銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件

 

 

なかなか独創的な作品でした。

ふと思いだすと

考えてる。

 

ある日、

銀行に強盗が入ってきた。

そこに たまたま居合わせた13人

 

今、この時、持っているものの中から

一番思い入れのあるものを差し出せと

強盗から命じられ

13人はそれぞれに手渡していった。

 

「私は あなた達の魂の51%を手にした。

それにより あなた達の身に奇妙な出来事が起きる。自ら魂の51%を回復しない限り、命を落とすことになるだろう」

強盗はそう告げて去っていった。

 

この日を境に

13人それぞれに起こる

様々な出来事、不思議な現象

 

ここからは

若干、ネタばれになってしまう

感想なのですが

 

 

花總まりさんが演じたステイシーは日ごとに身長が縮んでいってしまう。

戸惑う日々のなか、被害者同士で集う機会を持ち、それぞれに起こった出来事が打ち明けられていく。

 

谷原章介さん演じる”僕”はステイシーの夫として登場するが、あくまでもステイシーから聞いた出来事を語りかけていき、それらが舞台上で再現されていくという流れ、いわゆるストーリーテラー的な役割で、僕自身の個人的な苦悩や戸惑いが掘り下げられる場面はほぼなかったと思う。だけど、物語の中に”僕”は独特のバランスを保ちながら存在していた。日々進む状況と平行に過ごしている、見捨てない、一緒に生きている人、そうやって過ごしてきたなかで迫りくるラスト。

 

13人それぞれに降りかかる出来事には それぞれの結果が待っていて、それらがお芝居やダンスなどで表現されていくオムニバスな展開でした。

 

映像表現はイメージの後押しで、あくまでも人間的表現から受け取り想像を巡らせたり感じながら自分なりに捉えていく作品なのではないかと。

 

取り戻したい。

 

焦りや、戸惑い

依存、喪失

執着、解放。

 

あるがままを受け入れる

というの言葉で片付けていいのか

分からない。

自分を見失わないこと。

とはいえ、独りよがりだったり


非情にも結末はそれぞれに訪れる。

みんながそう上手くはいかず。

 

物語の渦の中に飛び込んでみるか

流れを眺めるだけで終わるか

深読みして溺れるか

 

それぞれの展開のなかに

気が付いたら

自分自身を

映し合わせるような感覚も…。

 

そこはかとなく漂う違和感

なんとなく

よくよく考えたら

えぐかったり。

 

もしかしたら、

何かが

引っかかったり

刺さったりするかも

 

はたまた

何も感じないかも。

 

という具合に

受け取り方が様々ある

構成だったと思います。

 

やっぱり、相手への関心と

気持ちに沿うこと

情報収集とコミュニケーションって

大事なんだなぁと

見終わったときは思いました。

 

それから、

改めて物語の概要をつかみたくて

公演パンフレットを読み込んで

自分が感じたことと

答え合わせしました。



自分にもし、

こういうことが降りかかったら

何を差し出し、どう受け止めて

乗り換えられるか?

乗り越えられず自滅しそう泣き笑い

そんなことを考えたり。

 

 

 

ホームページには

花總まりの歌唱にも注目!

と謳ってあるので

気になってましたが

だんだん見ながら

歌唱をはめこむ場面が思いつかず

何か唐突に歌いだすのかと

ドキドキ待ちましたが

そうじゃなくて(;^ω^)

歌というか、なんというか

ネタバレになっちゃうから

言えないけど、

その場面の心情と響きあう音色

声で表現した音というか

そういうイメージですかね。

 

独特の世界観といえば

ステイシーと僕には息子がいるのですが

その存在を表現する手法に

初めはギョッとしたんですけど

ふと、目に飛び込んできた👀

花ちゃんステイシーの

息子をみつめる表情が

ほんとに役に なりきってて…。

びっくりしたし

ジーーンときちゃった。

母親としての温かな視線が温かくて。


なんだか、だんだん

もろもろ ひっくるめて

受け入れて見続けることが出来ました。

 

ぐるぐる思いを巡らせられた。

そういうのが面白くもあり

刺激的な時間でした。

 

 

田代万里生さんのブログでも紹介のあった通り、楢木和也さん!!存在感があり表現力豊か。楢木さんが演じる場面からさらに物語の世界へと引き込まれていきました。

 

 

人の数だけ世界がある。

俯瞰して見ていられたかと思えば、ゾッとしたり、吸い込まれそうなになったり、ゆらゆらと漂いながら見ていると同時に、いやおうなしに迫りくるステイシーの期限。彼女はどうなるの!?と。関心がそそがれていった。

 

 

花總まり  谷原章介
平埜生成  入山法子  栗原英雄
中山祐一朗  吉本菜穂子  幸田尚子 

楢木和也  西山友貴  吉﨑裕哉 

山口将太朗  山根海音 

黒田勇  須﨑汐理

 

東京公演は終わりましたが
これから大阪と名古屋に続きます。