「お隣さん、イノ要らないんだって!」

 

お隣さんと

スモールトークをしてきた夫が

ぽろっと言った。

 

イノが捨てられちゃう?

 

お隣犬イノは

グレーのポインター

 

シュッとしていて

手足が長いから

見た目は怖いけれど

 

呼ぶと飛んできて

甘えまくる。

 

おもちゃを投げて

遊んでいたり

 

頻繁に

散歩したり

 

わざわざ

ながーいフェンスを作って

広い庭で遊べるように

してあるから

 

すごく可愛がっていると

思っていたのに。

 

なぜ?

 

ご夫婦とイノで

引っ越してきた

お隣さん。

 

その頃は

よく外でイノを見かけたけれど

 

赤ちゃんが産まれてから

イノに会う機会が

減った気もする。

 

子育てで忙しい?

 

そこで

イノはいらない発言。

 

ただのジョークか

夫の誤解ならいいけれど

 

そんな話を聞いたら

気が気じゃ無い。

 

「うちで飼う?」

と夫。

 

うん、いいよ。

 

イノ好きだし

要らないなんて

可哀想すぎる。

 

庭のフェンスを

検討し始める夫。

 

イノがいる生活を

想像してみる。

 

わんこを飼うなら

トイプードルみたいな

小型犬か

 

もふもふの

ゴールデンレトリバーを

 

子犬から

育てたかったのに

 

立ち上がったら

私くらいの大きさになる

ポインター

 

考えたことも

なかった。

 

それでも

イノとの生活を

想像するだけで

 

ちょっと

ワクワクする。

 

ただ

覚悟を決めるために

まだまだ調べることは

いっぱい。

 

気軽に

決められないけれど

シェルターなんて

考えられない。

 

イノが要らないなんて

笑えないジョークなことを

 

まだ少し

望んでます。