ギミ受験登録 なんとお友達を指名する欄が! | 生物学者ママの実験的スイス生活

生物学者ママの実験的スイス生活

スイスドイツ語圏最大の都市で、仕事と子育てに奮闘中の研究者ワーママ。人生の3分の1以上をすでにスイスで過ごし、すっかり現地に同化中。
夫ともはやチビではない息子たちとの家族4人の日々の生活を、生物学者としての視点で(独断と偏見も交えつつ)考察します。

チューリヒ州でギムナジウム受験を申し込むには、州のサイトから登録手続きをする必要がある。

個人の情報を登録し、最後に6年生前半の成績表をアップロードすれば手続完了、おそらく受験料の振込用紙と受験票が送られてくるのだろう。

 

登録すべき情報の中に、日本ではありえない項目を見つけた。

一緒のクラスになりたいお友達の名前を二人まで書けるのである!

もちろん同じ学校に入学するのが大前提だし、ご希望に添えない場合もございます的なことも書いてはあるのだが、お友達を指名できるとは、なんたるお受験体制(笑)

 

その昔、同じクラスになりたい子供の希望を出すことができると話には聞いたことがあった(正直ほんまかいなと思った)のだが、本当だったのだ。

この欄を見つけたときには、おお、これが噂にきくアレか!と一人で喜んでしまった。

(本当に喜ぶべきは当人か?)

 

長年にわたる人間関係や地縁(小学校の友達はだいたい近所の子供だ)を大事にするスイスらしい発想ではあるとおもう。

もちろん、以前からの友達が一緒だとポジティブな効果もあるだろう。

しかし、どうなんだろう、学校が変わるというのは人間関係が刷新される良いチャンスのはず。

そこにまで、古い関係を持ち込む必要が本当にあるのか?

新しい友人を作りにくくなったり、溶け込めない子供が出たりはしないだろうか?

でも、ずっと続けられているということは、やはりポジティブな効果が大きいと判断されてのことか。

それとも今更やめられなくなっただけか?

 

これを見て面白いことを思い出した。

とある同僚(我々より一回り若い)の奥さんは、彼がギミに入学して最初のクラスで隣りに座ってた女の子だった。

うちのPhD学生の彼女も、ギミ時代からずっと(大学も院も)一緒の彼女である。

これはほんの一例で、スイス人のパートナーシップは非常に長い傾向があると思う。

古いタイプのスイス人はなかなか新顔に馴染んではくれないのだが、いったん仲間と認識してもらえるとずっとその関係は続く。

 

こんなところ(ギミ受験の登録)にまで国民性が反映されているのが面白い。