昨年、長く務めた職場を早期退職し人生初めて9ヵ月間無職になりました。
そして、今年の4月からとある老人福祉施設の送迎運転手として第二の人生を…
その一ヵ月の研修期間に私が体験したことをひとつ
自分が68歳女性の利用者様を迎えにいった時のことです
その人はもの静かで穏やかな人で
小さなお家に住んでいて
帰りも自分達の車で送っていきました
その時、その方の旦那様が先月75歳で亡くなられたことを先輩運転手さんから聞きました
その帰りの時に、その利用者様が小さな声で
「本当に良い人で、寄り添った間、贅沢なこともせず、自分を大切にしてくれて、ほんとうにありがたかった」と。
そして
降りる少し前に
「そんな人だったからこそ、ほんの小さな幸せだったころのことを思い出すと…」
と、ひとしずくの涙を流されておられました
思わず自分の目からもこぼれるものが…
先輩にはわからないように拭(ぬぐ)いました
ただ、自分のこぼれるものの中には
もう一つ大切なものが…
ほんとうに大切なものは目に見えない
そして、その大切なものは失った時
初めて、その大切さに気付く…
初めて…
失ったあとに…