2019/06/23-令和最初の多々石林道、駒止トンネル側入り口より峠まで貫徹。雨に降られた。 | ずるずると道・郷・話を愛でる

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房総半島から栃木県北部を中心として、
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多々石林道。それは福島県南会津町にある林道で、バイクの林道走りたちにとっては有名な林道であった。それこそ20年前まではだいぶあれていたとはいえ、まだ道の体をなしており、多少工夫をしながら走るというレベルの道であったはずだ。しかし、今は、戸板峠付近の道はほとんど獣道のようになってしまっており、慣れていないと先を進むのに不安になるレベルの道となってしまっている。

 

しかし、この峠を越える道がかつてあった大規模林道プロジェクトの1つの道に指定されてから、一度はすたれていたこの林道が再び整備された道へと開発されつつある。大規模林道のプロジェクトは、政府の緊縮財政の関係でなくなり、各都道府県レベルの事業に縮小された形になった。その中で廃止されたものもあれば引き継がれたものものある。多々石林道はその中でも生き残った1つである。ただし、大規模林道の引継ぎとしてではなく、多々石林道そのものの整備としてであった。

 

その紆余曲折を経て、途中まで作られていた大規模林道の遺構が一部で話題となっている道でもある。今回の林道訪問は、そんな多々石林道の「大規模林道」整備時代に作られた道を進んで、まだ未整備な峠付近まで訪問したものである。

雨なのに多々石林道

当日は、天気も悪く雨になりそうな予感があったにもかかわらず、多々石林道に向かった。

 

千葉からまず那須塩原市の塩原温泉郷を目指す。ここまでで4時間ぐらいかかる。高速はほどほどに使うので仕方がないところであるが、ここを乗り越えないと話は始まらないのである。

国道400号塩原、尾頭トンネル経由の、国道289で、多々石林道の駒止トンネル側の入り口に到達する。出るのが10時過ぎだったせいもあり、現地には15時15分ごろになってしまった。しかも天気は雨である。

 

 

そして南会津町田島付近から国道289を進んでくると、駒止バイパスの入り口手間に突如現れるのがこの看板である。この道は結構車がスピードを出すので、うっかりすると通り過ぎてトンネルまで行ってしまうこともあった。

ここが多々石林道の入り口。地区的には針生という字のようである。

 

ちなみに、これまでもこの入り口を見たりはしてきたが、この中に入ったことはない。やはり車止めはしていても立派な襲う道路であり、車で走りたくはなってもわざわざ歩いていくのは面白みがないというものである。立派な道なのでそれを開通前に堪能するというものもあるが、道が単調になる効果の方が強く、あるけどあるけど前に進まない感じがして精神的に参るという想像が先に立ってしまっていたのだ。

 

相変わらず、車止めがしてある。この時には1時間ほどの歩行先まで道路工事が進んでいることは知る由もなかった。

 

今回の歩きは、多々石林道の駒止トンネル近辺の新道入り口戸板峠までの往復でアr。

全体時間は大体3時間ぐらい。自国にして、15時から18時である。ちなみに、到着してから車の中で着替えているうちに30分ぐらい経過してしまった。


3時間のうち、行きが1時間45分ぐらい。これは登りの上、途中からの廃道化、露に濡れた草木のせり出しのせいで前に進みくくなったこともあるだろう。帰りは、下り進行で帰りが1時間15分ぐらいか。

まさに、行きが上り一辺倒だったので、時間にそのまま表れた形となった。
さらに行きについては、前半の舗装部分、途中の工事中部分、後半の未整備部分に分かれる。

その時間配分は、舗装完備部分と道路整備済み(未舗装)部分が1時間、(編集済)
残りは未整備の廃道状態のルートで45分ぐらいであった。体感時間は、実時間にかかわらず、後半の方が長かったように思う。やはり道に草木がせり出して、しかもそれが濡れている状態で、それをかき分けていくのはなかなか精神的にもきついものがあるからだろう。

 

https://maps.gsi.go.jp/#16/37.183809/139.624847/&base=std&ls=std%7Cseamlessphoto%2C0.5&blend=0&disp=11&lcd=seamlessphoto&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

 

 

出発地点は実は地図ではよくわからない。国土地理院の地図では上のように、まったく別の道が多々石林道として書かれている。昔は実践だったようだが、今は徒歩の道という体で破線で書かれている。実際にこの部分に道があるのだが、航空写真を重ねてみれば、現在整備されている道が元の道とは異なることがよくわかるだろう。因みに、ゼンリンをやめたグーグルマップには、新しい方の道が描かれていた。

 

 

 

