1年に一度だけ
会う母
それなりに
歳をとったなぁ
とは思うけれど
介護も支援も
受けてなく
普通の80代よりは
しっかりしてると
信じてた。
ただ今年は
いつもと
ちょっと違った。
前の日に
言ったことを
次の日には
すっかり忘れていることが
ある。
最初は
嘘でしょう?
私のこと
からかってる?
って言うくらい
そんなこと聞いたことも
みたこともない
って態度の母。
その態度に
昨日ちゃんと言ったよね
その時
お母さんも
そうだねって
言ったよね
と、強く言ってしまう。
母と過ごしていくうちに
本当に
忘れてしまったんだ
と気がつく。
ありがたいことに
その後
ああ、そうだった
って気がつくこともあり
ちょっと
ほっとする。
怒ってしまったことを
反省し
母が忘れたことを
極力気が付かせないように
してみる。
まだ
いらないって言った服を
次の日は
捨てるなんて言ってない
って感じの
どうでもいいことだけど
これからは
もっと忘れていき
生活も
心配になる日が
そこまできているのを
今回
思い知った。
母はいつまでも
変わらないまま
なんて
ありえないのに
漠然と
そう思っていた。
母はもう
入りたいケアハウスは
決めてある。
ただ
自宅から離れたくない気持ちと
ケアハウスに入ったら
もう
私たちと一緒に
夏を過ごすことができなくなること
今通っている
地元の体操クラブに
行けなくなること
母にとって
思い切れない理由も
あるらしい。
母が残りの日々を
母らしく
楽しく暮らしていけるなら
どこで暮らしても
実家がなくなっても
構わない。
そろそろ
ケアハウスに行く?
と聞いても
まだ今年は大丈夫。
と答える母。
母の状況を見て
そろそろ
背中を押す時期が
来たのかもしれない。
海外に住む
親不孝を
申し訳なく思う。