拝啓 おばあさま
いやー。暑い。季節のごあいさつなんて、その一言で終わっちゃいますよ。暑い。
『國境の長いトンネルを抜けると 雪国であった』
そう。新潟へやってまいりました。
川端康成の「雪国」をモチーフにした、『駒子の湯』へ入ってまいりました。
駒子って登場人物なの?
てゆうか、「雪国」ってどんなハナシ??
トンネルを抜けたら寒かったことしか知らないです。ああ無知。
ここにて温泉を堪能。いい湯でした。
そんな越後湯沢へ入り、なにをしたかというと、
ハイ、ラーメン。
道端でラーメン。ガスコンロ最高。
でも調子に乗ってラーメンこぼした~
そんな悲しい道中も越えて、
湖もローソンも堪能しつつ
本日は越後川口にて車中泊。
明日は新潟市内へ入って、そしてその後、北海道を目指すのだ。梅雨を避けるのだ。
雨との離婚調停中。
そんな独り寝の夜。旅の夜。
おばあちゃんは、旅番組とか好きだけれど
飛行機に乗ったことないし、たぶん船もない。
満州はおじいちゃんだけ行ったのだっけ?
今さらどこに行くのもおっくうだと言う。
もしおばあちゃんが戦争を生きた人じゃなかったら、
おばあちゃんはあちこちいろんなところに行ったのだと思う。
私は、なんの苦労もせずに
ただ「行きたい」だけで行けてしまう。
それがいいことか悪いことかはわからないけれど、ありがたいことだと思う。
ああ…
「ありがたい」というのは、漢字で書くと「有り難い」 つまり、
『なかなか有ることではない』となるのだね。
だとしたら、やっぱり、「ありがたい」ことなのだ。うん。感謝。
今日は明るいうちに泊まる場所を決めたので
ちょっとお昼寝。
ぐだぐだですな。
緑のお守りは、大学の友人がくれました。
そんな優しいものがたくさん。
みなさんの優しさを乗せて、今日も眠ります。
あ、それと、車のなかをちょっとだけ整頓。
台があるので、お料理もパソコンもできちゃう。
洗濯物も干せちゃうよ。
でも散らかってる。
性格の嫌なところがでてるな。なんでもかんでも手近に置いちゃう。
「どこにでも自分の部屋を広げない!」と言われて育ったのに
「どこにでも自分の店を広げない!」と職場で上司に言われる始末。
すんませんお母さん。
私の歩いたあとには、桃子の私物という花が咲くのさ。
あ、すいませんすいません。
あ、日本語間違えた。すみません すみませんです。
もしかしたらいやもしかしなくても
もうすでに寂しくなっているのかもしれない。
でも寂しいのは、嫌じゃない。
自分で決めたことだから。
家族の心配する様子が目に浮かぶ。
なんでやねん。
なんでやねんあたし。
なんでこんなことしゆうがじゃ。
自分でもわからんけど、必要なことと思ってる。
それの答えがでるのはまだまだ何年も先のことなので
今はひとときの旅行を、旅行らしく過ごそうと思っています。
そんな新潟の夜。
おやすみなさい。
敬具






