまではありがちだが、明らかに違っていたのが少しも恐れること無く観客個々に対してレスポンスしていたことである。その結果、端で沸いていた筆者がその女性に、自然と導かれる運びとなったわけである。

 

 

 

「25」令名の和歌「動員の多さには妬くでしょ?」

日頃から自身の参戦レポを読み返し、執筆に改善をと努めている筆者だが、一年以上前の記事に多く言えるのが、内容の主観性が強く情報量が少ないことである。ここでの一言コメントは「嫉妬」が軸となったものだが、極めて主観的であり、かつこの感情は後述の透明や空想にも言えることであり、執筆に際した的確性を欠くものとして却下する。

そこで訂正後の一言コメントとして「言葉も論展開も見事な吸収」を挙げたい。というのも、参戦前日のツイートでのコロナに関した言葉や論の展開がMC時の葉月に丸々使われたからである。ただ、ステージングの完成度やその言葉に見合うほどの現場だったかというと首を傾げるしかなく、声援を煽る声はどこか虚しさすら感じられた。

 

 

 

「26」キミのガールフレンド「最前で揃って現場を創る」

以前大宮現場について論じた際に、TOベースの現場は極めて不安定だと記した。しかし前述の令名現場のように非TO現場であればいいかというと決してそうでもない。結局は専ヲタ一人一人が自覚と責任を持って現場に臨んでいるかということだろう。もっとも、アイドルを好む者全てがそんな堅苦しいことを考えているわけでもなければ、そう考える筆者でも他にそうあってほしいと思っているわけでもない。多様性故の考えだ。

ただ、本現場のようにメンバー一人一人に応じた、現場レベルで議論可能な専ヲタの方々を背中越しだろうと目の当たりにしてしまうと、どうしても普遍的な現場が褪せて見えてしまうものだ。果たして「現場」という語に見合う場なのかと。

 

 

 

「物販3」キミのガールフレンド「担当カラー無し」水谷みく「ワイドとか久々すぎん?」

そんな想いには、直前に知名度で多く動員できている令名を観た際の嫉妬が込められていることは否定し難い。その捻じれた感情を射抜かれたように思えてならない、今回衝動的に開拓を行った水谷はそのような聡い女性であった。冷静に考えれば容易に予測できることであった、尊敬に値するほどに成長したファンには類友的に相応にアイドル以前に人として成長したアイドルなのだと。故に筆者ごときが易々と話すべきではなかった。

となると、次回参戦含め、リスト管理していた二十組のアイドルは筆者を映す鏡ということになっていたのか。執筆によって自身の未熟さが際立ったが、成長の余地があるとプラスに考えながらも、過信すること無く日々精進せねば。いずれ追い付くためにも。

 

 

 

「27」PinkySpice「推すとしたら最年少」

直前に出ていたキミのガールフレンド同様、大阪からの遠征出演だったらしい。前に夏の大型対バンの裏で開催されていた白金高輪SELENE対バンを思い出させるものであり、遠征アイドル特有の動員の多さ、そして現場の結束力は、MCで遠征と耳にしたときになるほどと合点した筆者であった。言わずもがな、加勢は非常に有意義な時間であった。

令名で抱いた嫉妬。本アイドル出番開始時点で既に後続のHLM動員はフロアに存在し、筆者は専ヲタとの狭間に身を置いていた。もし同様に地蔵と化せば、前方の士気を削ぐことになりかねない。故に、嫉妬由来の反骨心、というよりかは、冷気の壁として託された使命にも似る想いを抱いていた。再び東京遠征した際にも壁として捧げたい所存だ。

 

 

 

「28」透-toumei-明「同様に動員は立派ですね…」

見間違いかもしれないが、本グループ所属、優希が他のアイドルのライブを観察していたのが印象的であった。一二組程度とはいえ彼女も気付いたはずだ、普段出る対バンには出ること無い、実力的に優れたアイドルがこの世界には多く存在するのだと。端的に危機感と著すが、この危機感あってこそのステージングだったと称賛したい。

ただ、直後に出演していた同事務所の空想と比較すると、動員の多さの割には盛り上がりがなんとも不憫なものであった。もっとも、同事務所で複数グループをプロデュースする際には集めるファンの多様性を考慮して現場はグループによって系統が異なる方が望ましいのは重々承知しているが、演者もまたこうした客観視が可能とは言えないはずだ。

 

 

 

「29」空想と妄想とキミの恋した世界「忖度無き火力放出」

幸か不幸か、透明で体力温存できたので、本現場で声援を強く飛ばすに至ったわけだ。個人的に喜ばしいのがアストレイアとは違った非TO現場であることだ。もしかしたらTOと呼べるほどに全通レベルで頻繁に参戦している専ヲタはいるかもしれないが、仮にそうだとしても目立たないほどの他の専ヲタの加勢バランスが素晴らしいのである。

歌やダンス、演者として優れるアイドルを本対バンでは多々目にし、多く加勢してやっと見えてきたが、本現場ほどの高火力は、推しへの愛やステージング相応の応援意欲を超える何かが無ければ実現し得ないと筆者は考えたい。その何かとは、取り急ぎの思考として、ただ純粋に、強く、叫ぶこと。意地同等の暑苦しさといったところだろうか。

 

 

 

