「今どこ?

 家に着いたの?」

 

エアラインのキャンセルで

東京で二日間の延泊

 

そのあと

アメリカに飛ぶも

またキャンセルで

乗継地で二日間の延泊。

 

家に着くまで

心配してるはずの母に

ホテルから電話した。

 

「また、キャンセルになった。

 もう、家に帰れる気がしない。

 あはは」

 

の私に

 

「なんで、笑ってるの!」

 

と、ちょっと

イラッとした感じの母。

 

この非常事態に

ヘラヘラしてる娘が

信じられないらしい。

 

でも、お母さん

笑ってないと

もうやってられません。

 

え〜って思うことも

むかっとすることも

がっかりすることも

疲れた〜ってことも

泣きたいってことも

信じられないってことも

 

てんこ盛りの

今回のフライト

 

笑いに変えないと

心折れそうなんだよー。

 

笑っちゃうと

なんだか

面白くなるし

 

こんな経験

普通じゃできないから

結構お得かも

 

なんて考え方すら

おかしくなる。

 

それで

気持ちが晴れるなら

それはそれでよしとする。

 

一番は

逆境にめげてる母親の姿を

息子には

見せたくない。

 

いつもいつも

何かが起きるのが人生

 

その度に

落ち込んだり

イライラして欲しくない。

 

こんなこともあるよね

 

仕方ないよね

なんとかするしか

 

って笑って対処できる人に

なって欲しい。

 

そう思うようになったのは

実は

夫のおかげ。

 

でも夫は

なんでも笑い飛ばす

神のような存在ではなく

 

むしろ

その正反対。

 

メガネひとつ

無くしても

 

旅行先に持っていくものを

家に忘れたくらいでも

 

もうこの世の終わり

ってくらい

大騒ぎする。

 

その無駄に消費するエネルギーが

もったいないし

 

一緒にいる家族が

本当に嫌な思いをする。

 

そんなふうに

なりたくないし

 

それを見ている息子にも

同じようには

なって欲しくない。

 

なんてことないって

なんでも笑い飛ばすくらいで

いて欲しい。

 

命は無理でも

大抵のことは

お金でなんとかできる

 

そう思って

前向きに対処できる人

であって欲しい。

 

夫に

疲れることは

たくさんあるけれど

 

そう気付かせて

くれたことだけは

大感謝。

 

それに

この技のおかげで

 

このアメリカ生活

なんとか

乗り切れてる

気もする。

 

最後の最後まで

国際結婚を

許さなかった母に

 

夫の愚痴や

アメリカ生活の闇は

何があっても

言えません。

 

毎日

面白おかしく

生活していると

思っている母。

 

お母さん

笑わないと

やっていけない世界で

あなたの娘は

生きてます。