『ドラゴン・キングダム』
(2008年・アメリカ)
〈ジャンル〉アクション/アドベンチャー
★☆☆☆☆
・ジャッキー・チェンとジェット・リー、夢の共演!
・西遊記にも似たアクションアドベンチャー。
・衝撃!まさか、悟空の毛だったとは!
(オススメ値の基準)
★1つ…一度は見たい
★2つ…良作だと思う
★3つ…ぜひ人にオススメしたい
★4つ…かなりオススメ!
★5つ…人生の一本、殿堂入り
~オススメ対象外は月毎の「ざっと書き」にて紹介
〈〈以下、ネタバレ注意!!〉〉
《あらすじ》
『カンフーオタクの気弱な青年ジェイソンは馴染みの質屋で香港映画に出てくる金色の棒を見つける。ギャングに襲われた時、金色の棒に導かれたジェイソンは古代中国へ転送されてしまう。そこは悪の将軍、ジェイド将軍が支配する国だった。酔拳の達人ルー・ヤンと出会い、ジェイソンは金色の棒がジェイド将軍に石化された孫悟空の如意棒だったことを知り、二人は孫悟空解放の旅に出る。やがて出会ったサイレント・モンクも仲間に加わり、ジェイソンはカンフー修行を積んでいく。』
《監督》ロブ・ミンコフ
(「スチュアート・リトル」「ホーンテッドマンション」)
《脚本》ジョン・フスコ
(「ヤングガン」「夢を生きた男/ザ・ベーブ」)
《出演》ジャッキー・チェン、ジェット・リー、マイケル・アンガラノ、ほか
【2大アクションスターのぶつかり合い!】
最大の見所は、ジャッキー・チェンとジェット・リーという2大アクションスターの共演だろう。これに尽きる。
ジャッキー・チェン演じる酔拳のルー・ヤンがジェット・リー演じるサイレント・モンクと激闘する場面などボルテージが上がる。どちらも強い。どちらもひらりひらりと飛び回り、一瞬の隙をついて相手に攻撃を繰り出す。だが、一瞬の隙をついた攻撃も一瞬でかわされる。ガードされる。どちらも強い。
で、はっきり言ってこのシーンが最高潮だった。あとはアクションファンタジーが繰り広げられる。
軸となるストーリーがファンタジーのため、アクション映画として最高かと言われるとそうでもないかもしれない。
『チョコレート・ファイター』のように派手で驚くようなアクションはあまり無い。ワイヤーもCGも使っている。2大アクションスターの共演という所に惹かれて、「とんでもないアクションが見られるのでは!?」と期待している人には申し訳ないが、そういう映画ではないと思って良いだろう。
ハリウッドの中国系ファンタジー映画と思ってもらえれば良いのではないか。
個人的には白髪魔女二チェンを演じたリー・ビンビンの美しさに見惚れていたのだが、この女優さん、すこぶるアンチ日本らしい。
残念…。一方通行の恋心ほど切ないものがあるだろうか。
【物語に特に意味は無い】
ストーリーを簡単に表せばこんな感じである。
カンフーオタクのジェイソンは、オタクなだけで武術の心得はない。
ギャングに襲われた時に手にしていた金色の棒に導かれ、目が覚めるとそこは古代中国だった。
酔拳の達人ルー・ヤンと出会い、ジェイソンは金色の棒が如意棒であることを知る。如意棒の本当の持ち主、孫悟空は悪の将軍ジェイド将軍によって石化されてしまっていた。
孫悟空を助け、ジェイド将軍を倒すため、二人は旅に出る。旅の途中でジェイド将軍に復讐を誓うゴールデン・スパロウや、修行僧のサイレント・モンクに出会う。そして、ルー・ヤン(ジャッキー・チェン)、サイレント・モンク(ジェット・リー)という、世界でこれ以上贅沢な師匠はいないであろう二人から、カンフーや武術を教わるジェイソン。
まったく、2大アクションスターの教えを請いながら、ぶつぶつ文句を言うジェイソンは自分がどれほど贅沢者が分かっていない。
旅の一行は炎天下の砂漠を超え、ジェイド将軍の根城に向かう。
途中で将軍の部下である二チェンに襲われながらも、城にたどり着いた一行。
二チェンとの戦いで負傷したルー・ヤンを救うための特効薬を手に入れ、復活したルー・ヤンと共に一行は石化した孫悟空を解放することに成功する。
その時、戦いで傷ついたサイレント・モンクは消え、一本の毛となった。サイレント・モンクは孫悟空が石化寸前に繰り出した分身だったのだ。
復活した孫悟空は超人的な身軽さと圧倒的なパワーでジェイド将軍を追い詰める。
ゴールデン・スパロウの矢を使ってジェイソンがとどめを刺し、ついに悪将軍は倒れた。
アメリカに戻ったジェイソンはギャングたちを特訓したカンフーで懲らしめ、ゴールデン・スパロウそっくりのアジア系の女の子と出会って物語はめでたしめでたしだった。
………というわけで見終わって、特に感想はない。説教じみたメッセージもないし、激しく印象に残るシーンもない。
だが、映画とはそれで良いと思う。それでこそ娯楽だと思う。かの有名な「アラビアンナイト」には本来メッセージ性というものは無いそうだ。物語とは、えてしてそういうものなのだろう。
ただストーリーが面白く、のめり込んで最後まで楽しめることができればそれで良いのだ。
休日のゆっくりした時間、頭を空っぽにしてファンタジーを楽しみたい人にはオススメである。