梅雨ですね。
だけど、最近よくB'zさんの
『FRIENDS』を聴いています。
季節的には半年ほどずれていますが、
無性に聴きたくなって
聴きまくっています。





このアルバムは、
B'zさんが言っているように
アルバム全体で1つのラブストーリー
になっています。





しかーし、
稲葉さんの世界観は難解なので
世の中にたくさんの
解釈が溢れています。





それでは、
私の考察を述べていきたいと思います照れ
世の中に溢れる考察の中のひとつとして
さらっと読んでもらえればと
思います。





『序章』
・Prologue Friends
ストリングスによる演奏。
タイトルの通りプロローグです。





『回想』
・SCENE 1. いつかのメリークリスマス
キレイなオルゴールの音から始まります。

"僕"が『人を愛するということに
気がついたいつかのメリークリスマス』
を振り返っています。

恋をしていると、
『何もかもがきらめいている』けど、
好きだからこその『失う怖さ』から
不安になったりもする。

『いつまでも手を繋いで
いられるような気がした』

きっと、
別れを経験したことのある人は
みんな、そう思ったことがあるはずです。

そんな"僕"の心理描写が秀逸で、
『臆病な男』がかいまみえます。

ここは回想シーンですので、
ふたりは既に破局を迎えている状態。





『再会』
・SCENE 2. 僕の罪
明るい曲ながらも
ガラスの割れた音が印象的。

"僕"と"君"は
『やりたいことをやるため』に
別れを選んだのに

"僕"は、『やめたタバコに手を出す』
ように別れた"君"が恋しくなって
何度も連絡を取ってしまいます。

再会をはたし、
久しぶりに会えた"君"の笑顔は
何も変わってないけど、
あの頃とは何かが違います。
その"何か"に気づかないふりをして
"君"に、安らぎを求めるダメな男の感じが
そこかしこから読み取れます。

まさに、『優柔不断な男』の『罪』です。
(こんな男は女からしたら最悪ですニヤニヤ)

そして、
その罪が繰り返されていることから、
なあなあな感じで繋がっている状態
なのだろうと推測されます。 





2-2. Love is…
次曲「恋じゃなくなる日」
のメロディを元にした曲。
次のシーンへ緩やかに繋がります。





『葛藤』
・SCENE 3. 恋じゃなくなる日
この曲については
いろんな解釈を見かけます。

『恋』じゃなくて
『友情』になったんだとか…。
アルバム名も『FRIENDS』だしね。

私も一度はそう思いました。
ですが、今の私の解釈は、
『恋』じゃなくなくて『愛』
に変わったんだと思っています。

それでは細かく解説。
『冬の海辺をあてもなく』
歩いている様子から
"僕"の心はウキウキしたものとは程遠く、
とても不安定だということがわかります。
不安定というよりは
稲葉さんがよく描くふらふらしている
『優柔不断な男』といった感じ。

そして、恋人だったときのように、
良いことも悪いことも
言いたい言葉はあるけれど、
わかってほしいもどかしさや
苛立ちはもう無かったりとか、
表面上は昔と同じだけど、
やっぱりどこか同じじゃないんだな
と寂しく感じています。
ここの段階では、"愛"でも"恋"でもなく、
ただの"他人"
になっている印象をうけます。

一方で、
もしかしたら僕らが追っている夢
(=ふたりで幸せになること)は
同じなのでは?とも思います。

でも、やっぱり"僕"は、
傷付きたくありません。
そんな臆病な"僕"は、大事なもの(="君")
を失って傷つかないように
少し距離をとったり、
また"君"を失うくらいなら、
もう恋はいらないと
思ってしまったりするのです。
ホントに『臆病で勝手な男』です。
でも、これも、
愛しているからこそのような気もします。

煮え切らない"僕"のせいで
"君"は疲れてしまっているけれど、
"僕"は何もできません。
なぜなら
"君"に対する気持ちがなんなのか
わからないままだから…。

それでも、
"君"に会いたいと思うのは何故なのか…。
愛なのか恋なのか、なんなのか…。
"僕"はずっと自問自答しています。

考えても考えても
わからなくなってた男の腕に
くっついてきてくれた"君"が
とても綺麗なことに間違いは
なかったけれど
綺麗だなと思うだけで、
それ以上の気持ちにはならなかったことに
気づいてしまいます。

そう!
この気持ちは"恋"じゃなくて
人間愛に近い"愛"なんだと!

"僕"の曇ってた気持ちが
晴れていくように
歌もここで最高に盛り上がって、
とってもかっこいいのです。
稲葉さんが爆笑



…話を戻します真顔



ここで、途中にあった
『遠くで響いている鐘』は
恋の終わりと愛の始まりを
告げていたのだということに繋がります。

ただ、"愛"に変わったからといって
ふたりが恋人に戻るかといったら、
稲葉さんの描く"僕"はそうはなりません。
だって、"人間愛"ですから。

"君"が真夜中の舗道で
チャンスをくれたけど、
"恋"ではなくなってしまった"僕"の心は
嘘をついてまで"恋"人にはなれず、
近くにいられなくなることが
わかっていても
一歩が踏み出せませんでした。

『優柔不断で臆病な男』でもありますが、
『真面目な男』なのです。

要するに、ここは、
ふたりはよりを戻そうとするも
嘘をつけない"僕"のせいで、
この恋は完全に終わった状態。です。



今度のLIVE-GYMで
歌ってほしい曲のひとつです。
マジで真顔





・SCENE 4. SEASONS
松っちゃんの
アコースティックギターのみの演奏!
カッコいいッス!





