先日、コンクール州大会が終わり一段落の次男君。
地区大会ではミュンヘン音大の小ホールで行われたため、
スタインウェイのコンサートグランドピアノを弾かせてもらえたのに、
州大会では普通の田舎街?!の小学校だったため、
ヤマハの小さなグランドピアノ。
それもリースされていたので、お店のチラシが譜面台にはってあったり。
それを見たときの次男君は一気にやる気を失い、もうぼろぼろ。
3曲目は途中でとまって最初からやり直したり・・・。
緊張感もなにもなく、もう最後まで通せればいい!となってしまい、
結局、全国大会へコマは進められませんでした。

まぁ、でもなかなかいい思い出となりました。
やっぱりうちの次男君はまだまだ子供。
いくら練習をしたからって、自分の精神面にはまだまだ勝てないんですねぇ。
これが、他の子のように人前で弾く事自体に緊張してくれればよかったのですが、人前で弾くことには慣れきってしまっている次男君には、その時の雰囲気とか観客とかが大事な様子。
いつでもベストを尽くせる!ということが今後の課題になるでしょう。

次男君は今の先生について今度の夏で丸5年になります。
そろそろ先生を替えないとなぁ・・・、と考えていたところで、なんと先生のほうから先に提案されてしまいました。
彼女も5年教えたら(習ったら)次の先生へ、という意見です。
次男君をものすごく可愛がってくれている先生、
次の先生はもちろん彼女が気に入った人じゃないとだめ!
そんなこんなで、先生が知り合いに連絡を取ったり、
メールを書いたりして一緒になって探してくれました。
そしてようやく夏から教えてくださる、とてもいい先生が決定。
私は一安心です。

長男君の時もそうでしたが、子供の習い事ステップアップする時の先生選びには毎回困ります。
いろんな人に話を聞いて、とにかくレッスン代が高すぎない、遠くない、いい先生!!を探しだし、電話番号を聞き出して電話して…お試しレッスンの予定を入れて、それに付き合って・・・。
なによりその先生が取ってくれるかどうか分かりません。
我が家はたまたま運良く、というか心やさしい先生方だったため、
子供たちが断られたことはありませんでした。
今回の次男君も、十中八九無理、と言われていた方だけに、私の安心感はひとしおです。


9歳の初夏から今までの5年間、
楽譜もろくに読めず苦労の連続だった次男君が、
今ではある程度の初見はこなせるようになりました。
新しい曲を自宅で練習中、先生の言いたいことが想像つくようで、
「あぁ~これは短く、これはつなげて・・・、こんな指使いしたら怒られるだろうなぁ・・・」とブツブツ言いながらピアノに向かっています。そして初回レッスン時には「とりあえずの曲」に仕上げていこうとする姿を見ていると、弾いている曲のことだけでなく、とにかく楽譜に対する姿勢を教えてくださった今の先生の上手なレッスンに感謝の気持ちでいっぱいになります。

いい先生へと変わったときの子供の成長にはいつも目をみはるものがあります。
次男君、今度の新しい先生としっかり信頼関係を作って、さらに楽しく上手になってもらいたい母でした。(だってレッスン代お安くないしね。)

土曜日の新聞批評を読んで、ミュンヘンフィルのコンサートへ衝動的に行ってきました。批評は定演初日、木曜日のもので、たまたま3日目の定演が土曜日の夜にあったのです。演目はR・シュトラウス三昧。

プログラム
ツァラツストラかく語りき
ピアノ曲・ブルレスケ
ティルオイレンシュピーゲルの愉快ないたずら

ピアニストはアメリカ在住、エマニュエル・アックス。日本人女性を妻に持ち1949年生まれ。私はこのブルレスケと言う曲も彼のことも知らなかったのですが、新聞批評とネット検索でにわかに興味をもちました。「とにかくこの難曲を何の問題もなく、パーフェクトに弾ききった」らしい彼。

そしてその他の二曲も、
「重たい感じに指揮するマゼールの意図をうまく受け入れ、聴き応えのある管楽器のソロパートが安定していて、見事な仕上がりになった」と、べた褒めだったのです。

ミュンヘンフィルの管楽器パート、私は大好きです。
そのパートが聴き応えある演奏を披露してくれる、というし(老)巨匠のマゼールも徐々に聞き納めをしておいた方がいいかな、と思い衝動的に行くことにしました。

場所はいつものミュンヘンフィルハーモニーホール。
40ユーロほどの席に座ります。

時間になり、オケが揃いしばらくしてからソロリソロリと83歳のマゼールが出てきす。20年近く前、亡くなる数年前のチェルビダッケを思い出しました(って知ってる人はいるかなぁ)。同じように出てきて、彼は椅子に座って指揮を始めたのです。しかし、マゼールは一曲目のツァラツストラは見事に立って指揮です。45分から50分近く、あまり大きく振られない指揮棒ですが、そこから引き出されてくる曲に私は圧倒されっぱなし。新聞批評のように、得にトランペットがピカイチです。一曲目から鳥肌の演奏を聞き、私は幸せいっぱい。