旧道の合流地点。この部分の旧道はそのまま残している。

合流の反対側に別の道が続いているように見受けられたがもしかしたらこれが旧道なのかもしれない。新しい道路は2車線幅プラスアルファの本格的な道幅を確保しており、そのために、ルートを変更することもあり得るだろう。カーブを緩和するということも目指していると思われる。そのために、元の地形になった高さの路盤を作っているらしいところもあった。

 

この地点を含めて入り口からしばらくは、国道が駒止トンネルの入り口をの上の山を越えるように迂回しながらこえていく。上の写真のように元の林道はその間の道で合流してくるが、もともとは、現国道はバイパスルートであり存在しない道であった。それゆえに林道は、存在しなかった現国道ルートに取りつくはずもない。ほぼ平行に山を進みながらゆっくりと標高を下げて最後は少しきつめの勾配で現国道のルートに直角に合流してくる。

 

合流してから先の部分は新道で旧道は消えてしまっているようだ。上記の地図と空中写真による現道の差を見るとカーブの緩和だったりするようなので、ちゃんと探せば旧道は残っているところはあったかもしれないが、2車線区間ではうまく見つけられなかった。

 

 

大規模林道区間の終わり

 

https://maps.gsi.go.jp/#16/37.179057/139.613796/&base=std&ls=std%7Cseamlessphoto%2C0.5&blend=0&disp=11&lcd=seamlessphoto&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

最初のヘアピンは勾配を小さくするために大回りのカーブに作り替えられていた。旧道は地図の破線相当の部分に一部残っていたが合流分岐するところは必ずしも残されていないようだった。

 

道は2車線からセンターラインのない1.5車線に狭められている。大規模林道の規格から一つランクが落とされているのである。

 

旧道のあとが新道の少し下を走っているのが見えた。とりつき口などはあまり考慮されていない様子。

 

 

工事中区間に到達

 

 

舗装が途切れたところ。しかし、土はローラーでならされており、今年の工事で舗装されると想像する。

 

その先はまだ路盤が低めのところがあった。さらに土砂を積み増して、左側のコンクリートの上部分近くまでにしてから舗装するに違いない。コンクリートのところにあけられた丸い穴は、ガードレールの支柱か、あるいは、それにしては間隔が短いので、積雪に備えた鋼鉄製のロープによるガードを設置するのだろうか。塩那道路などを見ているとわかるが、ガードレールは冬季の雪崩などで破損することも多いのである。

 

 

さらに進むと、旧道をの路盤を作り直すためにショベルカーで一定の深さまで掘っている区間になった。この分は粘土質で実に歩きにくい。工事中なので歩くことを想定はしていないのだが、こういう土壌だというのは興味深かった。かび臭い感じのにおいがあたりに立ち込めていた。

そして工事最終地点。ここから廃道化した林道の復活

 

 

現在の林道工事の最終地点は、下記の地図のヘアピンカーブの入り口のところと思われる。

https://maps.gsi.go.jp/#17/37.170008/139.614113/&base=std&ls=std%7Cseamlessphoto%2C0.5&blend=0&disp=11&lcd=seamlessphoto&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

 

地図で見れば、この先の峠(戸板峠)までは意外に長い。

https://maps.gsi.go.jp/#16/37.165874/139.612488/&base=std&ls=std%7Cseamlessphoto%2C0.5&blend=0&disp=11&lcd=seamlessphoto&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

 

 

あとは、道なき道を歩いていくだけである。残念ながら道の形状は頭に入っていなかったが、道を見薄なうような状況にはなっていなかったので、迷わず進めたのは幸いです。

 

 

 

戸板峠広場に到着

たしかに伊南側から見た風景と同じだった。

そして林道から分岐する林道があって、少し進んでみたが、天気の悪さと時間が少し遅いこともあって100メートルぐらいで引き返してきた。

 

伊南側からの訪問の時はこの広場は見られなかった。この手前に草がせり出していて、その先にこんなところがあるという想像ができなかったせいもある。分岐の林道を見て満足したのと、大粒の雨が降ってきたのもその原因かもしれない。

 

 


 

因みに、前回伊南方面(反対側)から戸板峠まで言った記録は次の記録である。

駒止峠道、多々石林道、大雨・雹(1)--2018/06/30(土)

駒止峠道、多々石林道、大雨・雹(2)--2018/06/30(土)

 

本日訪問の振り返り


今回の発見として、峠地点に広場があることが分かったことである。
前回は、峠付近の行き止まり林道の分岐部分が峠だとと思ってひき返した。

しかし、藪に隠されていたところを20メートル進んだら広場が隠されていたのだ。

 