『解決』
・SCENE 5. どうしても君を失いたくない
優柔不断すぎて
ホントに「解決」してますかニヤニヤ
と言いたくなる曲です。

"SCENE 3"から1年が経ち、
忙しい日々を過ごしていた"僕"は
"君"を忘れたつもりになっていたのに、
徹夜明けの車の中で
『僕が走る懐かしい夢』
を見たことで、心の中に"君"
が残っていたことに改めて気づきます。

この夢は、"僕"が"君"へのプレゼントを
抱えてウキウキしながら走っていた
『いつメリ』の頃の夢です。

そう
『人を愛するということに
気がついたいつかのメリークリスマス』
の頃です真顔←言いたいだけw

雪が儚くとけていくように
ふたりの関係も、
何もなかったかのように跡形もない。
と、感傷に浸っています。
あんな風に
ふたり並んで歩いていたなぁ。
と、振り返っているのです。

ここで、また、頭でっかちな"僕"は
いろいろ考え始めます。

『恋(人)じゃなくなることは
    人(="君")を裏切ることになるのか?』
『愛を貫くことの結果は
    ひとつ(結婚?恋人?)なのか?』
『二人のことに蓋をして
  (付き合っていたことさえも
   なかったことにして)生きるのか?』
『激しく憎みあって忘れる
    (ケンカ別れする)のか?』

僕らの関係は他の形にはならないのかな?
何か違う形があるんじゃないの?
と考えています。

ズルいですねぇ~ニヤニヤ
恋人にはなりたくないけど、
"君"を失いたくないという
ズルい男です。

1年経って"僕"が思ったことは、
『どうしても君を失いたくない』
ということでした。
なぜなら、
『戻ることのない流れの中で心燃やした人』
であり、
『同じ涙を流しあえるかけがえのない人』
だから。

だから、別れが決定的になってしまった
砂浜でやり直させてよー!
またあの頃みたいになりたいよー!
と心の声が爆発しているのが、
『いつか一緒に海に行こう』
『あの日の砂の上で踊ろう』
です。
※B'zにおいて「踊る」は、
恋人達がイチャイチャすること
を指していることが多いです。

やっと、"僕"は、"君"と
一緒に生きていきたいのだと、
決意したのです!



そう、今さらです!!



……………



で、ここで現実に戻ります。
曲調も寂しげな感じに変わります。

『追憶の欠片はうっすらと
白く世界を包んでいる』

そんな楽しい思い出もだんだん薄れて
きてしまっているということだと思います。
『白く』といっているので
雪で覆われて見えなくなって
しまっているのかも知れません。

これは、"君"の気持ちなのか
"僕"の気持ちなのか…。
私は"君"の気持ちなのだと思っています。
なぜなら、次に来るこの歌詞があるから。

『君は目覚め 出掛けていく
変わらない街の人混みの中に…』

"君"の心はもう"僕"にはなくて、
"僕"みたいに心揺さぶられることもなく、
もちろん"後悔"も"未練もなく、
"明日を見て歩み始めている
ということがわかります。

そう、"僕"は遅すぎたのです。
1年前のまま立ち止まっていたのは
"僕"だけだったのです。
"僕"が決意した時には
"君"はもう違う夢を追っていたんです。

"僕"は"君"を愛しているけれど
"君"は"僕"を忘れ違う未来を見ている。

僕らの形は"FRIENDS"が
相応しいのかなぁ…。
と、なっている状態。





6. いつかのメリークリスマス(Reprise)→SCENE 1「いつかのメリークリスマス」のピアノの独奏です。
〆ですね。





ここで、アルバム『FRIENDS』は、
終わります。





全体でみると、

何もかもが楽しかった3年前の冬
曖昧な関係を続けてしまった2年前の冬
そして、
嘘をつけなかった1年前の冬
を思い出して
やっぱり
『どうしても君を失いたくない』んだ!
と思い至るも時既に遅し…。

というストーリーに
なっているのではないでしょうか?
これは、次に続く
『FRIENDLS Ⅱ』に収録されている
『SNOW』からも推測されます。





だから、これは、
稲葉さんがよく描く、
サバサバしていて強気な女性と
優柔不断で臆病な男
のラブストーリーだと勝手に思っています。





ちなみに稲葉さんは、
この4曲について
「全ての楽曲の歌詞は飛行機の
移動中に4曲同時進行で書いた。」
とおっしゃっています。

恐るべし、稲葉浩志!!!









ダルマ