スパイク蛋白の分解方法

 

 ワクチン接種によるスパイク蛋白の産生については,接種後2年経っても血中に残っていたという海外からのデータがありました。

 

 このことは,新陳代謝が行われているのだから,長い期間スパイク蛋白が残存しているということは,mRNAによるスパイク蛋白の産生が未だ行われているのではないかという懸念が言われています。

 

 つまり,イチメチル・シュードウリジン化されたmRNAの細胞内での分解がされにくくなっているということによるものと思われますが,そのmRNAがいつまで分解されずに残ってるのかなどについての研究論文があるのかどうかは,はっきりしません。

 

 このスパイク蛋白の一つ一つは,かなり小さいため肉眼では見えないそうで,長期にわたり体内に残存すると,血管を巡り全身に行き届くため,血管ばかりでなく,様々な臓器にとっても有害であるとされています。

 

 このため,スパイク蛋白をできるだけ早期に分解するか,体外に排出しなければなりません。

 

 この点に関する記事を新潟大学名誉教授の岡田正彦先生が書かれておりますので,転載してご紹介いたします。

 

(2023.11.6)

Q トゲトゲ蛋白を分解する方法! 発見?

 

A 「体内のトゲトゲ蛋白を解毒する方法はありませんか?」という、悲痛な叫びにも似たお便りが、当ホームページにたくさん届いています。今週は、「もしかしたら、これがそうかも」という話題を取り上げました。

 

それは、納豆がトゲトゲ蛋白を分解するという話です。いまから35年ほど前、納豆に含まれるナットウキナーゼという成分が体にいいというニュースが全国的に流れたのをご記憶でしょうか。専門家の間でも話題になったのですが、いつの間にか忘れ去られていたものです。

 

2022年、日本の研究者が「スパイク蛋白を分解する物質」というタイトルの論文を発表していました(文献1)。培養細胞にトゲトゲ蛋白の遺伝子を入れ、この蛋白を作らせたあと、ナットウキナーゼを加えて様子を観察しました。すると、わずかな量を加えただけで、2時間後、トゲトゲ蛋白は完全に分解されてしまったというのです。ナットウキナーゼは一種の蛋白分解酵素ですから、ありえる話です。(文献の存在をお知らせくださった方に感謝します)

 

ただし、この実験には弱点がいくつかあります。ナットウキナーゼは、トゲトゲ蛋白だけでなく、細胞内のさまざまなたんぱく質も分解していたことと、ナットウキナーゼ以外の物質でもトゲトゲ蛋白は分解できるのではないか、という疑問に答えていなかったことです。

 

一方、このナットウキナーゼについては、国内外で膨大な研究がなされてきています。特筆すべきは、飛騨高山で行われた調査です(文献2)。3万人近くの男女に対して、その食生活とともに、年齢、性別、身長、体重、病歴、さらに喫煙、飲酒、運動などの生活習慣から学歴に至るまで、背景因子を徹底的に調べた上で、16年間も追跡したという力の入った調査でした。

 

わかったのは、ただひとつ。納豆を習慣的に食べている人は、心臓病や脳卒中で死亡する人が25パーセントも低かったことです。日本発の研究データでエビデンスと呼べるものは、これまでほとんどありませんでしたが、これこそ国際的にも最上級レベルの研究だったと言えそうです。

 

ナットウキナーゼは、血栓を分解する作用があり、ほかにも血液が固まるのを防ぎ、血圧を下げ、動脈硬化症を予防する、など多彩な働きがあります(文献3)。LDLコレステロールを下げるスタチン系という薬と同等の作用もあり、さらにはアルツハイマー型認知症で有名になったアミロイドベータを分解することも証明されています(文献4)。

 

しかも、副作用がまったくないという不思議な物質なのです。サプリや食品は、口から摂取したあと消化液で分解されてしまうのが普通です。しかしナットウキナーゼは、胃酸で分解されずに、腸から吸収されます。温度やpHの変化に強く、長期の保存も可能です。

 

海外では、「腐ったチーズのよう」とか、「匂いがきつく、ネバネバして気持ち悪い」と論文中に書かれるなど納豆の評価が低く、そのため成分を粉末にして植物性カプセルで包んだものが製品として販売されています。その効果は、米国食品医薬品局(FDA)も一部、承認ずみです。

 

では、納豆をどれくらい食べればいいのでしょうか? 文献2には明記されていませんが、解説記事によれば、1週間に50グラム(大きめの1人用1パック)以上とのことです(文献5)。

 

新型コロナウイルス感染症にも、またワクチンの副作用にも特効薬はないことを当ホームページで報告してきましたが、もしかするとナットウキナーゼが有力かもしれません。高額な医薬品は、ほとんどの臨床試験が製薬企業のお金で行われていますが、薄利多売の納豆業界が陰で糸をひいてる可能性はなく、研究データの信頼度も高いと思われるのです。

 

【参考文献】

1) Tanikawa T, et al., Degradative effect of nattokinase on spike proten of SARS-CoV-2. Molecules, Aug 24, 2022.

2) Nagata C, et al., Dietary soy and natto intake and cardiovacular disease mortality in Japanese adults: the Takayama study. Am J Clin Nutr, Dec 7, 2016.

3) Weng Y, et al., Nattokinase: an oral antithombotic agent for the prevention of cardiovascular disease. Int J Mol Sci, Feb 28, 2017.

4) Chen H, et al., Nattokinase: a promiising alternative in prevention and treatment of cardiovascular diseases. Biomark Insights, May 23, 2018.

5) 大西淳子, 納豆、週1パック、循環器疾患の死亡リスク下がる?, 日経新聞「NIKKEI STYLE, Feb 4, 2017.