「30」らぐけん!「振りコピで無双するスタイル」

天空の頃から何かと参戦が重なっている本グループである。故に楽曲も振りももはや十二分に覚えてしまっているほどで、微細な振りに関しては目測が求められるものの、振りの全体的な流れは抑えての振りコピである。これは初見と比べるとかなりハンデではある。まあ、初見振りコピが続いた最中では程よいアクセントになったのでは。

戦極に限らずサウピでの出演が主となっており、故にGIRLS VISIONと馴染み薄い本対バンでの動員は前述のタートルリリーに似て致命的な少なさであった。DDな筆者なために、たとえ振りコピとはいえ目立つ行動は不適かもしれないが、周囲に無駄に気にすること無く、沸きたい時は勝手に沸く。そんな精神をもこの数年で身に付いたものだ。

 

 

 

「物販4」らぐけん!「担当カラー無し」さら「もっと会いに行くしか!」

彼女曰く、サウピ以外での出演如何というのは純粋に動員が相応か否かというもので決定されるらしい。となると客観的かつ冷静な分析を施すと、サウピに限った活動様相が予想される。やっと物販回収に取り掛かれたばかりだというのに、と嘆かわしく感じるのは否めないが、確かに物販収益は重要である。致し方ないことだろう。

とはいえ、筆者としても指を咥えて活動縮小を待つわけにもいかない。次回参戦予定だと考えていた対バンが渋谷クアトロから下北沢GARDENに変更になり、出演者の知名度の高さから相応か否か逡巡している状況である。となると、現時点で会場変更の可能性が薄いほどに確固たる情報を提示できている対バンとなると。あの対バンに定めるべきだろう。

 

 

 

「31」うたた寝シエスタ「次回こそは回収するしか…」

ステージ上にアイドルが登場する。楽曲が流れると地下対バンありきたりな流れを辿ること無く、新曲のMV公開という運びとなった。持ち時間が15分とそう長くないからこそ、あえてMVに時間を割くということはそれほどに凝ったMVだという証拠だ。故に既にMVに限ること無く本アイドルへの期待は大いに高まったものだ。

楽曲を如何に作品へと昇華させるか。アイドルが、しかも「地下」と呼ばれる知名度で対峙すべきではないかもしれない。しかし、そんな不要な判断、取り組んでもいない中でどうして諦めるのが適しているのだろうか。たとえ評価者が少なかろうと、一表現者として楽曲と対峙し自身を捧げる者に私は強く貢献していきたい。

 

 

 

「32」Ars'alum「推すとしたらセンター」

3月19日にデビューしたばかりとのことだが、惹かれるステージングであった。今回参戦した対バン総じて技術の高いアイドルが多かったが、差異を設けて議論するならば、本アイドルはアイドル特有の可愛さとしての魅せ方も併せたような、今にでも知名度が上がってもおかしくないほどの定石的な戦略であった。もちろん、高評価である。

一言コメントとしてはもし推し選定するとしたらの話である。地上地下関係無く、またファンか否か関係無く、ライブよりもSNSで情報を得ることが多いであろう。故にSNSを有効活用できているか否か、発展させて加工を施し過度に魅せることが蔓延してしまっている今日だが、彼女、白石に関しては、ライブ中の屈託無き笑顔を主に愛していきたい。

 

 

 

「33」Lil na Valley「振りコピの在るべき姿とは」

らぐけん物販回収含め、本アイドルが参戦対象としては最後になると察していた。実際そういった立ち回りを行ったのだが、この行動選択は正解だったと振り返って思うところだ。地上レベルのアイドルに対して在宅を重ね明け参戦であった今回。最後の最後に難度高き振りコピを求められる状況。どこか懐かしさすら感じられた瞬間であった。

以前、アイフラで楽曲を表す振りコピを行ったように、雰囲気を昇華させる振りコピとは、純粋に精度を追い求めるものではないと筆者は考えている。根底には瞬間を楽しみ尽くす想いが欠かせなく、また多少アレンジを加えて新たなダンスとして表現するのだと、元来ダンスが振りの緻密な再現ではないように、振りコピもまたそうあるべきだと。

 

 

 

参戦前では令名に強く期待していた。救いになるとすら抱いていた。

しかし出番に至るまでに、既に多々、多くのアイドルが日々のレッスンの成果を惜しみ無く表出するステージングで魅せてくれた。歌、ダンス、そしてフロアの観客との相互応答。たとえ動員が少なかろうと、壇上の彼女たちは確かにアイドルであった。

そして、専ヲタ時代の想起と今後の方針。就職により参戦は土日に限定される。参戦レポの執筆もままならないかもしれない。ただ、今回幾多と逸材が見つかったからこそ、今後も参戦を重ねていきたい所存だ。推しなどと囚われること無く。

結果として、本参戦を機に、長らく管理していたTwitterのリストを消去するに至った。確かにスケジュール開示面は重要だが、それ以前に魅力あるライブを発信できないのならばその努力は意味を為さない。むしろこの指標こそ評価を褪せさせてしまうのではないかと。

故に今月以降、推し総括はリスト管理するアイドルではなく、その月の参戦で印象的なアイドル20組をライブスケジュールと共に執筆する予定である。たとえ瞬間的な愛だろうと、むしろこの形式の方が、「推し」という言葉と合致している気がしてならない。(9293字)