スイスで一番おいしいおはぎ | 生物学者ママの実験的スイス生活

生物学者ママの実験的スイス生活

スイスドイツ語圏最大の都市で、仕事と子育てに奮闘中の研究者ワーママ。人生の3分の1以上をすでにスイスで過ごし、すっかり現地に同化中。
夫ともはやチビではない息子たちとの家族4人の日々の生活を、生物学者としての視点で(独断と偏見も交えつつ)考察します。

うちの兄弟、おびちゃんとぶぶちゃん、二人とも誰に似たか、あんこが大好きである。

日本から荷物を送ってもらうときに、何が欲しいか聞かれたら、どらやき!と答える。

あんこが入っていて、かつ日持ちするので送れるものとなると、これしかないことを知っているのだ。

 

でも本当は、一番好きなのは、おはぎである。

特に、うちの実家の母が作る特大おはぎが大好物だ。

日本に帰って何する?と聞くかれると、必ず、おはぎを食べる!と答える。

お正月に何食べたい?と聞いても、おはぎ!と。

 

そこまでいうならというので、こちらでもなんとかおはぎを作って食べさせてやろう。

ただ、パックのあんこも便利でいいが、重量があるのでたくさん送ると高くつく。

そこで、自分で砂糖を加えて練り上げげてあんこにする、コスパの良いさらしあんをたくさん買って送ってもらった。

 

あんこ作りの作業自体はかなり簡単、砂糖と水を入れて弱火にかけつつ練り上げるだけ。

お米の方も、数分ホームベーカリーの捏ねプログラムで半殺しに。

半殺しとは物騒な表現だが、関西では半殺しというのは粒がまだ半分残った状態の餅のことで、おはぎにはこれをつかう。

 

その半殺しの餅米と、練り上げたあんこを組み合わせて子供たちに出してやったところ、、、

ぶぶちゃんの第一声は

「おばあちゃんのおはぎのほうが美味しい…」

 

なんと、これは聞き捨てならないことを!

ただならぬ状況を察して、ぶぶちゃんを隣から睨み付けるおびちゃん。

その目が、余計なこと言うやつ!と言っている。

 

そりゃあおばあちゃんが使っているのは日本産の餅米に、和菓子屋から分けてもらっているプロ仕様のあんこ。

カリフォルニア産の餅米に私が作った練り餡とは、使っている材料から違うのだから、仕方ないだろう。

 

「…ぶぶちゃん、きみ、そういうこと言うと、二度とマミにおはぎを作ってもらえなくなるよ…」

と脅かすと、しばらく考えた挙句にこう言った。

 

「このおはぎ、スイスで一番美味しい!」

 

スイス限定!? なんか微妙だけど、まあいいか。