今回も引き続き日経ビジネスオンラインの「なでしこ報道で露呈した“ニッポン”の未熟な女性観」(著者:河合薫東京大学客員研究員)の記事を抜粋してご紹介します。前回の続きなので文脈がおかしいところあるかもしれませんがご了承ください。

タクシーに向かってボールを蹴るという演出が、いいのかどうかはよく分からない。でも、動いている的に“乗車”させる“さま(様相)”を見せるなんてことは、映像にしかできないこと。何でもかんでも、フリップに書き込ませる日本とは、えらい違いだ。

 わずか10分程度の出演ではあったが、選手たちは、イキイキとワールドカップのことを話していたし、おしゃれをして出演している選手たちに、「ピッチの外では、女性だね」なんてことを言うことも、ネイルがどうだとか、アクセサリーがどうだとか、しつこく聞くこともない。

 結婚していないソロ選手に、一度たりとも、「結婚したいですか?」「子供は欲しいですか?」なんて質問をすることもなかった。見ていて楽しかったし、あきなかったし、ワールドカップの試合ってすごいんだなぁ~って感動したし、彼女たちの人間性も感じ取れた。とにもかくにも、彼女たちのすごさが分かる番組だったのである。

 それ以外のテレビ番組や新聞などでも、アメリカ代表のメンバーたちの試合に関するコメントがたくさん登場していた。

 1つひとつの試合、1つひとつのプレーについて、語られたコメントの中には、「日本の選手たちは、最後まであきらめなかった」、「日本の選手たちは、彼女たちのサッカーのスタイルを信じて、最後まで戦っていた。新しい女子サッカーの息吹を感じた」といった、日本を称賛するものも多く報じられていた。

 アメリカ代表の選手も、彼女たちのコメントを伝えるメディアも、なでしこジャパンのメンバーをねぎらい、感謝していた。海の向こうのメディアの方が、よほど「なでしこジャパン」に一流のアスリートとして敬意を払っていたのである。

 そこには、「サッカーは男性のスポーツ」、「女性のゴールは結婚」、「女性ばかりは大変」といった価値観はない。彼女たちは、本物のヒーローだったのである。