昨日は花組次回大劇場公演「巡礼の年~リスト・フェレンツ、魂の彷徨~」の集合日だったようで、4人の退団が発表に。

飛龍つかさ
若草萌香
音くり寿
芹尚英

VISAガールの3番手、永久輝せあが東上主演を済ませたこともあり、現状、永久輝の上にいながら前回2番手羽根を背負えなかった水美舞斗の退団があるのかもと覚悟しつつそれはなく、下級生の飛龍、音が退団…。

飛龍、音の2人ってWMT(割とマジでトップ狙い)だったと思うんですよね~。少なくとも音くりは「はいからさんが通る」時に出演した「カフェブレイク」で今後やりたい役を聞かれ、堂々と「エリザベートです」などと答えていたわけで…。

現状2人とも、特に音くりは娘2格の美味しい別格スターとして活躍中で、少なくともしばらくはその方向で活躍できたと思いますが、目指していた(であろう)トップの目が完全になくなり、別格で居続けることをよしとしなかった、ってことですかね。

音くりについては、新人公演ヒロインが1回、東上Wヒロインが1回、東上単独ヒロインが1回と、娘1への最低限のカードは所有。ただ、彼女が合う路線男役が皆無なのが大きかったかな…。現花組トップ・柚香光とは歌介護ができて、ダンスもついて行けるにしても、柚香の相手役というイメージはわかないですよね。って個人的にはそもそも音くりが娘1という感じは正直全くしませんでした…。

彼女は100期の娘役首席ですが、仙名彩世退団後、娘1に抜擢されたのは同期の華優希。お顔の可愛らしさと作品にハマった時の演技力は強みでしたが、歌、ダンスはからっきし。劣等生同期の抜擢に心中穏やかじゃなかったと察します。2期下の首席、舞空瞳の台頭もストレスだったんじゃないですかねー。

舞空異動、華退団後は、娘1に同期、中卒同い年の星風まどかが宙組から乗り込んで来て、これまた音くりには耐え難かったのではないかと。それもあったのか、華が娘1になったぐらいから、「真ん中を食う」ような芸風が強まったように感じるのは気のせいか。音くりさん、個人的には気の強さが垣間見えすぎるところがどうにも…。「娘役は純情可憐で」とまでは思わないし、そもそも娘1なんて気が強くないと務まらないものとはいえ、あんまり強さが見えすぎるのもねぇ…。やはりタカラヅカの娘役らしさにかなり欠けていた印象。本人はあえて吹っ切っていたのかもですけどね。かつて別箱公演「MY HERO」でヒロインを分け合ったビミョー路線の上級生、朝月希和が娘1になったことも面白くなかったかも。

音くりには退団後、ミュージカルでの活躍を期待する声が多いようですが、であるならば、和音美桜みたいになれるかどうか見もの。ビジュアルに難癖付けられがちだったとこや、勝ち気な感じとかタイプ似てますよね。

飛龍は下級生時代は何だか随分野暮ったく(失礼!)、路線は厳しいかなーという印象でしたが、珍作「邪馬台国の風」の新人公演に主演したあたりから随分垢抜けて、シュッとしましたよね。真ん中付近の歌唱力の弱い花組にあっては歌える中堅で、それこそ羽立光来、和海しょうの94期コンビがいなくなるようなことがあれば、ますます歌手として、さらには「性格俳優」型男役として重用されそうだったのに、あっさり見切りつけちゃった感じですよね。2期下の聖乃あすかにさっくり抜かれちゃったし…。やっぱり新公1回主演で大成するのは難しい感じですね。

誰かが抜ければその穴を誰かが埋めて続いてきたタカラヅカ。芸達者な彼女たちが去った後、誰がのしてくるか楽しみでもあります。