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トニーのゆっくり回覧版  真空管アンプ自作のブログ

真空管アンプの製作、音楽、生活のことなど

昨日、西宮から発送されて、今日の15:00にアンプが帰ってきました。

 

おかえりなさい。

 

 

 

プレートとマルコニーのシールが正面を向くように、ソケットの取付け方向を考えた記憶があります。もう30年前。

 

そうそう、このパートリッジのトランスの規格書も手元にありました。倉島さんにもらったものです。一次インピーダンス5KΩで、出力は30W(40Hz)です。今改めてみるとコアも分厚く、大きなトランスです。いい音がするのも頷けますね。断線していないことを祈ります。

 

球は届いた状態で意外ときれいでした。全て抜いて清掃して、もう一度アンプに挿して写真を撮りました。

 

 

アンプをじっくり眺めていると隙間部分に埃が積っています。おそらく部屋ではない物入かどこかに、長期にわたり置かれていたことが想像できます。

 

さらにじっくり見ていくと、電源トランスPMC-131の天板のコーナーに窪みが発見されました。

 

 

窪みは最深部で4ミリ程度沈んでいます。トランスの側面部分も少し膨らんでいます、相当な力だったのでしょう。可哀そうに。

 私の想像では30KG程度の重力がこの部分に掛かったのではないかと思います。

 

いつ、どういう状態でつぶされたのか。

 

どこかとどこかの運送途中に凹んだのか。使っていて、部屋の中で何かを乗せたのか。あるいは不具合があって、物入に入れられたあとに、何かを乗せられてつぶれたのか。真空管は無事で何かが当たった跡もない状態なので、どういうモードでそうなったか見当がつきません。

 

私が希望するベストな状況は、ガレージメーカーが脆弱な梱包をして、受け取った人が窪みを発見。動作しない、保証しろ、しないでもめて、保証なしでそのまま倉庫入り。これならアンプは殆ど動作させてないので新古状態。

 

まあ、ありえませんね。

 

スイッチを入れてもヒューズが飛ぶという説明でした。

 

電源トランスへ荷重の影響で中の巻線まで変形してショートしてしまったのかもしれません。もしそうなら球や他の部品は大丈夫かもしれませんが。底板を明けてテスターで当たれば分かるかもしれませんが、今日はやめておきます。解明は明日以降です。

 

真空管はフィラメントの導通だけを確認しました。黒プレートでマルコニー製の茶ベース。きれいなもんです。

 

 

 

管頂に銀色のゲッターも着いていません。PX4は2本とも導通がありました。第一段階はOKです。

がフィラメントが灯っても、エミッションが0という不良もありますので。良品かどうかは実機に挿してみるしかありません。

 

こちらは、前段の電圧増幅管。稀代の名球MH41。三極管にしてHIGHーµ(ハイ・ミュー)管。直線性の良さは折り紙付き。

 

 

 

こちらもヒーターの導通はありました。動いてくれるのでしょうか。

 

さあPMC-131は如何に。OPTの導通や如何に。

 

また報告します。

 

 

 

 

 

 

 

 

PX4のアンプのことで、パートリッジのトランスが一緒に帰ってくるというので、このトランスの規格書が残ってたかなと探すことにしました。

 

ふと、私にトランスを売ってくださったP&Cの倉島さんのことを思いだしました。

 

まだお店が水道橋にあったころ、出かけていって購入したのです。

 

P&Cからはこのシングル用とPP用の2種を購入しました。PP用は虎の子で保管しておいて、最期は目標アンプのDA30PPに組み込みました。

 

このPP用のトランスに関しては、「これはフランスの外注で作ったものなんですけどね」と倉島さんはおっしゃったように記憶してます。

 

ふと気になってネットで倉島さんのことを調べたら、今年の4月から5月のはじめにかけて、亡くなられていたことが分かりました。

 

病気がちだったことはお聞きしていました。

 

 倉島さんの功績はすごいものがあります。本当のミスター真空管とはこの方のことを言うのだと思います。

 

ウェスタンのトランスからコアを取り出して、自身で巻いてみる。キットの販売はもちろん、最高なのは、真空引きの設備などを揃えて個人のラボを構築して、真空管そのものを作ってしまったこと。

 

そこまでやるのか、という情熱。

 

あのラボは今でも稼動しているのでしょうか。ご子息が継承されているのでしょうか。

 

 また名物、名人と言われる方がいなくなってしまいました。

 

やすらかにお眠りください。

 

 

30年まえに作って手放したアンプ。

 

この最近ネットオークションに「部品取り」のタイトルがつけられて出品されていました。

 

1週間前に落札されて、オークションは終了となっていました。

 

 ところが今日、また再出品されていたのです。

 

 

 

 

 なにかトラブルがあって、落札者が受け取らなかった、もしくはクレームをつけて返品したのかもしれません。

 

 

あれこれ考えながらオークションを見ていましたが、即落の価格設定になっていることに気づきました。

 

 「受け取れ」「いらない」の応酬の脇に置かれたキズの入ったアンプを見ているうちに、可哀そうになってきました。

 

 そして、えい、と即落ボタンを押しました。

 

 私から以前購入したガレージメーカーのネームプレ-トがあちこちに貼られて、埃とキズをまとったアンプ。

 

 現状はヒューズが飛んでしまう状態で。出品者に再度の出品理由を尋ねたら、それは答えられないってさ。

 

 北海道から兵庫県まで移動して、フルに30年使われたのか、途中壊れて物入に閉じ込められていたのかはわかりませんが。

 

 真空管アンプは素人には扱いかねる代物だし。かわいそうに、早く帰っておいで。

 

 お前には名球PX-4が挿さっているのだし、その後ろにはパートリッジ製のトランスが繋がれてSPを鳴らしていたのだから。

 

  早く帰っておいで。私はお前に命を吹き込み、世の中に送り出した本人だから。悪いところを修理してあげよう。球もトランスも無事なら本当にいいけど。

 

 場合によっては新しくシャーシをあつらえて、新しいアンプとして蘇らせようとも考えている。

 

  早く帰っておいで。30年ぶりだね。若いころ親しくしていた女性に再会するような気分だ。年甲斐もなく、ドキドキしてきたよ。

 

 年取った私をみて、びっくりするかもしれないね。姿が衰えたのはお互い様かな。

 

 早く逢いたいな。