二曲目はピアノ曲・ブルレスケ。
20分ほどの曲に、わざわざニューヨークからのお客様。
難曲をパーフェクトに弾きこなす、と読んでいたので期待しました。
ん?ピアノの前にはオケ団員と同じパイプ椅子・・・。
あれ、間違ってセッティング?と思ったら、そうではありませんでした。

老指揮者マゼールよりは18歳も若いですが、初老です。
背中を少し丸めて、恥ずかしそうに「そそそ」と登場してきました。
うーん、難曲を弾きこなすようには見えません・・・。
しかし、少しお年だからってプロを見くびっては行けませんね。
パイプ椅子に座ったアックス、弾き始めたとおもったら、私は彼の出すピアノの音と指の動きに呆気にとられっぱなし。そして曲があっという間に終わってしまいました。なんと曲が終わって始めて、私は自分の口をずっとポカンと開けていたことに気がついたのでした。(爆

はぁ?えぇ?
もうずっとこんな感じです。
新聞批評を読んでいなかったら、この曲が難曲だなんて気がつかなかったでしょう。

そういえば、同じ日にピアノ巨匠のソコロフがミュンヘンのヘラクレスザールでリサイタルやっていることを思い出し、商業的でない上手なピアニストってどこにでもいるのね、とため息。

そして最後のティルオイレンシュピーゲルの愉快ないたずら。
トランペットとホルンが冴えに冴え、クラリネットがおどけた演奏を聞かせてくれました。

2曲目から椅子に座って指揮しているとはいえ、マゼールの疲れが気になりましたが、オケはまだまだ元気いっぱい楽しい演奏を最後まで聞かせてくれました。

こんな風に衝動的にコンサートへ行くのも悪くないなぁ、とおもった演奏会。

そういえば、4月第二週にはR・シュトラウスの歌曲をハルテロスが一緒に出演するんだっけ。
オケのメインは「英雄の生涯」だし、聴き応えある管楽器が期待できそうだし、行こうかなぁ・・・と思案中です。

直接クラシック音楽とは関係ないのですが、ここ2、3日ドイツクラシック界に波紋を投げかけている事があります。

ドレスデンセンパーオーパーの次期ディレクター(インテンダント)Serge Dornyが契約期間に入る半年前に、ドレスデン文部(文化・芸術)大臣からいきなり契約の解約通達。

理由をかいつまんで言うと、次期ディレクターが450年の歴史を持つ(オペラ専属オーケストラの)ドレスデンシュターツカペレとその指揮者の役割をまるで理解出来てないことは遺憾であり問題だ、というもの。ドレスデン側は2013年に契約を交わすときに、その点はしっかりと確認をしてもらっているはず!といい、逆にDornyの方は、そんなこと聞いてない、というもの。

Dorny、オペラハウスの次期ディレクターになるはずの人はフランスのリヨン国立オペラ座での成功を収めた人でもあり、いろいろなアイデアに満ち溢れた52歳。少し古びてきたドレスデンゼンパーオーパーへ新しい風が送り込まれると期待されていた。

Dornyは、ティーレマンがオペラではプレミエと特別公演のみの指揮しか承諾しないことや、普段のレパートリー公演や一緒に作り上げるプロジェクトなどに興味を示さないことを指摘。オーケストラの方ばかりに力を入れ、オペラやバレエを蔑むような気持ちを持っている"らしい"ことを感じたそう。

そして、今日の新聞にはそれについてティーレマンのインタビューが掲載されていたけれど、彼はお得意の「たぬきぶり」をご披露。

ちょっと前までとっても親しそうに電話とか話とかしたし、手紙のやりとりもそんな風に受け止められなかったんだけれどねぇ・・・。うまくやっていけると思ったけれど、でもねぇ、やっぱり彼はシュターツカペレの歴史を理解していないのが一番の問題だね。でも僕とはまったく関係ないよ~。(本当か?と思うのは私ばかり・・・かな?)


次期の準備段階でディレクターとシュターツカペレの芸術監督の権力争いがこじれる前に、お上からの鶴の一声で決着。ティーレマンに軍配!!上がる。


そういえば、ティーレマンの前のゼンパーオーパー芸術総監督及びシュターツカペレ音楽総監督だったファビオ・ルイジ(現メトロポリタン)は、2010年末コンサートにティーレマンが振ることをまったく知らされなかったため、怒り爆発。彼は2012年契約満期になるまえに辞めている。それから2012年までの2年間は空白の時期が続いていた。
その頃ミュンヘンフィルを振っていたティーレマン、契約更新のときにミュンヘン市へ結構なわがままプログラムやプロジェクトを言い放って、僕の言うこと聞いてくれないならここ辞めてドレスデンへ行っちゃうもんね~、とさよならした。
たしかそのプロジェクトって演奏会形式オペラとか入ってたんじゃなかったっけ?

450年の歴史を持つドレスデンゼンパーオーパー、ウェーバーやワーグナー、ケンプにベーム、シノーポリなど歴代の有名な作曲家や指揮者が総監督を努めている。その中にティーレマンの名前も入ったのにねぇ、オペラに力入れるのはバイロイトだけで十分、なのかしら? 

火の無いところに煙は立たない。
彼の指揮は結構いいけれど、私にはどうもシンパシーを感じない人間なのでした。