ミュンヘンのフィルハモニーホールで行われた定期演奏会のうちの一つです。
Joseph Haydn
Symphonie d-Moll, Hob. I:34
Alfred Schnittke
Konzert für Violine und Orchester Nr. 4
Jean Sibelius
Symphonie Nr. 1 e-Moll, op. 39
指揮:サカリ・オラモ
バイオリン:ギドンクレーメル
開演は20時からでしたが、18時45分に指揮者と解説者が30分にわたってコンサートに関係するトークもあったので聞きにいきました。その時の話も交えながら書き進めて行きます。
サカリオラモはWikiをご覧になると分かりますが、フィンランド放送響でコンマスをしていた人です(ご本人曰く、指揮者オンリーでなくて今でもバイオリン奏者でもある!そうです)。今はBBC交響楽団の首席指揮者をしています。
ドイツではまだそれほど知名度が高くないのですが、BRオケでは二回目。前回は、マリスヤンソンスの代振りとして呼ばれたらしいです。その時、プログラム中にはハイドンがあったのに、急な代振りなので準備が出来ない、ということからカット。へぇ、ハイドンって指揮しやすそうなのに、なにか彼には引っかかる難しさみたいなものがあるのかしら?これって、弦弾きの性なんだろうか?
今回はまぁ準備期間もあった、ということで一曲目のハイドンはとっても綺麗で上品な仕上がっていました。
曲自体はd-moll(ニ短調)とありますが、それは一楽章のみ。あとはカラカラ~っと軽く平行調のF-dur中心で進められて行くので、聞きやすい曲です。私は久しぶりのプロオケだったので、音の美しさに感動。特にBRオケは弦がいいという評判どおりでした。音程はもとより音色も後期バロックと初期ウィーン古典派の軽さが心地よく、プラス管楽器も安定していたので、言うことがありません。
面白かったのが、一楽章のアダージョと三楽章のメヌエットは指揮棒なしで、あとは指揮棒を使って降っておりました。ゆっくりな曲は、指揮棒を通すより直に手を降った方が奏者に自分の気持ちが伝わりやすいからだそう。大きなホールでしたが、サロンっぽさが伝わってきました。
二曲目はシュニトケのバイオリンコンチェルト4番。
ソリストはこのごろコメディーもやる、おちゃめなバイオリン巨匠のギドンクレーメル。基本的に私はこの人の古典ものは好きじゃありません。でも現代ものは聞いてみないと・・・。それよりなによりこの4番はシュニトケがギドンクレ-メルに捧げた曲なのです。その証拠に?!
冒頭は、鐘の8音から始まりますが、初めの4音は曲への挿入部分。
あとの4音はギドンクレーメルへ尊敬の意味を込め?!
【G】i【D】on Kr【E】m【E】r
【G】・ソ、【D】・レ、【E】・ミ、【E】・ミ(オクターブ下がる)
と彼の名前から音が鳴り響きます。(すごいこじつけぇ~・爆)
まぁ、音楽歴史にとっては価値のある演奏会であることは間違いありませんので、聞いて損はないはずです(よね?!)。
YouTubeでお勉強がてら曲を耳にした時もそうだったのですが、現代曲にしてはなんとも入りやすい作りです。バロックあり、古典あり、そしてもちろん、時折流れ出すロマン派時代の口ずさみたくなるメロディー。そうかと思うといきなりのカオス。
始めて聞いたときは、ゴツン、と頭を叩かれたような感動(変な比喩ですねぇ)を覚えたものです。それプラス、ギドンクレーマーのパフォーマンスは見ていてなかなか楽しいものがあります。66歳、まだまだ元気にシュニトケを全身表現。
それにしてもハイドンと時代が違うのは分かるのですが、たかが?!バイオリンコンチェルトにこんな派手な大編成のオーケストレーションにびっくりです。
四管編成はもちろんのこと、鍵盤楽器が豪華!!グランドピアノにチェンバロにはたまたチェレスタまで登場。ハープは一台のみでしたが、打楽器に至っては、鉄琴の大型ヴィブラフォン、木琴の大型マリンバや、なんどフレクサトーンなど歌舞伎で使われる?ようなもまで勢ぞろい。大太鼓、小太鼓(パーカッションね)、シンバル、鐘、ティンパニー、見ているだけで楽しくなります。
