今年のオペラ、見納めは12月5日土曜日にスポンサーの旦那、次男君と私3人でワーグナーのワルキューレへ行ってきました。

ジークムントを歌う”予定”だったフォークトを楽しみにして行ったのに、あろうことか前日になってキャンセル。お病気ということでしたが、聞いた噂によると、どうも元から土曜日は歌うつもりではなかったらしいということでした。そうならそうとなんだかなぁー、と思いますがまぁ気を取り直して。
代役はこのごろバイロイトでも歌うというシュテファン・ヴィンク。教会音楽出身者。バイロイトの批評などを読むと、”相変わらず正確に歌う歌手”と言う文が目に飛び込んできました。プロフィールの写真はおじさんくさいとはいえ、臼ではなさそうなので、これなら化粧と衣装で見た目は大丈夫でしょう~。

今回座った席はバルコニーでも舞台に近い席。
舞台の方を見るには、斜めに座らないといけなくて少し疲れる席でした。でも舞台はもとより、歌手の表情や、細かい仕草もよく見える所だったのでよかったです。

Musikalische Leitung
    Simone Young
Inszenierung
    Andreas Kriegenburg
Bühne
    Harald B. Thor
Kostüme
    Andrea Schraad
Licht
    Stefan Bolliger
Choreographie
    Zenta Haerter
Dramaturgie
    Marion Tiedtke
Dramaturgie
    Miron Hakenbeck

Siegmund
    Stefan Vinke
Hunding
    Hans-Peter König
Wotan
    Thomas J. Mayer
Sieglinde
    Anja Kampe
Brünnhilde
    Petra Lang
Fricka
    Daniela Sindram
Helmwige
    Daniela Köhler
Gerhilde
    Karen Foster

このリングシリーズは、前音楽総合監督だったケント・ナガノ時代、2011年のもの。その時にジークフリードだけ見たのですが、演出が幼稚過ぎちゃって、挙句に臼のシュテファングールドが歌ったもんだから、とってもそんした感じがしたのが思い出されます。

しかし、そのシリーズものとは思えないほど舞台はシンプル(オブザベスト)。
第一幕では箱になった舞台が中央に移動されて、そこで話は展開。2階(日本の)に座っている私たちの目の前に舞台があるようなものでした。そのうちにそれが下がったり、また上がったり。場面によって位置が移動。このごろの舞台テクニックには驚かされることが多いです。

第二幕も広々とした舞台を部屋に見立てて後ろ中央に大きな机があるだけ。
その壁を移動させて、場面移動させます。何もないけれど、ものすごくクールでかっこいい、と思わせる舞台。こんなの昨今、お目にかかれないよね、と旦那も次男も絶賛。

第三幕はあの有名「ワルキューレの騎行」が始まるまえにいきなり、タップダンスみたいなモダンダンスが音なしで始まりました。若い女性ダンサー二人一組で、ワルキューレの馬を表すのですが、それがまぁ、なんの意味があるのかな?と思わせる不可解なもの。
途中から拍手やブーイング、それに対抗するようにブラボーが飛び交うひっちゃかめっちゃかな状態に。5分ぐらいやってたかな?そのひっちゃかめっちゃかが最高潮に達したと思ったときに、あららー、曲が始まってしまいました。あーーーー、うるさい!みんな黙れ!と思ったけれど、もう遅い!!出だしのいい所が聞こえなかった!!別にプレミエじゃないんだし、踊っている子たちに罪は無い。「止めろー」と叫んだところでどうにもならないのに・・・。ミュンヘン人、好きよねぇ、ブーイング。

代役で立ったシュテファン・ヴィンク。思ったとおり、見た目はまずまず。ものすごく正確にきれいに歌うんですけれど、ワーグナーに必要な、ときに傍若無人になって歌ってしまう、ということがまだ出来ない感じ。面白みのかけるジークムントでございました。
ジークリンデを歌ったカンペ嬢、パワフルでよろしいじゃないの、さすがワーグナーうたい、と思ったら横で次男が「なんかさぁ、ヴィヴラートで音程外れるのがすっごくきになるんだけれど・・・」
まぁね、モーツアルトじゃないから、多少のぶれはご愛嬌。ワーグナーなとにかく大胆に演技して歌ってくれれば、ヴィヴラートで少し外れるぐらいはいいんじゃないのかしら?

