この記事は,「JYJジュンス ソロコンinソウル 参戦レポート
」の<番外編>
です。どうぞ,併せてお読みください。
上記のレポで,
>記事には詳しく書かなかったのですが,韓国ライブのスタンディング席は
>本当に過酷でした。
>冗談抜きで,ジュンスに会うのも命がけだと思いました。
と書きました。
そこでこの記事では,スタンディング席の様子だけを,できるだけ生々しくお伝えして参ります。
1,スタンディング席入場前
ライブ会場のアリーナ席には座席がなく,全てスタンディング席になっています。
Tの字に作られたステージを中心に,「田」の形に4つに区切られていました。
チケットには区域ごとに通し番号が打ってあり,番号の早い順に入場できることになっています。
入場前,会場の外に並んでいる時に係員の方が,何とな~く番号どおりに並ぶように整理してくれていましたが,かなりアバウトでした。
基本的にはペン同士でお互いのチケットを見せ合い,「もっと前ですよ」などと教え合って,だいたいの番号順に並びました。
2,スタンディング席入場後
会場に入ると,ステージの前に,何もないただの広い空間がありました。
どうやらここがスタンディング席のスペースのようです。
入場するとすぐに,みんなステージ近くの前の方に進んで行って,それぞれに立ち位置を決めていきました。
私は比較的番号が若かったこともあり,ステージの中央まで3m位の,かなり良いポジションに立つことが出来ました。
ここならジュンスの汗まで見えそうです。期待感が高まります。
私が立ち位置を決めた後に,続々後ろの列の方々が入場してきました。
そして,ガラガラだったスペースがどんどん人で埋まっていきました。
当然ですが,みんなできるだけジュンスを近くで見たいので,どんどん後ろに人が詰めてきます。
そして,後ろから,横からぎゅうぎゅう押してくるのです。
あっという間に朝のラッシュの満員電車状態になりました。
私は,狭いと思ったけれど,少しでも近くでジュンスを見たかったので,頑張ってその位置をキープしていました。
時々後ろから強くギューッと押されて,何百人ものペンが将棋倒しになりそうになります。
そのたびに,会場全体に
「ギャアア―――ーーーーーー!!!!!」
という悲鳴が響きますが,係員もおらず,誰もその状態を制止しません。
日本人のペンがあちこちで,
「これ以上押さないで。」
「何人に足を踏まれたか,もう分からない・・・・。」
などと悲痛な声を上げているのが聞こえてきました。
入場が始まってから15分ほど過ぎた頃でしょうか。
この頃になると,日本人ペンのご婦人方(60代?)は早々に諦めたようで,後ろの方に続々下がっていかれました。
といっても,あまりにもぎゅうぎゅうづめなので,まったく今の場所から進むことも下がることもできない状態でした。
そこで,周りの日本人ペンが,
「出させてください!」
「通してあげてください!」
と声を上げて,ご婦人方を守って通してあげていました。
さて,入場してからおよそ40分の間,私は完全に押しつぶされて,カバンから手を放してもそれが床に落ちないぐらいに周りの人と密着している状態が続いていました。
とても息苦しく,汗びっしょりで,意識が朦朧としているのを感じました。
まだライブが始まっていなくてもこの状態なのに,もしもライブが始まってジュンスが登場したら一体どうなるのだろう??
想像しただけでも恐ろしく,もうここにいるのは限界だと感じました。
それと同時に,折角よいポジションに立てたのに,ここを移動したらジュンスを近くで見られなくなってしまう,それは嫌だという思いも強くありました。
2つの気持ちが行ったり来たりしていました。
けれど,移動する以前に,既に身体の向きを変える事すらできないくらい,周りの人々と密着していたのです。
全く身動きの取れない状態でした。
今からここを脱出するのは,もう不可能だと思いました。
そんな時,また何度目かの「将棋倒しの波」がやってきました。
ますますグーッと押しつぶされました。
そして内臓を強く圧迫されました。
この瞬間,私の中で何かがキレました。
本能的に
「ここにこのままいたら私は死ぬ。圧死する。」
と強く思いました。
「死にたくない!!行かせてください!죄송합니다!(すいません!)」
と叫び,これが火事場の馬鹿力というやつでなのしょうか,自分でも驚くほどの力でグイグイと後ろに下がっていきました。
そして私の必死の形相が周りに伝わったのか,なんとか後ろの方まで下がることが出来ました。
といっても,この距離おそらくわずか数メートルだと思います。
数分前まで「ここから移動するのはもう不可能」と思っていたのに,死を意識した途端にこの力強さです。
「生きたい。死にたくない」という人間の本能は,本当に凄い力を発揮するものだと思いました。
この「人間異常密着危険地帯」を抜けると,
「こっちですよ!」
と日本人ペンの方が手を引っ張って安全なところに案内してくれました。そこには,人が普通に立てる空間がありました。呼吸できる空気がありました。
その時の私はパニック発作のような状態だったと思います。
息が荒く,汗びっしょりで足も手もガタガタ震えが止まりませんでした。
顔も相当青ざめていたと思います。
物理的に圧迫されて苦しかったことに加えて,死ぬかもしれないと思った恐怖心の強さから,しばらくこの状態が続きました。
そんな状態の私を,助けてくれた日本人の方が
「大丈夫ですか?」
「お水飲みますか?」
などと言って励ましてくれました。
その隣で韓国人の女の子が応援うちわであおいで涼しくしてくれました。
本当にこの時に助けてくれた皆さんには心から感謝しています。私の命の恩人です。本当にどうもありがとうございました。
結局,人間同士が異常に密着して「地獄絵図」状態になっているのは,私が居たステージに近いある一部の場所だけだったようです。
それ以外のところは,勿論狭いけれど,とりあえず普通に立つことができるくらいのスペースがありました。
こうして周りの方々のおかげで元気を取り戻した私は,やっとジュンスを迎える心の準備が出来ました。
この時,開演10分前くらいでした。
ここから,ライブレポ
につながります。↓
3,おわりに
入場前に,会場の外に救急車が止まっていることには気づいていました。
その時は,「けが人でも出たのかな?大丈夫かな?」と思っていたのです。
ところが帰国後に,ニュースサイトで,「ジュンスソロコンで失神者が続出したため,2日目の公演では救急車を増やした。」という記事を読みました。
ここで初めて,なぜ救急車が止まっていたのかが分かったのです。
失神したペンたちは,ジュンス素敵さのあまりに倒れてしまったのではないと思います。
ここまで散々書いてきた通り,現実的には,あのスタンディング席の地獄絵図の中に取り込まれて,物理的に圧迫されたから失神してしまったのだと思います。
あの尋常じゃない空間を体験した者の一人として,ここは断言しておきます。
ライブの運営側は,救急車を待機させておく前に,警備員を増やすとか,スタンディング席の立ち位置をもっと細かく割り振るとか,入場者を減らすとか,とにかくペンが危険な目に合わない様に,何らかの対策を講ずる必要があると思います。
安全なライブ運営がなされるよう,今後の改善を強く望みます。
・・・と,このようにライブ開演前に最悪の体験をしたにもかかわらず。
ジュンスのステージがあまりにも素晴らしかったので,最高の思い出に上書き保存されてしまいました。
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もう、ホント大変だったので、私のような苦しい思いを他の方に味わってほしくないのです。
私の経験がこれからスタンディング席でライブに参戦される方にとって、少しでも助けになれば嬉しいです。