日生劇場でミュージカル「COME FROM AWAY」を見てきました!

大惨事となった911同時多発テロの裏で本当に起こった実話を基に作られた作品。ブロードウェイで舞台かされ、世界広まった作品です。事件当日、合計38つの異なる国から来た飛行機が、カナダにあるガンダーという1つの小さな町に着陸。行き先を失った総数7000人の乗客をガンダー町民総出で迎え入れて世話したという実話を再現しています。

海外で見て感動し、リピートしたんですよね~。私がこの作品を見た国って、観客が割とクールというか、何度もカーテンコールを求めるようなこともなく、たいていどんな作品もあっさり終わってみんなさっさと帰るのですが、この作品はエンディングにみな総立ちになるほどで…。

「他者への寛容」がテーマだと思いますが、オリジナルの風合いを損なうことなく日本版として成立していました。12人のキャストが100近くの役を演じ分けるのですが、だいたい皆クリアできていたような。声色とか上着の変化、帽子の着用とかで役の差別化を図るんです。ちなみに12人の1人は私の遠縁の俳優さん。といっても付き合いはないのですがwww。

この作品、日本でもやればいいのに、とかねて思っていたのですが、12人が基本的にアンサンブル扱いで、明確なプリンシパルは存在せず。ステージセットは簡素で、盆こそ回れど、基本的に椅子の配列の変化で場面が変わっていく極めて地味な構成でスペクタクル要素皆無ww。濱田めぐみ演じる女性機長だけ目立ったソロがありますが、ほかはちょっとしたデュエットとコーラス主体で、キャストは基本的に実力派ぞろいでありながらそれぞれのファンもストレスだろうなーと思うと、かなり異色のミュージカル。なんだかんだスペクタクルなものが好まれ、出演者に序列がをつけるのが好きな日本での上演は難しいのかも、と思いましたが、この作品、ホリプロがめざとく見つけてましたwww。

タカラヅカOGからは安蘭けい、柚希礼音、咲妃みゆの3人が出ていましたが、みんなよくやっていました。ちなみに全キャスト中、ゆうみ(咲妃)が最年少で、あとは森公美子氏に至るまで中堅、ベテランぞろい。とにかくセリフにもテンポが求められるし、誰かがちょっとでもセリフをミスったり、椅子の配置(キャストが自分たちでやる)を間違えたりすると大変なことになってしまい、ものすごく緊張感がある作品なのですが、稽古にすさまじく時間をかけた甲斐もあってか、破綻なく進行していました。しかし、トウコ(安蘭)、ちえ(柚希)、ゆうみ、それぞれ本当によく、彼女らを知らない人たちにも「タカラヅカの人、さすが!」と思ってもらえたんじゃないかな。特
にゆうみは「タカラヅカの娘役」の呪縛から完全に解き放たれた感。

客の反応も上々でした。私が見た回には、森公美子、吉原光夫、柚希礼音のアフタートークショーが。2045に終演して、そこからトークショーかよ!!となりましたが、結構良かったwww。原作者(脚本、音楽、作詞)の2人も交えなかなか有意義なトークをきけました。ちえって現役のころは喋ると「●ホな子」みたいな印象だったけど(汗)、ものすごくしっかりしてたwww。「チケット代、高くてなかなか繰り返し観劇も大変でしょうが…」みたいなことまで言ってて「おっ!」となりました。ほら、タカラヅカの人って「いつでも何回でも見にいらしてください!」とか言うじゃないですかwww。極めて現実的なことを言ってて感心しちゃいました。そう、このミュージカルもチケット代、高いんですよね~。スペクタクル要素は何一つないのに…。ネットニュースでホリプロのプロデューサーがこの件に言及していたけど、やはり問題ですね。私が海外赴任していたころは、チケット代、日本円換算で1万円以上払ったことってあまりない記憶なのですが。吉原光夫は劇団四季時代、ものすごくとがっていた印象なのですが、彼も丸くなったというか、いい感じで大人になったなーと思いました。妻はタカラヅカOGの和音美桜ですよね。

「リピートチケット300円引き!」というチラシをもらい、「ふざけてんの??」とイラッとしましたが、数回じっくり見たい作品ではあります。ただ、派手なモノ好きなタカラヅカファンにはあまり響かないかもしれませんねwww。