ヴォータン歌ったトーマスJマイヤー。バリトンの音って本当に遠くまで抜けない人が多いのよねぇ。彼もそんな歌手の一人。あんなに舞台近くに座っているのに・・・・。大丈夫なのかしら?でも声質はパワフル?!だし、見た目もOK.
フリッカのダニエラ・シンドラム、”夫婦の神”役をどっしり貫禄ばっちり。うちの旦那が思わずうなっていました。(笑 見た目もとってもよかったー。

肝心のブリュンヒルデ、もう少し明るい、スコーンとした若い娘風の声だったらよかったのに、なんか曇ってしまったペトラ・ラング。彼女の持ち声なんでしょうけれど、この役にはぱっときません。始まりもいまいちだった・・・、というのも最後までスタミナ温存していたのでしょうか、初めから全力投球とは行かなかったようです。

さてー、今回一番の拍手をもらったのは、なんと女性指揮者のジモーネ・ヤング。こーんな張りのある若々しいワルキューレ、始めてでした。新鮮きゅうりをかりっとかじったような演奏。
この人、男性だったら絶対に今頃はすでに大巨匠になっているに違いない、というほどの人。この世界、男性が強いからねぇー、仕方ないのですが。これからいくつか降る彼女、目を止めてみたいと思います。







ボイト・メフィストフェレと同じく、バイエルンで初演のプロコフィエフ作曲「炎の天使」。
本当は行く予定にしてなかったのですが、メフィストフェレのプログラムに掲載されていた公告を見た我が旦那がプロコのオペラおもしろそう、というので急遽?!買ったものです。

お勉強していきましたが、短く言うと、おどろおどろしく、サドマゾ的、ホラー要素を含んだエクソシストオペラですね。(笑
ロシア語のためか、出演者もロシア人多。

Musikalische Leitung:Vladimir Jurowski
Inszenierung:Barrie Kosky
Bühne:Rebecca Ringst
Kostüme:Klaus Bruns
Licht:Joachim Klein
Choreographie:Otto Pichler
Dramaturgie:Bettina Auer, Miron Hakenbeck
Chor:Stellario Fagone

Ruprecht:Evgeny Nikitin
Renata:Svetlana Sozdateleva
Schenkwirtin:Heike Grötzinger
Wahrsagerin:Elena Manistina
Agrippa von Nettesheim:Vladimir Galouzine
Mephistopheles:Kevin Conners
Äbtissin:Okka von der Damerau
Faust:Igor Tsarkov
Inquisitor:Goran Jurić
Jakob Glock:Ulrich Reß
Mathias Wissmann:Tim Kuypers
Doktor:Matthew Grills
Knecht:Christian Rieger
Schankwirt:Andrea Borghini
Junge Nonne 1:Iris van Wijnen
Junge Nonne 2:Deniz Uzun

曲と内容がモダン過ぎ?に比べたら、舞台はすっきりきれいな、高級ホテルスイートがいろいろな形になって話が展開していきます。
それ以外に派手な舞台装置は無く、スイートに置いてある家具を移動したり、壁が前に動いてきて部屋が小さくなったり、壁に赤いカーテンが下ろされたりして、それぞれの場をうまく表現。

悪魔に魂を売った、というか、一緒に寝てしまったレナータの幻想に振り回されるうち、彼女に恋をしてしまうルプレヒト。彼女が救われるために?いろいろと試みる二人ですが、途中でファウストとメフィストフェレまで出てきて、舞台はかなりドタバタに近い感じ。幻想の中では、ムキムキ若い男性ダンサーが刺青に被われた上半身を披露しながら、七色ライトに照らされながら豊満な怪しげなダンスを踊ったりして、見てる方はオペラと言うより、エンターテイメントを楽しんでる感じでした。
(もちろんミュンヘンではお馴染み、男性シンボルをふりふりさせながら踊る人も。あ、でもこれは本物ではないでしょう・爆。メフィストフェレもそういえば、ふりふりさせてたよねぇー。)