前回の訪れた分岐方向の林道も50メートルほど歩いたが、草木が多くかぶさってきたうえにのぼりが続いていそうだったので今回はあきらめた。上記の地図を見れば、戸板峠から北に延びる破線がそれに沿うとする。それをたどれば、相当な距離に及びそうなことが分かる。今回は、あきらめてちょうどよかったといえるだろう。ここを訪問するのはそのような心づもりが必要だ。

 

今回のルートは入り口に工事のお知らせがあり、8月末まで林道を作る工事がなされるということが書かれていた。

まさに、今回言った道で、舗装が切れた先で道路の工事がなされている状態だった。土日は休工日のようで、重機などが停められていたが、人は誰もいなかった。

ショベルカーで旧林道の路盤を掘り起こす。その際に道幅を7メートルぐらいに広げる。そのために土や木々を取り去っているあとがあった。あと、削り取った路盤は粘土質になっていてなかなか歩きにくかった。
舗装の高さなどを示す木製の標識が付けられていたので最終的には舗装する予定のようである。
工事はヘアピンカーブで右に回ったあと少しだけ進んだところで止まる感じの木製標識の設置具合だった。
整備されていないところは、雨水によるガレによって道の真ん中に深い溝ができているうえ、左右から木やら草やらがせり出して、かなり歩きにくい。

 

山桜のような花がせり出していたのが印象的だった。
他の多々石林道訪問の記事にあった独特の岩肌の道も今回通ることができた。
バイク乗りにとっては印象深いところだろうとは想像できる。これは、駒止側(針生)に位置しているのも初めて分かった。

今回の道も、途中までは2車線道路で作られていたが、途中から1.5車線に規格が下げられているのが分かった。この辺は、山いがサイトで考察があるように、林道行政の変化による仕様変更というところだろう。

大規模林道は中止され、元の多々石林道の整備に切り替えられたというのが真相である。
ちなみに、今回の整備済みのルートでは、元の多々石林道は大方は工事とともになくなってしまっているが、一部旧道とは異なるルートをとっているところがあり、旧道が取り残されているところが各人できたところもあった。

歩こうと思えば歩けそうだが、とりつきの道が工事によって壊されてしまっていることも多いため、近づくのは結構難しい。そこまでする気力はなかった。入り口付近の旧道のルートが国土地理院の地図で確認できる。むしろ、新道のルートが書かれていない。対照的に、グーグルマップの方は新道が描かれていた。

現実は、新道のルートから旧道の分岐のとりつき部分が残されており、見たところ状態も悪くなさそうに見える。元気があったら歩きたかったが雨もきついし、6時近くだったのやめた。

 

先が見えない藪にまみれた道を歩く、それも登りばかりで、かつ、足元が悪い。
精神的には長く感じるのもしょうがない。
逆に帰りは、ホイホイ進行できたと思う。

帰りは雨が激しくなってきたので途中で雨合羽をかぶった。
雨が降ってなくても、藪や草や木々についたつゆが当たるので結構濡れるのであるが、ジャンパーを着ていたのでそれでしのいでいたが、雨が降ってくると頭とリュックがぬれるので雨合羽の登場。
ちなみにズボンの部分は最初から雨合羽のズボンを装着していた。
今回は、多々石林道の、駒止トンネル手前の森林同入り口から入って、峠まで行くつもりで言って、貫徹できた。
一昨年に反対側から峠まで行ったので、併せて多々石林道は制覇したことになる。
 

車への帰還と帰宅


車に戻ったら、案の定汗で上から下まで下着までぬれ濡れの状態だったので、全部着替えた。当然車の中で全裸にもなったが、だれものぞく者もいない。
歩いている時は、帰りに温泉に寄ろうかと思ったが、車内で着替えてしまったら、それだ満足してしまったので家で入ることにした。


那須塩原市関谷のガストで夕食を食べた。日曜日の21時頃だったが、自分を含めて3グループしかいない。そこでメモをしたためた。いろいろ書いていると肉がさめてしまった。

これで2年来考えていた多々石林道は制覇になったので、それはそれで満足である。しかし、両方とも雨に見舞われているのはちょっと不満ではある。季節を変えてきてみたい。
ただ、季節を変えると日が短くなるので千葉からの移動距離を考えると日帰りだと出発時間をだいぶ前にシフトする必要があるだろう。しかし、所要時間は3時間とか、反対側は2時間とかぐらいなので、塩那道路の時のように気張る必要ななさそうだ。

帰りは翌1時半になってしまった。現地を19時過ぎに出発して、途中何回か休憩を入れたせいもあるがこれほどかかるとは。やはり南会津は遠い。