映画「みとりし」映画

 

 

白羽弥仁 監督 カチンコ

 

 

榎木孝明 村上穂乃佳

高崎翔太 斉藤暁

大方斐紗子 堀田眞三 片桐夕子

石濱朗  仁科貴 みかん 西沢仁太

杉本有美 松永渚 大地泰仁

白石糸 川下大洋 河合美智子

つみきみほ 金山一彦 宇梶剛士

藤重政孝 櫻井淳子

 

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「看取り士」

 

誰にでも訪れる「死」

 

その旅立ちの時を心穏やかに

安心して迎えられるよう寄り添い

命のバトンを繋げていけるよう

サポートする専門職

 

一般社団法人「日本看取り士会

代表理事・柴田久美子さんの経験を原案に、主演・榎木孝明さんが企画から携わり映画化された作品です

 

 

定年間際のビジネスマン

柴久生は娘を交通事故で亡くし、自らの命も絶とうとした、その瞬間、彼の耳に聞こえたメッセージ

「生きろ」

それは友人・川島の最期の声だと、川島の看取りを担当した「看取り士」の言葉から気付かさせられる

それから5年後、岡山県・備中高梁で看取り士になりセカンドライフを送る柴の元に、新人・看取り士・高村みのりが赴任してくる

 

「黙って聞いて

優しく触れて

気持ちを受け取る」

 

命をバトンを渡せたのか

 

最期の時を迎える人びとを

支えながら、共に生きる

かけがえのない時…。

 

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有楽町スバル座

⇒ ホームページ

10月4日まで上映中です

 

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映画が始まる前に”映画の場面で車椅子を押したり等、介護的な表現がありますが、それらは映画としての演出であり、実際の業務として行われるものではない”との説明がながれます。

 

では、どんな仕事なんだろう?と思った

 

人を看取るという究極のプライベートゾーンに踏み込むお仕事ということで、どんなことが出来て、どんなふうに携わるのか

 

でも、この映画は「看取り士」という職業の詳細を取材したドキュメンタリーではない

 

見終わった時には"職業"としての成り立ちが理解しきれなくて、その後、帰りの電車では、ひたすら「看取り士」について調べる時間になりました。

いくつか読んだ紹介記事のなかで↓

臨終に立ち会う「看取り士」という仕事

 

結局のところ

人の数だけ「死」の迎え方があり

どう看取るのか

答えはないのかもしれません

 

この映画で描かれるのは、尊い命

「死」を受け入れる境地、それが、その人にとっても周りの人にとっても、豊かで穏やかなものであるようにサポートしていくこと

 

映画のなかの主役は榎木孝明さん演じる柴久生です。人びとの死に寄り添うと同時に、若者達の成長を見守る、穏やかな佇まいが胸に染み入りました.

 

村上穂乃佳さん演じる新人・看取り士・高村みのりの成長と人生との向き合い方も描かれており、村上さんの自然な演技がとても良かった。みのりが行く先々で”聞いて、触れて、感じる”ことのリアルさ、その温かみや痛み戸惑い、乗り越えて進んでいく強さがジワジワと伝わってきました。

 

また、後半の物語を大きく動かしていく、櫻井淳子さん演じる母親の演技が涙なしでは見られないほどの熱演で苦しかったけど素晴らしかった。

 

櫻井さんの演技の上手さと村上さんの自然な演技が好対照に展開していき そこに芽生える尊さがとても良かったです。

 

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映画の中では看取りに関わることで生じる問題がスポット的に描かれていましたが、実際には とてもプライベートに接することなので、色んなことを含めての接点になるだろうし、死ぬのは一人だけど、その周囲には幾重にも関わる人がいて、その人ぞれぞれの関わり方や思いもあるから、なかなか大変なことだろうなと想像する。

 

私の母親も「家に帰りたい」と願い、余命宣告を受けたあとに家で過ごす時間を作りましたが、床から上がるのも大変になってくるわけで、結局は病院へとなってしまいました。私は子供としての関わりだったけど、夫として、親として、兄弟として、などなど、思いが重なりうずめきあうわけで、なかなか思うようにいきませんよね。また、体調も一刻一刻と変動してとても平静にとはいきませんし。とても苦しくてどうししようもない無力感におそわれます。一番辛いのは本人なのに。

 

でも、もしあの時に「看取り士」を知っていたら、一つの選択肢として穏やかにその時を迎えることもできたかもしれませんね。しかし、もう随分前のことで、死=悲しみの感情が先行して、その人の人生を見送ること、その人に見合った環境がなんであるか気持ちに寄り添い、穏やかに見送るという、そういった発想まで考えが十分に及びませんでした。

 

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看取り士は余命宣告を受けてから納棺までの看取りをサポートする仕事

 

実際には余命宣告を受けるまでの月日も大変だから、その何年も前から不調の序章があり、その都度思いがけない感情の衝突とか、いろんなことを経て、その先に辿り着く時期なので、精神的に尊重し合える関係でないとなかなかこのサポートに思いが及ばないかもしれませんね。

 

看取り士。その存在を知れば利用してみようと思うかもしれないけど、知られてないから、なかなか。

医療機関と提携して、選択肢の一つとして広まっていけばよいな

 

見終わった後はグルグルと整理のつかない感情が渦巻いていましたが、日が経過して思い返してみると、あの穏やかで優しい光景だけが頭の中に浮かび上がってくる

 

それは映画のなかに広がる

長い長い「無音」

 

厳かにその時を迎える

静かな空間に響き渡るのは

呼吸の音だけ

 

一人一人の その時を

固唾をのむように見届けた

あの瞬間が脳裏に浮かぶ

 

「聞いて、触れて、受け取る」

 

生きること、死ぬことに向き合い

その人を慈しみ大切に思うことって

なんだろう

 

ただただシンプルに感じ思う

 

心が解きほぐされていきます

 

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映画「みとりし」

有楽町スバル座

10月4日まで上映中

 

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そして、数々の名画を上映してきた

有楽町スバル座は

10月20日に閉館する事になりました

 

「スバル座の輝き~メモリアル上映~」

10月5日(土)~10月20日(日)

16日間開催されます。是非映画

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