肝心な曲です。
一楽章は鐘の音で始まったのち、管楽器のコラールアンサンブル・・・、それが終わったあと、カオスが始まり‥次にオーケストラとバイオリンの格闘がじょじょに開始されます。それでも暗闇の中をバイオリンソロが手探りで曲を進め、静かなうちに終了。
二楽章は、バイオリンのエチュード?から始まり、バイオリンのテクニックがご披露、と思ったら後ろではフルートがホイッスルトーン!で対抗。いろいろなところで音が鳴り響き・・・・、最後にはオケとソロが決裂をおこします(バイオリンはパフォーマンスだけで実は弾いていないとか)。
三楽章です。チェンバロで曲が歩き出します。それに乗ってバイオリンがとってもわかりやすく聴き心地のよいメロディーを奏でます。それと相まって、オーケストラの中からセカンドの一番後ろに座っているバイオリン奏者が、ソロのメロディーを受けています。普通ソロのメロディーを受けるのは、コンマスでしょ・・・、と思うのですが。そのコンマスは涼しい顔して座っていて・・・・、私は感動しました。
後半は途中、金管楽器が吠えたと思えば(あぁ、お疲れ様~)、冒頭のメロディーがそのフレクサトーンなどといっしょに、ちょっと怖い風にヒュ~ヒョロロロ~と・・・。(笑
四楽章、静かに始まりました。曲の運びに疲れを感じさせます。(奏者がつかれてるんじゃないんですよぉ。曲が、です。)
で、聴衆への問題提起で曲が閉じられます。
どういうことかと言うと・・・・、
シュニトケは、この曲を聞くことによって聴衆の人間性が、コンサートホールに入るときと出るときに変わる(浄化される?!)ことを願っていた?!そうです。
でもさすがシュニトケ、映画音楽も数多く手がけただけあって、彼の音を聞けば(自分なりの)画面想像が脳裏に次から次へと浮かんできて、とっても楽しめました。
休憩後、シベリウスです。ここで時間はすでに21時45分。
うわぁ、こりゃ帰宅が12時近くになるかなぁ、と思いきや・・・。
交響曲一番は思ったより短めでした。
シベリウスは19世紀の中頃にベルリンでR.シュトラウスなどと一緒に音楽を学んだそうです。交響曲一番が作曲された時期はフィンランドはまだロシアの大公国支配が行われていた時代。でもシベリウスは交響曲でフィンランドの故国や民族を表現したかったそう。ただその時代にこの大曲を演奏できるオーケストラというものがフィンランドには存在しなかったらしいです。せっかく祖国というか、生まれ育ったところに捧げたのにねぇ。残念です。
また彼は結構上手なバイオリン奏者だったらしいです。ウィーンフィルなどにも入団試験を受けたらしいですが、あまりに上がってふるえてしまったらしく・・・。試験を聞いていた指揮者やオケの団員たちなどは『僕達には、作曲家としての君が必要なんだ!』と言われたとか・・・。こんな逸話を聞いたあとだったので、シベリウスに対する親近感なるものが出来ました。(笑
私はこの交響曲一番を聞いたことが無かったのですが、二番を知っていればほとんどお馴染みです。ほとんど双子と言う感じ。
弦のメロディーの裏で聞こえてくる管楽器のシンコペーションとか、弦が下からぐぅぅぁぁぁ~と出てくるところなど、曲の作りがほとんど一緒。唯一違うのは曲の最後です。一番は弦のピッチカートで静に終わるのですが、そのピッチカートまではなかなか盛大に盛り上がって雄大な景色を感じさせてもらいました。
指揮者オラモはバイオリン出身とだけあって、オケの弦をとっても美しく響かせていました。そしてパリパリとした曲の運び、それでもハイドンはハイドンらしく聞かせてくれる指揮者です。うーん、マリスヤンソンスの後釜に良さそうだけれどぉ。どうだろう・・・。
ま、久しぶりのコンサートはとっても充実、楽しめました。
さて、次は7月、ブレスリクのシューベルトだわね。
それまで少し時間があるので、どこか安いチケットを色物しましょ。











