今長男が使っているバイオリンは学生用。
それに伴って弓もお手頃、お安いものです。

先日、松脂の件でいつもお世話になっている先生に弓を見てもらったところ、もう少しいい弓に変えた方がいいと言われました。しかし、いい弓?!と言われても、それこそピンからキリまで・・・・。

そこで先日長男譜めくりバイトのあと、
バイオリンを弾いたボリス先生に、長男は少し詳しく話を聞いてきました。
いつもはアメリカにいるBoris Kucharskyさん、コンサートにドイツへ帰国したときは長男の様子をみてくれます。
今の先生につく前から、時間のあるときに見てもらっていました。

彼はいい楽器(Carlo Bergonzi in Cremona, 1735)を使っているだけって、
弓もオークションなどで競り落としたり、いいものを何本もお持ちです。
ですからそんな話をするのはもってこいの方。

でもおもしろいのは、彼は激安のカーボン弓や中国製大量生産された一万円ほどの楽器も持っています。それは彼がどうも上手く弾けない、調子が悪いなぁ、と思ったときの練習に使うそうです。
安い弓や安い楽器を使うと、テクニックがパーフェクトでないとそれなりの納得する音は得られないそう。彼はよく”安い楽器からでも強制的によい音が出せるように!”と言います。

技術のみを磨くには、あまりいい楽器や弓にたよらないのが一番だそうなのです。

長男の楽器と弓も彼が選んでくださいました。。
上手なプロが弾くととてもそれなりにいい音は出ますが、技術がそれなりだと本当にそれなりの音しょぼん

このごろだんだんと楽器の持つ本来の音を出せるようになってきた長男。
長男の普段見てくださっている先生も、もう少しいい弓を使うように、とおっしゃってくださったことなどを話したら、ボリス先生が様子見がてら、数多くある彼の弓を試させてくれました。

新しい弓を使うときは、何に気をつけないといけないか、
値段が高ければいいというものではないこと、
楽器と弓と、さらに奏者とは相性があるので必ず2週間ほど試してみるとこ、
今の使っている弓より良い(高い)といっても、慣れもあるから気をつけること、
新しい弓になれて気に入っても、必ず今の使っている弓ももう一度試してみること、などなどのご注意を受けてきました。

ある程度の技術が身についたら、人から進められたものよりもとにかく自分で試して試して、試すことが大事だそうです(って当たり前か・・・)。
楽器や弓を選ぶのは結婚相手を選ぶようなもの、ですって。

長男は今週末に迫ったコンクールが終わったら、
この前のコンサートで私のお隣に座ったバイオリン製作マイスターに電話する、と言っておりました。
もちろん、値段もあるので私も一言その方と話さないといけないのですけれど・・・。ガーン

”あーボリス先生のとことろで使った1万ユーロ(約120万円)の弓、あれが一番良かったなぁ~。
すごく楽に綺麗な音が出るんだよ!!”と車の中で力説。

はぁ?? 120万円?叫び 冗談じゃないわよぉ。

120万円なんて、安い弓ね、と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、
うちにはそんなぁ、大金どこにもありません!!
プロになる気もなく、練習も一所懸命するでもない奴にはもったいない!!
なにより楽器の方が劣りすぎ・・・・。


ちなみに今ボリス先生がコンサートで使う時の弓の話・・・・・。
いつも使っているコンサート会場に新しいスタインウェイコンサートグランドピアノが入ったときのこと。
ピアニストは”うわぉ~”と喜んだのですが、それを見たボリス先生が一言、
”僕の使っている弓とほとんど同じぐらいの値段だね・・・・にひひ”ニッと笑って長男に向かって言ったそうです。
これだから金持ちは困るわ・・・・。


ま、どうなることやら・・・・。
先日のシューベルトチクルスで懇意にしてもらっているバイオリン製作マイスターの隣に着席。彼は奏者の方々のみならず、その方達が使っている弦楽器もよくご存知。

このチェロの方:Allan Bergius(バイエルン国立歌劇場のソロチェリスト)の出す音はとってもきれいで私は大好きです。
そんなこんな話をしていたら、
楽団員がオペラ公演の時は、歌劇場付帯の楽器を使用するから、
こういうプライベートコンサートのコンサートは彼自身の楽器だそうです。
彼の所持楽器も名前のある名器なのですが、
オペラ座にはもっともっとたくさんの名器が集まっているらしいです。
18世紀に劇場がグァルネリなどに直接注文して作らせたものもあるとか・・・。
バイオリンに至っては、もちろんストラヴィヴァリウスなども所有。
ただどの楽団員がそのストラヴィヴァリウスを借りられるのか、
そのバイオリン製作マイスターもご存じないそう。

