「ガーーーーーー」
ガレージが開いて
息子がおつかいから帰ってきた
バイオリンの帰りに
また、牛乳を一本頼んだ。
ガレージから続く
キッチンのドアが開く前に
小さな悲鳴が聞こえた
「あっ!…」
そのあと情けない声で
私を呼ぶ声
急いで
ドアを開けると
片手にバイオリン
もう一方に
レジ袋の持ち手
ガレージには
1ガロンの牛乳が
アメーバーみたいに
どんどん広がっている
ガレージ中に広がる前に
止めないと
ペーパータオルを持ってくるけど
こんなんじゃ間に合わない
古バスタオルで
なんとか止めた。
ふー。
4リットルって
結構ある。
でも
ガレージに置いてある
靴の上じゃなくて
よかった。
車の中だったらと
想像するだけで恐ろしい
給食で
こぼした牛乳の臭さを
鮮明に思い出す
しょぼんとしている息子を
見ながら
ちょっとだけ罪悪感を感じる
この牛乳ぶちまけ事件
私にも非がある。
言わなかったから
アメリカのレジ袋は
信じられないくらい
薄い。
お店によって
しっかりしてるものもあるけど
ほとんどは極薄。
簡単に裂けるし
底に穴が空いてるのも
普通にある。
だから
ゴミ袋にしようとするときは
要注意。
入れたゴミが
下から出てくる。
レジでは
牛乳や重い洗剤は
袋を二重にしてくれる。
袋に入れた後
カートに積んで
車まで運べば
一枚でもいけるけど
多分息子は
セルフレジで
自分で袋に入れ
そこからその袋を持って
車まで戻ったはず。
そこで破れなかったのは
ラッキーだった。
しかし
うちまではたどり着けず
ガレージで力尽きた。
そしてもう一つの
大きな要因は
牛乳の容器が
信じられないくらい
薄いプラスチックでできていること。
押せばペコペコいうし
凹んでいる牛乳も
平気で売っている。
ガレージに転がっている
牛乳の容器を見ると
ぱっくり割れていた。
レジ袋一枚
そしてガロンミルク
最悪の組み合わせだった
言っておけばよかった。
レジ袋一枚で
重いものを持ってはいけない。
でも
考えたらわかりそうな気もするけど。
ガロンミルク+薄いレジ袋=悲劇
まったく気にしないのが
息子らしい
買ったばかりのいちごを
1パックぜーんぶ
駐車場の水たまりに
落とした私。
私の中では
いちばんと思っていたけど
息子には負けた。
牛乳を超えるのは
なかなか難しそうです
高校生息子のはじめてのおつかいに、ちょっとだけがっかりしてしまった話。