「まさか、あのおばあちゃん
自転車乗るわけないよね?」
車の助手席で
信じられないって顔で
聞く息子。
信号で止まった車の横に
スポーティな
ヘルメットを被り
ほぼ90度に腰が曲がった
おばあちゃんが
自転車で信号待ちしてる。
青になると
颯爽と自転車にまたがり
走り出す。
それを見て
息子が一言。
「日本のおばあちゃんは凄すぎる」
大きな声では言えないが
実は息子
自転車に乗れない。
トーマス三輪車は
楽勝だったのに
その後の自転車は
全くダメだった。
誕生日に
アメリカの祖母から
買ってもらった自転車
補助輪がついている時は
乗れていた。
しかしある日
帰ってきた
息子の自転車には
補助輪がなかった。
補助輪どうした?
転んだり
ぶつけたりしたって
取れる代物ではない
多分。
息子曰く
隣の男の子が
(息子より年下
でも自転車はスイスイ乗れる)
工具を持ってきて
取ったという。
あちゃー
息子補助輪なしじゃ
乗れないんだよ。
取った補助輪も
不明だし
許可なく
取っちゃうし
息子よ
なにも言わなかったんかい。
それ以来
息子は
自転車があるのに
自転車に乗れなくなった。
何度か
後ろを支えて
練習したことも
あったけれど
すぐ
諦めてしまう息子。
いつかは乗れるかと
思う私も
無理強いをしなかったため
結局
今も乗れない。
だけど
ローラーホッケーも
できるし
アイスホッケーも
軽々こなす。
ローラースケートや
アイススケートの方が
ずっと難しいと思うのに
息子曰く
ローラースケートや
アイススケートは
両足で2本
だけど
自転車は一本
それに乗るなんて
無理らしい。
私には
理解できない理論ですが。
颯爽と自転車に乗る
老若男女の日本人
息子にとっては
信じられないくらい
超人に見えるらしい。
日本に住んでいて
自転車乗れなかったら
友達とも遊びに行けなかった
息子
アメリカでよかったね。