大変ご無沙汰しています。
完全帰国リサイタルの案内をしてから約半年、、、
筆不精が酷すぎて反省しております。
今度こそ筆まめブログになりますようにと願います。。。笑
私事ではありますが、新年度が始まりこれまでとは生活が一変。
右も左も分からない中、この数ヶ月様々な経験をさせて頂きました。
この4月より桐朋学園大学ピアノ科非常勤講師、
また母校である東京藝術大学ピアノ科の非常勤講師として勤めさせていただいております。
前期を勤めあげた今でもこうして文字にすると、まだ信じられず、
不思議な感覚がしています。
先生方との初対面、学生たちとの初顔合わせ、初レッスン、
生徒が自分もお世話になった事のある師のレッスン受講、
生徒のコンクール参加を客席から見守り、生徒の実技試験を客席から見守り、
実技試験を朝から毎日試験官、夏期講習にて中高生の指導、、、
合間にはもちろんお声がけいただいたソロの本番や、伴奏の本番、
小中学校での初のアウトリーチ、母校での芸術鑑賞会演奏等、、、
昨日夏期講習でのレッスンを終え帰宅して一息ついていたところ、
7/29が完全帰国からちょうど丸一年ということに気がつきました。
昨年の夏頃はまだレッスンを受ける身、試験を受けて採点される身、
イタリアのビーチで日焼けしながら帰国前最後の本番までの時間を潰していた事(さぼっていたわけではなく、練習室が用意されていなかったので仕方なく海水浴したんですよ)を、
それはそれは遠い遠い昔のように思い出しました。
その後アルベロベッロで食べたパスタがすんごいうまかったな、とか
ベルリン最後の夜のみんなのパーティーは泣けたな、とか。
その後のとても不安で不安で仕方なかった時期のこと。
6年めいっぱい勉強してきた充実感とのギャップがものすごかったな、とか。
耐えきれず思い切って東京へ飛び出してきた日の気持ち、とか。
この1年、自分の環境がめまぐるしく変わる中で、今までは知らなかった自分の一面、
実際はあったのかもしれないけど出会う事のなかった色んな自分に出会ったような気がします。
山ほど嬉しい事、感謝する事、幸せな瞬間があった反面、辛かった事や悲しい事もありました。
腹が立つことだってありました。自分以外の事で緊張して吐き気しかない日もありました。
歯がゆい思いをすることも、頭をガツーンとやられハっと気づかされることもありました。
つい数日前、練習をしていた時の事です。
場面のキャラクターを考えどういう風に弾こうかといつものように考えていたところ、
音にした瞬間に、その気持ちが溢れてくるという体験をしました。
頭で考える前に、その変化が感情の変化と共に自然と音に乗るような気がしました。
それは出来て当たり前のことかもしれないけれど僕にとっては珍しい感情、
楽譜が今までよりもひとつ更に色をもって見えた瞬間でした。
経験というのは何と貴重なことでしょう。
新しい人との出会いというのは何と素晴らしいものでしょう。
それで体験する気持ちというのはどんなにかけがえのないものでしょう。
31歳のおっさんに片足突っ込んだ僕ですらこのような思いをすることがある。
18,19の僕の生徒たちはどんなにもっと色んな世界を見ることが出来るだろうか。
彼らに見せてあげる世界の一端に、どうしたら立つことが出来るだろうか。
そんな事をついつい考えるようになってしまいました。
頭の中がもっと音楽の事でいっぱいになってゆきます。
自分の音楽だけだった世界から、もっと広い音楽の世界へ。
そして、この1年で変わることはたくさんあったけれど、
心へ宿る音楽への愛は変わらずいつもここにある。
僕を支え助けてくれる全ての人々へ、感謝の気持ちが止まりません。
ありがとう。
僕は幸せに、今日も生きています!
(夏休みに入るので、近日中に必ずや今後の演奏会情報やHPの更新をば!頑張ります。笑)