前花組トップ・明日海りおのコンサートが始まったようですね。ネットに落ちてたセットリストを見てビックリ!なんとまあJPOP祭り!!

「タカラジェンヌにJPOPを歌わせない会」の会長を自称する私ですが、明日海さんはもうジェンヌじゃないのでお好きにしたらいいと思うんです。とはいえ、これだけJPOPで畳みかけるのには驚きを禁じ得ず。なんつーか「私のカラオケの定番、十八番を集めました!」みたいな選曲ですよね…。タカラヅカの元トップの初コンサートなんだからもっとミュージカル曲とか映画音楽とか歌うと思っていたのですが、それらはこれまで舞台で歌ったものを中心にほんの数曲だけ。選曲が本人の意向を反映したものであろうことを思えば、明日海さんって、実はあんまりミュージカルとか興味ない人なのかもしれませんね。あったとしてもタカラヅカのフィルターのかかった作品限定、みたいな。退団後に出演した舞台が「ポーの一族」の再演と、男役?も演じた「マドモアゼル・モーツァルト」というラインアップであることを鑑みると、合点がいく感じ。今回のセトリ、あくまでJPOPでゴリゴリに固めて他のジャンルに積極的に挑戦する感じでもないところを見ると、そもそも音楽への関心が薄いタイプなのかも。

そこへいくと前雪組トップの望海風斗は実に対照的。ファーストコンサートでは、ミュージカルソングや映画音楽をバンバン入れて来た上にジャズにもトライ。JPOPもあったけど、最小限、みたいな。さすがに歌で鳴らしたトップだけに、音楽を突き詰めようという姿勢が見て取れます。ゲストにラミン・カリムルーを迎えるところからしてそうですよね。


私、実はラミンの来日コンサートを見ているのですが、感動しました。オペラ座の怪人25周年記念公演で世界のミュージカルファンにつとに知られるようになった彼ですが、私もDVDを見て、「こんなすごいミュージカル俳優がいるんだ…」と驚いたのが懐かしい…。ただ来日コンサート、客席ガラガラだったんですよね…。明日海さんのコンサート会場でもある東京国際フォーラムのホールAだったのですが、平日に5000人集客できるのって、日本人アーティトでも限られますからね…。さすがに人気者の明日海さんはハナからその心配はないんでしょうけど。ミュージカルファンの裾野が広がり始めた時期だったとはいえ、ラミンにホールAを埋めるだけの集客力はなかった、という…。ちょいちょいミュージカルにも出てる某日本人女性シンガーがゲストだったのですが、彼女も動員力全くなし…。ラミンのパフォーマンスは素晴らしいのに、客席が淋しすぎて残念な公演でした…。

そんなラミンを迎えた望海さんには並々ならぬ覚悟を感じました。下手したら食われる可能性もあり、自身に高いハードルを課すわけですからね。逆に「食われてなるものか」という自負もあったのでしょう。そこへ行くと、明日海さんのゲストは前月組トップ・珠城りょう…。なんつーかすごいギャップ…w。音楽を突き詰めようという気概は感じられませんが、これはこれで賢くマウント取ったな、という印象。格下のお友達をゲストにすることで、自身のパフォーマンスが霞む心配は全くないわけで、「再出発する下級生に手を貸す温かい上級生」と好感度アップまで期待できてしまうという…。それこそ明日海さんが望海さんをゲストに迎えたりしたら、食われる可能性があるし、元相手役の仙名彩世を呼べば「華(優希)ちゃんとも共演したのに花乃(まりあ))ちゃんは?」みたいな面倒くさい事態になることも…。そういう点からも珠城さんっていうのは最も当たり障りのないゲストで、絶妙と言わざるを得ない。さすが計算できる人ですよね、明日海さん。

それぞれファーストコンサートながら実に対照的。音楽との関わり、今後の方向性、などなどいろいろなことを占える感じで、興味深いです。