だからオペラ座のオーケストラはいい音がするんですね。
奏者の腕ばかりではないのです。

しかし時々歌劇場の労働組合がストとか起こすけれど、お金が無いわけじゃないんですねぇ。
いえいえ、劇団に現金はないんですけれどねぇ、
所持品というか、所有するものはほとんど世界遺産でもいいんじゃない?
というそのマイスターのお話でした。


所属している団員さんの中で、
名器をお持ちでない方が定年退職になったときに、
やっぱりどうしても名器が欲しくなるらしく・・・・。

でもそんな退職金では手が出ない値段なので、悔しい思いをすることが多いらしいです。

そんな方々の見方?!となって、
そのマイスターの娘さん(もバイオリンマイスター)が一つアマティの模作品を作ったらしく、
今度試しにコンサートで弾いて、本物と比べて見るそう。

どんな結果になったか、次回聞いてみるつもりです。
昨日はシューベルトの室内楽コンサート。
またまた音響最悪の所だったけれど、シューベルトの作品に乾杯!

曲目:
バイオリンとピアノのための
Fantasie C-dur op.159 D934

バイオリン、チェロとピアノのための
トリオ E-dur op.100 D929


どちらも晩年の作品です。
いっても彼は31歳の若さで亡くなっていますから、
”晩年”と言えるのかどうか、疑問ですが・・・。


一曲目のファンタジー、彼の死後にウイーンで初演。
当時、観客から理解を得ることが出来なかったそうです。
なにせ初めから最後まで各楽章に区切りというものが無く
曲はそのまま流れておしまい。

もちろん楽譜を見れば、AllegroやPrestの表記がるし、
曲をよ~く聞けば調も変わるので、
あぁ、新しい楽章(なるもの)に入ったなぁ、と分かるのですが、
ボーッと聞いていただけでは、そのままお流れ~、
バイオリンがキコキコ、一所懸命頑張ってるジャン!ぐらいで終わってしまいます。


昨日のバイオリンは音響最悪の中でよくこの曲と戦いましたと拍手拍手♪
とにかく、聞いている方も”プハァ~”となってしまいます。
この曲、音響のいいホールでさらに暗譜して弾いてくれたら、
とにかくのけぞるぐらい感動するんだろうなぁ。

後ろでピアノの譜めくりしていた我が息子も帰りの車の中でひとしきりため息。
『とにかくさぁ、ピアノもそうだけれど、バイオリンの譜面とか見てたらとんでもなく難しいんだよ。それをこの速さで、最後はこの重音なんだから、何も言えない。』
と、先生の演奏に感動です。

私のお隣には懇意にしているバイオリンマイスターの方、
先生の楽器メンテナンスもしています。
そのマイスターが、
『この曲はねぇ、こんなところじゃなくていいホールで聞いたら、
上から下の音まで本当に綺麗に広がるように響く、素晴らしい曲なんだよ』
というお話も聞くとなおのこともう一度聞きたいわん。

カクテルグラス   カクテルグラス   カクテルグラス 休憩 カクテルグラス   カクテルグラス   カクテルグラス

二曲目トリオは一曲目のファンタジーと違い、シューベルトの生前に初演。
その初演が大大成功クラッカーを収めたので、彼はようやく自分のピアノを購入することが出来たといわれています。

前回のトリオOp.99でも思いましたが、Op.100でも低音とピアノの掛け合いが美しい。バイオリンはちょっと二の次の感がいなめません、といってもやっぱりトリオですからもちろん、重要ではあるわけですけれどね。
やっぱりシューベルト、歌曲もバリトンで美しいものが残っているだけあって低音の使い方に感動です。
今回も前回同様、バイエルン州立歌劇場でソロチェリストをしている奏者。
そのチェロの音とピアノの掛け合いで、ふわ~としていたらバリトンの声が脳裏に浮かんできます。
う~~ん、やっぱりいいホールで聞きたいよぉ~。

日曜日は同じ演目でいいホールで演奏されます。
どうしようかなぁ、懐が寂しいからなぁ・・・・。
思案中でした。