最後は修道院で、お前は救われない!と宣告されてしまうレナータ。それを歌う修道女たち、怖いメイクで暗い所で歌う場面なんか、もうホラー映画そのもの。ひゃーっと思っているうちに終わってしまいました。

ドイツでは一問答あるルプレヒト歌ったニキチンですが、この役はドンピシャ。思う存分、歌うだけでなく彼のご自慢?刺青まで披露です。レナータ歌ったSozdateleva(発音無理!)、可愛い感じにしては力強く、演技もばっちり。ピアノの上で歌ってみたり、踊ってみたり、精神病者だーと思わせる演技をリアルに表現したりと、色々とさせられたのに綺麗に歌いきりました(その中で、意味もなく舞台を行ったり来たりする時の顔つき、体の動かし方など、見てると怖くなるぐらいなのです)。
今回、一番印象なのがクロアチア人、異端審問官(Inquisitor)歌ったJuric Goran。この人もバスだわねぇー。バリバリと音を聞かせてグリーンライトのなかでインバクト大。衣装も綺麗な緑(青?)の裾広がりカクテルドレスが異様な雰囲気を放出。

他もトップクラスの歌手が揃っていたようで(新聞批評)、プレミエ・初演にしてはめずらしくブーイングの起こらない、拍手喝采なオペラでした。

オペラ好きの次男を連れて11月23日にモーツアルトのコジ・ファン・トゥッテへ。
前回のメフィストーフェレとは違い、もうずいぶん前2001年に演出されたものです。

Musikalische Leitung:Constantin Trinks
Inszenierung:Dieter Dorn
Bühne und Kostüme:Jürgen Rose
Chor:Sören Eckhoff

Fiordiligi:Golda Schultz
Dorabella:Angela Brower
Guglielmo:Michael Nagy
Ferrando:Paolo Fanale
Despina:Tara Erraught
Don Alfonso:Christopher Maltman

舞台も衣装も見てて楽しく過ごせました。
モーツアルトなので、オーケストラの編成が小規模ということに加え、スポンサーの旦那が一緒でないときは座る席もカテゴリーの4番めあたりを選ぶため、音の聞こえはいまいち。
でも、その中でもいい席を選んだため、舞台は綺麗にすべて見えました。
このカテゴリーになると、よく見える場所を選ぶか、舞台が三分の一隠れてもいいからよく聞こえる席を選ぶか、のどちらかです。オペラですから、必然的によく見える席を取りたくなるのが心情、というもの。
序曲が始まった時には、あららー、音が薄いー、とびっくり。
でもそのうちにそれも耳になれてきます。

このごろのバイエルン歌劇場の出演女性陣はとってもハイレベル。誰を聞いても関心。
南アフリカ育ち、その後ジュリアード卒業のゴルダ・シュルツ、若いけれどしっかりきっかり歌いました。第二幕でフィオルディリージ、長々歌うアリアでは、最後の方スタミナが大丈夫かな?と思った割には無難に、力強く歌いきり拍手喝采。
メゾソプラノのアンジェラブラウアーも可愛く、綺麗に、また演技もお上手。微笑ましく笑えてしまいます。

男性陣は・・・・、そうねぇー、覚えてない!(ごめん!)。なんたって女性陣に聞き惚れてしまい・・・。こんなことは滅多に無いのですがね。
あぁ、そうそうドン・アルフォンゾを歌ったマルトマンはやけに役ぴったりな歌手だなぁーと思ったのを
覚えていますが、そのぐらいか。

終わった後には、次男君の感想、
「これを作曲したときのモーツアルトって、大事な恋人が二人いたんだろうねぇー。それにしてもあのフィオルディリージのアリアはドンジョバンニに出てくるドナ・アナのアリアにそっくりだったねー。ただレベルはドナ・アナの方が難しいけどねー。」

はぁ、そうなんだー。さすがにオペラ大好きだけあって、よく聞いてるわ。

舞台も衣装も、曲もすんなり馴染めて、(私にはこの内容は少し重い!笑)楽しいオペラ鑑賞でした。