音読による、予知能力もしくは霊能の開発
それにしても、妙な出来事だった。
半年ほど前の話、出勤のため駅のホームに経った瞬間、
それがやってきた。
”人身事故でダイヤが遅れる”
そんなヴィジョンが浮かんで、一瞬目の前がくらっと来たのだ。
実際JRのダイヤはよく乱れる。
「また、かよ」
そんな思いが、流れていった。
何気なく向かいのホームを見ると、進み始めた列車が途中で
止まっていた。
勤務先と同じ方向の快速だった。
利用するのは、普通なのでホームが違っている。
やがて列車が入り、乗り込んだところで、アナウンスが流れた。
‘ただいま停止信号が出ています’
‘**駅付近で、線路内に人が立ち入った形跡があります’
‘安全確認を行っておりますので、しばらくお待ちください’
毎度おなじみ、人身事故であった。
脱線事故以来、JR西日本のアナウンスは巧妙になった。
いかにして、何でもないように見せかけるか。
アナウンスからは、ほとんど事実関係を読み取らせない
工夫をしているのだ。
お陰でどれくらい遅れるのか、まるで予測がつかないのであった。
仮に飛び込みだとすると、軽く30分以上の遅れとなる。
早い場合には、どれくらいになるのか。
いつまでたっても、‘しばらくお待ちください’というばかりで
詳しい情報を流さないのは、明らかに客をなめている。
動かないのならば、他の交通手段を検討するしかないのに・・・
結局列車は10分遅れで動き出した。
状況が分からないと、ずいぶん長く感じたが、遅刻にはならずに済んだ。
後で知ったことだが、**駅付近の線路上に列車に轢かれたと見られる
男性が見つかっていたらしい。
走行中の新快速の運転手が、発見したとのこと。
それにしては事故処理の早いことで、どうにも腑に落ちない
出来事であった。
前置きが長くなったが・・・
そう、これは前置きだったのだ。
あくまでも、プロローグ。
非言語的な感覚が磨かれると、不可解な出来事に出会う機会が
増えるのだ。
あの時の騒動から、記憶が蘇っていった。
以前にも国道沿いを歩いているときに、不意に変性意識に入ったと
思いきや、前方から車の大破する音が聞こえてきた。
近づいてみれば、中央分離帯に車両がぶつかって、
タイヤが吹っ飛んでいた。
念力で事故を起こしているわけではないよな。
そう思いたくなるほど、変性意識状態との連動が感じられる。
ふと気づいたのが、折に触れて続けている音読であった。
肉体に振動させるように、『ヒマラヤ聖者の生活探究』を
読み上げていくのだ。
実に単純なことだが、感覚が磨かれるのを実感できる。
初めて体感したのは、23の時であった。
出口王仁三郎の『霊界物語』を音読すれば、霊衣(オーラ)が厚くなり、
霊能が開発されると聞いて実践したのだ。
毎日30分ずつで、結局三ヶ月近くで中止した。
あまりにも敏感になりすぎて、社会生活に支障がでたためである。
会う人ごとに、相手の状況を肉体で感じ取ってしまうのだ。
まさに周りに振り回される有様で、とても対策を立てる手段など
見つからなかった。
あれから早20年近く経つ。
書物は違うが、再び精神世界関連書の音読を始めたことにも
意味があるのだろう。
今となっては、がむしゃらに取り組む気力はないが、その分
応用が利くのでたっぷり楽しめそうである。