もはや旧聞に属しますが、来年のカレンダーの掲載月が発表されましたね。トップらスターの去就が相当程度占えるため毎年注目のこの発表。とりあえず雪組トップの望海風斗は来年2作目で退団なのでしょう、相手役の真彩希帆とともに。一方宙組トップの真風涼帆の来年の退団はなし。大劇場1作ですしね。

で、何より目を引いたのが月組トップ珠城りょうのスターカレンダーの掲載月が12月だったこと。先日、月組別格スター・鳳月杏の東上初主演が発表され、月城かなとの「2番手東上」に事実上蓋をしたことから、「たまきち(珠城)の任期は最低8作」との観測が一般化しましたが、これを裏付けた形。

いや~、なんでたまきちってここまで優遇されるんですかね…。別箱「On the Town」のチケットもなかなか売れず、あげく上演が迫る大劇場公演「I am from Austria」のチケットもまだ売り切れていないぐらいなのに…。チケット売れない長期トップってありなんですかね??

立派な体躯はまさに男役向きではあるものの、歌が得意なわけでもダンスがいいわけでもない。芝居も「多少粗野で素朴な兄ちゃん」はハマってもそれ以外が…。上田久美子作・演出の意欲作(問題作?)のショー「BADDY」もあの程度か…という個人的には正直残念な出来。美弥るりかのスイートハートの方が良かった。

都会的な洒脱さもなければ、哀愁を表現できるタイプでもない。さらにコメディセンスもない。史上最も似つかわしくなかったトートを演じた「エリザベート」は、東宝版公演に向けた相手役の公開練習だったことが明らかとなった今ではむしろ「お気の毒」とも思えるけど、そもそも柄違いぶりはなんとも…。長期を張らせるだけの魅力が全く分からない。

それにもかかわらず、大劇場、別箱を問わず上演に経費がかかるとみられる海外ミュージカルをほぼ独り占めし、「作品ブースト」をかけてもらいまくり。任期初期は人気相手役、2番手にチケット売上面でも支えられ、2人がいなくなるや「お友達人事」で盟友の上級生、鳳月杏を花組から呼び戻してもらう…。ほんとなぜ彼女がこんな「ご優遇」続きなのか…。

今の月組、5組中最も不人気な組であるのは誰の目にも明らかであって、さっさと月城かなとを昇格させてフェーズを変えた方がいいと思うんですけどね…。長期休演の原因となった怪我の予後は心配だけど、芝居と歌はたまきちより上。「エリザベート」のルキーニで殻を破り、代役フランツで「静」もいけることを証明。雪組時代の「星逢一夜」の新人公演主演、バウ初主演の「銀二貫」で日本物の良さも証明済みだし、何より美貌を生かした耽美系も見てみたい。歌ウマとまでは言えないのかもしれないけれど、いつもピッチの低いたまきち歌唱よりはずっとよい。

「I am from Austria」後の最低2作、劇団はたまきちにどんなご優遇をあてがうのか、全くもって見ものです。



↓↓ポチッとしていただけたらうれしいです!