そのほかパワーわんこさんの Perfume・楽曲分析 音響とPerfume 等々、貴重な考察もあります。
今回は「ハイハットの定位」のお話
みなさんは『耳が腐るほど』Perfumeの楽曲を聴いていますね?(笑)
Perfumeであるがためボーカルについてはいろいろな聴き方をしている事でしょう。
ここで左にのっち、右にあ~ちゃん、センターにかしゆか、この曲は・・・
私は初めてヘッドホンで音楽を聴きだした中学生の頃から気になっていたことが一つ。
今思えば、友達のドラムセットを叩かせてもらったときから始まったか?
『曲によってハイハットの音が右から聴こえたり左から聞こえたりセンターから聞こえたりするのはなぜ?』
確たる疑問として残っていた訳ではなく、何となく気になる程度のもので・・・
高校の入学祝いに買ってもらうはずだったベースは

バイクに化け、

以後、カラオケ以外にプレイヤーとしての経験を積まないまま約30年が過ぎます。
客席から舞台を見ている場合、ドラムラマーだけに注目すると右利きセットは通常はスネアがセンターにあってバスドラムがちょいと左側に、ハイハットが右側にあります。

ステージ全体を考えればドラムセットは中心に置かれる事が多いですね。
二年前、Perfumeセッションに関わるようになり、セッション後に呑みながら上の疑問をぶつけてみました。
『ハイハットが左から聞こえている曲は左利きのドラマーが叩いていると思っていいかな?』
これには皆食いついた(笑)
いろいろな意見が出てケンケンガクガク・・・おおよそ総合すると
1.そもそも左利きのドラマーも練習環境やアマチュア時代の対バンではセットを変えられない等々の事情から右利きセットに慣れてしまい右セットで叩くドラマーが多い。
⇒先天的には10%しかいないといわれる左利き。
いきなりドラムセットを買って自宅で練習できる人はそうはいません。
練習スタジオのドラムセットはほぼ右利きセットです。
アマチュアの対バンでのドラムスは、スネア・ハイハットを自前で替えるぐらいで、
配置まで変えると他のドラマーからクレームがつくそうです。
2.ステレオ音源として一つにまとめる作業(トラックダウンという)の時にボーカルやそれぞれの楽器の音がケンカしないように全体のバランスを考えて割り振りをする。
3.通常はドラムやボーカル、ベースをセンターに配置してギターやキーボード等は左右に振る事が多い。
4.音の広がりを持たせるにはステレオ配置(左右に同じ音を振る事)もある。
⇒特に初期や最近のヤスタカ氏の楽曲は『音の玉手箱やぁ~』と言いたいくらいいろいろな音をあちこちに配置してます(笑)
ジェニーはご機嫌ななめ なんて良く聴くと楽しいですよねぇ~
http://youtu.be/3phYea05clA
そしてハイハットの定位について
5.Perfumeに限らず、楽器PLAYERに聞かせることを意識した楽曲はドラマーの位置で聞いている雰囲気を出す為にハイハットの定位を左に振ることが多い。

実際は、ステージ上では通称コロガシと呼ばれるモニターや
(ステージの前端に置かれてるこれ ↓ )

イヤーモニターから返ってくる音を聞いてますからステレオで聞こえてるわけではありません。
でも、左側からハイハットが聞こえることによって
自分がステージ上で一緒にPLAYしている雰囲気を感じやすいのですね。
楽器PLAYERにアピールしたい曲はハイハットの定位を「左側」に振る。
目からウロコでした。
コメント Ans.
先の備忘録1 は全体の印象として聞こえてくるハイハットの定位をアルバムごとに別けてみたものです。
なにせヤスタカ氏の楽曲は音がぐるんぐるん廻ったり、1曲の中でもいろいろ変えたりしているのであくまで全体の印象としての定位です。
「センター」と「やや左・右」はまとめて「センター」でも良いのですが、バスドラムのキック音とハイハットの配置から印象として振り別けてみました。
あきらかに左右どちらかに振っていると私の耳に聞こえてくるのは以下の曲たち
◆左
Baby cruising Love
GAME
マカロニ
セラミックガール
Puppy love
Dream Fighter
NIGHT FLIGHT
VOICE
ねぇ
レーザービーム
微かなカオリ
◆右
モノクロームエフェクト
シークレットシークレット
スウィート・ドーナッツ
シークレットメッセージ
おいしいレシピ
Take off
The best thing
575
さすがその時の気分で曲作りをしてると公言しているヤスタカ氏。
見事に一貫性が無い(笑)
強いて言えば初期は右寄り(客席視点側)が多い感じでしょうか。
・比較的センターに集めている曲はボーカルを振り分けていて、
ユニゾン系でセンターボーカルな曲は左右どちらかにドラムを振っているようですね。
これはまぁ、トラックダウンの手法として当たり前の作業なんでしょうけど・・・
楽器が出来ないのに演奏に参加したくて 「何か今の自分に出来る事は無いか?」
そんな気持ちで楽曲を聴いていたらいろいろな音が聞こえてきます。
そんな私にも演奏に参加できる可能性を与えてくれたヤスタカ氏のハンドクラップの使い方が大好きです(笑)
575のタンバリン・レーザービームのトライアングル・不自然なガールのハンドクラップ等々、
最近の曲は特にパーカッション系の特徴的な音が目立ちます。
ボーカルのほかにも楽器の定位を気にして聞いていると、今まで聞こえてなかった音が聞こえてくるかも知れませんねぇ♪