今朝、球を挿してスイッチをいれました。
29年ぶりです。
まずダミー抵抗をつないで、異常な電圧が出ていないか。残留ノイズの確認からはじめました。
スイッチ投入して、大丈夫なようです。相変わらずPX4のフィラメントは暗くて点灯しているかどうかが分かりにくいのですが。
どうやら動作しているようです。残留ノイズは左右ともに0.8mVに調整できました。
次にSPにつないで、カサンドラ・ウィルソンのCDを鳴らしました。
過去の思い出がよみがえりました。そうそうこの音です。
言えばPX4と対比される2A3の音、あるいはWE300Bと比較しても迫力が違います。
私の独断で言わせてもらいます。
WE300Bの音:中高域の鮮度は抜群できらびやかです。中域から低域にかけてはやや迫力が後退する印象。低音は出ていますが、面積が広くて前後の厚みがやや薄いイメージです。
PX4(英国):音のバランスが三角形で、中低域に重心があります。高域は300Bほどクリアではありません。そこそこ美しく再生される感じです。
以前、このアンプの音を聴いた方が、「WE300Bよりいい音がする」とおっしゃった背景が何となくわかります。
その方はWE300Bのファンなのでしょうが、中低域に物足りなさを感じていたのかもしれません。そんなときにPX4の音を聴いてしまったものだから、その迫力に少し驚いたのかもしれませんね。直熱三極管からこんな音がするとは。
同じ直熱三極管でも米国と英国では真逆の音がします。
私自身、この2種の球の音を多くの方に聞かせてアンケートをとれば、300Bの方が好みだと答える方が多いかもしれないと考えます。しかしながらPX4の迫力を好む方も少なからずいると思います。
結局は個人の好みなのでしょう。
私の6V6シングルのアンプとPX4を比べれば、なかなかいい勝負です。6V6は軽やかで反応がよく、そんなに引けはとりません。
結局のところ、球とOPTの組み合わせも影響度が高いと思います。これは自作者は各自で試して納得のいくものを選べばよいのでしょう。
29年ぶりのPX4アンプですが、シングルアンプながら大きいのです。横にあるEL34PPよりも大きく、威張っています。
故上杉佳郎氏はアンプはなるべく小さく組み上げるべきだ、とおっしゃっていました。全く賛成です。
小型化実現のために、シャーシ外形から30ミリのところにMT管ソケットを持ってきて、配線・実装できるように努力もしました。
現状、横44センチ、奥行き20センチのこのアンプを解体して33センチ×23センチの大きさまでダウンサイジングさせようかなと考えています。
直流点火回路のコンデンサーはもっと小型にします。この回路部分ももっとコンパクトにしてOPTの下あたりに配置。MH41はPX4と整流管が3本並んだ前に持ってきます。カソードバイアス回路のパーツはPX4 にくっつけます。これでコンパクト化が実現できそうですね。
完成したらもちろん自分用に使います。
このPX4シリースは今回で終わります。