「特別出演」とは、テレビや映画の世界では「主役を演じるクラスの大物俳優が、主演以外の役、あるいは端役で出る場合」を指すそう。

タカラヅカで「特別出演」といえば、まず思いつくのが組に属さない専科生の各組への出演。あとは80周年記念公演・雪組の「風と共に去りぬ~スカーレット編~」のように、レット・バトラー役で当時の他組の2番手が交代で出演したケースや、100周年記念公演・月組「TAKARAZUKA 花詩集100」に他組のトップコンビが出演したケースが思い出されます。うんと丸めて言うと、タカラヅカでは「一定以上の大物スターが組の垣根を越えて出演する」時に「特別出演」という呼称を使うと理解していました。

が、みなさんお気づきの通り、この「特別出演」がこのところ乱発されてますよね。しかもこの定義と外れた形で。

まず「?」と思ったのが、花組バウホール公演「Dream On!」に水美舞斗が「特別出演」すると発表された時。スターとはいえ、正式な番手もないマイティー(水美)が自組の公演に出演するのに「特別出演」っておかしくないか?と。でもよく考えてみたら、この公演はマイティーより学年が下の生徒(綺城ひか理、飛龍つかさ)主演で、本来スターシステム上格上のマイティーが出ることはあり得ない公演ですよね。そう思うと、芸能界での「特別出演」が定義する「大物俳優が主演以外の役で出る」に近い意味だろうということでまぁ納得できないこともない。

が、さらに驚いたのが明日海りお主演の「恋スルARENA」に続々と「特別出演」が発表されたこと。なんてことはない、同時期の他の公演に出ている組子が公演がかぶらない日に自組の他公演に駆け付ける、というだけの話なのに、事実上、賑やかし要員でしかないであろう研1生まで含めて「特別出演」ってねぇ…。猛烈に違和感…。公演時点で月組に里帰りしている鳳月杏に関しては「組をまたぐ」という意味で「特別出演」とするのは分からないでもないけど。「特別出演者は、一部の場面のみの出演となります」と断りを付けているんだから、せめて組子については「部分出演」の呼称で良かったのではないかと思う。その方が実体に即して誤解がない。これだと必要のないものに無駄に箔を付けているような感じが否めず。何が特別だよ!と思ってしまう。

そもそもこのARENA公演、明日海りおと新相手役の華優希+少数精鋭メンバーで乗り切ります!というのなら格好いいけど、結局無理やり組子のほとんどを集めて有象無象感が…。「お誕生会するのに大きすぎる会場予約しちゃった!」的な公演でもありますが、これは劇団、みりお(明日海)のスポンサー、ファンが威信をかけて動員するんでしょうし、実際のところ何とかなるんだろうと思います。でもその暁にまたイタすぎるファンが「みりおちゃんはタカラヅカの歴史に新しいページを刻みました!!」とか言い出すのが既に目に見えていて萎え…。

ともあれ本来、プレミア感を伴ってしかるべき「特別出演」を安売りしてほしくないと思うのは私だけでしょうか。

そして今日明日あたり、みりおファンによる思わせぶりなタイトルつけての「限定記事」が増えそうな予感www。

 

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