どこで当直してもな最近なんか
出血してる妊婦さんが多いな


時期的に忙しいからなのかな(笑)


まずはこちらの妊娠初期シリーズ


からの妊娠中期の出血・腹痛について


まず妊娠中期とは
妊娠12週から34週ぐらいまでの
長い期間のこと


妊娠12週から妊娠21週6日までの出血は
切迫流産

妊娠22週から妊娠36週6日までの出血は
切迫早産

って病名がだいたいつく


切迫流産ってのは主に
子宮から胎嚢が剥がれかかっている状態
剥がれかかっていることでの出血


切迫早産ってのは
赤ちゃんが出ないように支えている頚管
この部分
↓↓↓↓
だいたい妊娠しても
早産傾向なければ妊娠後期まて約4㎝ある

この頚管が子宮が頻回に収縮することで
妊娠中期から
どんどん短くなっていくことを
切迫早産といい

通常はくっついてる頚管が剥がれる時に
出血することが多い


で、3㎝前後から子宮収縮を抑制する薬を
内服し安静するように言われはじめる


内服してしっかり安静にしてても
短くなるようなら


即入院、点滴
絶対安静になる


出血や張りがないまま頚管が
短くなる人もいる

症状があってもなくても2.5㎝をきったら


即入院
しかも
36週まで入院


出血や張り、頚管の長さによっては

トイレに行くことも禁止


36週までおしっこの管を入れ
便はベッド脇にポータブルトイレを置いて
用を足すことになる場合もある


大部屋だろうが関係ない


入院、点滴、絶対安静にしても
子宮の収縮抑えられない場合は


早産で出産するってこと


子宮の収縮が頻回になると
それが引き金になって陣痛がくる

軽い子宮の収縮を抑える薬はあっても
陣痛を止める薬はない


陣痛がきてしまったら
それが何週であっても産むしかない


だから

子宮の収縮、つまり子宮の張りが
頻回に起こるなら安静にして欲しいな
って思う


妊娠中期の出血に関してはこのほかに
胎盤の位置が原因で
出血しやすい場合もある


低置胎盤
↓↓↓↓↓
子宮側の入り口から約2㎝以内のところに
胎盤がくっついている場合
子宮の入り口と胎盤が近いために
子宮が頻回に収縮する刺激で
胎盤がちょこっと剥がれて出血する

また

子宮が頻回に収縮する刺激で内子宮口が
どんどん開いていくとこうなる

もうどっちからの出血かわからない
どっちからの出血にしろ治療は


入院、点滴絶対安静


前置胎盤
↓↓↓↓↓
こんなふうに胎盤が子宮の入り口を
完全に塞いでいる状態
この場合子宮の入り口が
完全に胎盤で覆われているため

子宮が頻回に収縮する刺激で
胎盤と子宮の筋肉がこすれて出血したり

こすれて少量出血するぐらいなら
入院、点滴、安静
でほとんど軽快する

でも

この場合
子宮が頻回に収縮する刺激で内子宮口が
どんどん開いていくとこうなる
こんなふうに一部剥がれて
胎盤と子宮の入り口の間に隙間ができる


こんなふうになったら

入院、点滴、絶対安静
厳重管理


それでも出血が止まらない


出血量がどんどん増える


一気に大量出血


ってなったら


お母さんも赤ちゃんも
両方の命が危なくなる


低置胎盤、前置胎盤に限らず
突然胎盤が剥がれて出血するって

常位胎盤早期剥離ってこと
( 略してソウハクって言われるやつ)


胎盤が剥がれて出血するってことは
その分赤ちゃんにいく酸素が少なくなる
ってこと

つまり


命が危なくなる


ってこと

もしかしたらそのまま


緊急帝王切開


になるかもしれない


妊娠中期の出血には
お母さんの命も赤ちゃんの命も
危険にさらされるものが隠れている

だから

初期とは違って中期の場合は
出血、出血を伴う腹痛がある時は
早めに受診して欲しい


確かに治療は初期と同じ安静だけど
起きうる原因の危険性が高いから

病院を受診して、診断がついてから
自宅なり病院なりで安静にして欲しいな
って思う


産まれくる子供のために仕事する


わかるよ?わかるけど


もうお腹の中ですでに赤ちゃん日々
育っているわけで
今お母さんが自分にかけてる時間もお金も
感情もすべて
すでにお腹の中の赤ちゃんため


だからこそ産まれてからじゃなくて
産まれる前の子供も大事にして欲しいと
あたしは思う


産まれてくる子供のために働いても
産まれてこなきゃ意味がない


今の世の中医療の進歩がすごいから
正直、妊娠23週で産まれちゃったとしても
赤ちゃんの命を助けられる可能性が
めちゃめちゃ増えた


命は助けられるようになった

でも

障害を減らせるようになったわけじゃない


視力や聴力
呼吸や代謝
知能や運動

あげたらキリ仕事がないし

超早産児は脳出血を起こしやすいから
それが起きたことでの障害だって残ったり

何かしらに障害が残る可能性は
めちゃめちゃ高いまま


1日でも長く
お母さんのお腹で育てられるなら
それほど幸せなことはない


だから


いろんな事情や感情はあると思うけど

あたしは安静にすることで
赤ちゃんが楽に過ごせたり
赤ちゃんの命の危険性が減るなら


全力で安静にして欲しいと思う

国の母体保護法って法律では
赤ちゃんよりもお母さんを
優先するようになってる

基本、産婦人科医も最悪の事態の時は
この法律に従って
お母さんを優先しなきゃいけない

つまり極論

妊娠してから十月十日
24時間、1分1秒、毎日
赤ちゃんを守れるのはお母さんだけ


赤ちゃんは産まれないと
人権すらもらえない

だから

無事に産まれる可能性を
仕事を理由に奪わないで欲しいな

ってあたしは思う


妊娠してもつわりや出血、腹痛
なんもなければ
全然働いたり好きなことしてくれていい

でも


何かしら症状があって
それに対して医者から指示があるなら
それに従って欲しいな

ってあたしは心からそう思う


産まれたあとのために
がんばるのもわかる

でも

お腹にいる子供のために
何を優先するか

をしっかり考えて欲しいなって思う


出血があるのに
張りがひどいのに

仕事を優先する必要あるのかな?


出血や張りがない人と比べて
同じようにがんばる必要あるのかな?


旦那さんや家族は
そんなに頼りない人たちなのかな?


どんな事情があるかなんて
あたしにはわからないけど


あたしは2人とも救いたい


だから出血や張りがひどいなら
仕事なんてがんばらないで欲しいなっ
て思う



お腹の赤ちゃんにとってのお母さんは
お母さんしかいないんだよ?