「やっとあのシャンプー

使い終わったの」

 

嬉しそうに

報告する母

 

あのシャンプーとは

母が汚点と思っている

高級シャンプー。

 

お年寄り御用達の

老舗のデパートに入っている

美容室に通う母。

 

値段が高い

を除けば

 

接客が丁寧

 

交通の便がいい

 

なにしろ

ずっと通ってる

 

で、母のお気に入り。

 

その美容室で

使ってるシャンプーを

 

勧められたのか

 

香りが良かったのか

 

今ではわからないけれど

 

帰りがけに

シャンプーとトリートメントを

購入。

 

美容院代と

合わせて請求された金額を見て

 

その時初めて

驚きの価格だったことを

知った母。

 

しかし

昔気質の母

 

今更要らないとは言えず

泣く泣く購入したと言う

曰く付きのシャンプーだった。

 

その話を

聞いた私にも

 

「値段を聞いてから

買うように!」

と諭され

 

母にとっては

消したい過去になった

シャンプー。

 

そのシャンプーを使い切り

晴々と話す母。

 

夏前に買ったから

里帰りで

恩恵を受けた私。

 

高いと知っているからか

やっぱり使い心地は

超いい。

 

特に

トリートメントが秀逸。

 

見たことも無いような

ファンシーな容器入りで

 

小さな可愛いヘラが

ついている。

 

使うたびに

蓋をあけ

そのヘラでひとすくい

 

使い方まで

ファンシー。

 

すっかり

このトリートメントの虜だった。

 

続けて母は

 

「次のシャンプー

なかなか見つからなかったけれど

 

近所のセイコーマートに

売ってたから

シャンプーとトリートメント

買っちゃった」

 

と嬉しそう。

 

そうかそうか

良かった。

 

でも

シャンプーが

終わったのはわかるけれど

 

大量に残っていた

トリートメントは

使い切るはずはない。

 

悪い予感。

 

「トリートメントも

使い終わったの?」

 

「ううん

お揃いのシャンプーが

なくなったから

捨てたよ

 

もう腐っていたかも!」

 

えーーーーー。

 

別に

シャンプーとトリートメント

同じブランドじゃなくても

いいのに。

 

夏前に買ったから

まだ腐ってはないはず。

 

開封後は

半年から1年以内に

使えば良かったのに。

 

あまりに

気に入っていたから

捨てたことにショック!

 

そんなに要らなかったなら

もらってくれば良かった。

 

そのほうが

地球にも優しかった。

 

でも

今更ながら

 

シャンプーとトリートメント

揃えてるなんて

全然知らなかった。

 

と言うことは

今までも

どちらかは捨てていた?

 

それもびっくりだけど

それ以上に驚いた

 

もう一つの

母の理論が発覚。

 

「シャンプーやトリートメント

絶対同じ時期に

なくなるなんてないから

 

なくなるまで

使い続けていいんだよ」

 

の私に

 

「シャンプーも

トリートメントも

 

ワンプッシュづつ使うから

同じ時期に

なくなるでしょう」

 

の母。

 

ショートカットで

髪の量も少ない母

 

「ワンプッシュは

多すぎじゃない?」

 

の私に

 

「あーそうなのね。

シャンプーの量

多いなぁって

思っていたのよ」

 

シャンプーの量なんて

髪の量や汚れで

 

調整するのは

当たり前と思っていたけれど

 

シャンプーは

ワンプッシュが適量と

思っていた母。

 

毎回の電話で

いまだに

びっくりさせたり

笑わせてくれる母。

 

親子でも

知らないことって

まだまだありそうです。