学校閉鎖の効果、日本の感染症対策専門家会議の岡部信彦さんのインタビューが素晴らしい | 生物学者ママの実験的スイス生活

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スイスドイツ語圏最大の都市で、仕事と子育てに奮闘中の研究者ワーママ。人生の3分の1以上をすでにスイスで過ごし、すっかり現地に同化中。
夫ともはやチビではない息子たちとの家族4人の日々の生活を、生物学者としての視点で(独断と偏見も交えつつ)考察します。

今週に入り日本に次いで大半のEU諸国とスイスの学校も閉鎖になった。

イースター休暇と春休みまで合わせて、6週間もの休校である。

 

また、ついにヨーロッパから日本への帰国時にも検査と14日間の自宅観察が必要とされるようになった。

今週に入ってからは日本での感染者数の伸びが明らかに鈍化し始めているので、おそらく、日本側では収束に入ったとみているためだろう。

ヨーロッパの患者数は伸びる一方である。

 

ただ、私は当初から学校の閉鎖には疑問を持っていた。

結果として、閉鎖したあたりから感染拡大が鈍化し始めたのは確かではあるが、そこまでする必要はあったのだろうか?

子供は新型コロナウィルスに感染してもほとんど症状がないようだし、これまでの死亡率も限りなくゼロに近い。

しかし、症状が出ないだけに、知らないうちにウィルスの媒介をしてしまうというリスクはある。

 

ただし、日本では学校閉鎖と同時に多数の企業が自宅勤務に切り替えたというのは事実で、子供が家にいるから大人も自宅勤務せざるを得ない、という方便を社会に与えたという意味では効果があったのではと私は思っている。

子供はいつも通り学校に行き大人は自宅勤務、という体制が日本では取りようがなかったので、子供達は巻き添えを食う形で学校を休まされた(教育の機会を逃している)というのが私のうがった解釈である。

 

そう思っていたところ、日本の感染症対策専門家会議の岡部信彦さんの素晴らしいインタビュー記事を見つけた。

ダイヤモンドオンラインの記事

学校の閉鎖についての意見もその通りだと思う。

しかし、閉鎖措置に際して政府から専門家会議に全く何の諮問もなかったというのには驚いた。

専門家の助言なしで対策しようとしていたとは、何のための専門家会議なのか。

結果的に収束に向かってはいるものの、もっと経済に打撃の少ない道も探れたのではないかと、今更ではあるが感じる。

 

スイスは一足飛びに、学校閉鎖の上、不急不要の店舗も閉鎖、大人の自宅勤務要請、さらに外出禁止令まで出るかもしれないという騒ぎになっている。

EUと足並みをそろえざるを得ないというのもわかるが、少々騒ぎすぎだろうと辟易している。