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【徹底解説】”最悪の被害想定” 南海トラフ巨大地震 『命を守る天災学』



能登半島で3cmほどが隆起している、前例のない「謎の地殻変動」を観測していた。また「地震の巣」とされる活断層が集中している近畿地方には、南海トラフに押されて”ひずみ”がたまっているという。大地震の足音が迫っている。

発生までにすでにカウントダウンに入ったといわれる「南海トラフ地震」。備えとともに、私たちは活断層による直下型地震への準備も決して怠ってはならない。

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もうダメかもわからんね。

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●南海トラフで『ひずむ日本列島』活断層が集中する地域に大地震の足音迫る 4年前、能登半島の謎の地殻変動をGPS予測が察知していた

 令和6年初日に発生した石川・能登半島地震。元日の雰囲気を突如襲った最大震度7の揺れは、住み慣れた住宅や街並みを破壊し、命を奪った。これまで「地震予知はできない」と言われながらも、新たな手法で地震の発生予測に果敢に取り組む学者がいる。我々は、京都大学の西村卓也教授(当時は准教授)の研究の最前線を2022年に取材した。

西村氏は当時、能登半島で3cmほどが隆起している、前例のない「謎の地殻変動」を観測していた。また「地震の巣」とされる活断層が集中している近畿地方には、南海トラフに押されて”ひずみ”がたまっているという。大地震の足音が迫っている。

『GPSの位置情報』利用し地震発生を予測

西村卓也准教授は、新たな手法で地震の発生を予測する研究を進めている。

(京都大学・防災研究所 西村卓也准教授)「GPSのデータを使って、地面が精密にどう動いているのかを調べます。それで地殻変動の様子がわかるのですが、地殻変動から地下で起こっている地震のメカニズムや、断層でどのように『ひずみ』がたまっているのかというようなことを調べています」

 GPSはスマートフォンや車のナビゲーションなどにも利用されていて、人工衛星からの信号で位置情報が分かるシステムだ。西村准教授はミリ単位で正確に位置情報を調査できることに注目した。

私たちの住む日本列島は、「フィリピン海プレート」や「太平洋プレート」など4枚のプレートの上にあり、海側から常に押される力がかかり地盤にひずみがたまっている。そして、そのひずみに地盤が耐えきれなくなると地震を起こすのだ。

国はこうした地盤の動きを監視するために、全国約1300か所に「電子基準点」と呼ばれるGPSアンテナなどを装備した機器を設置した。西村准教授はGPSの位置情報を利用することで地盤の動きをとらえ、地震発生の研究に役立てようとしているのだ。

(京都大学・防災研究所 西村卓也准教授)「各観測点の位置が1年あたりにどれだけ動いているのか、を示した図です。」

動きが顕著なのが南海トラフ沿い 四国とか紀伊半島、大きく動いている

(京都大学・防災研究所 西村卓也准教授)「動きが顕著なのが南海トラフ沿い、太平洋側ですね。大きく北西方向に動いていて、それは南海トラフからくる海のプレートが北西方向に押している影響で、四国とか紀伊半島が大きく動いている」

 こうしたデータを基に作られたのが『日本列島のひずみ分布図』で、GPSデータを解析すると近畿や九州がオレンジ色になっていて、よりひずみがたまっていることを示している。

(京都大学・防災研究所 西村卓也准教授)「これは西日本、中部地方から九州にかけての地図にひずみのたまりやすさを書き表した図になっています。色が白、緑、黄色、オレンジ、赤にいくにしたがって、どんどんひずみのたまりやすさが速くたまる場所というのを表しています」

「能登半島」の北部で確認された『謎の地殻変動』

そして2021年、西村准教授は研究を進める中で衝撃的なデータを得た。大地震につながるかもしれない変化だった。前例のないデータがもたらされた場所、それは「能登半島」だった。能登半島最北端に位置する石川県珠洲市。このあたりの地盤が2020年12月ごろから3cmほど隆起する「謎の地殻変動」を察知したという。

(京都大学・防災研究所 西村卓也准教授)「25年間のGPSのデータの中では、なかなか前例のないようなことが起こっているのではないかと思います」

「国土地理院のGPSの観測点で、2020年の12月からこの観測点を中心に変動が観測されていまして。だいたい3cmくらい、2020年12月から2021年11月くらいまで隆起が観測されている場所です」

火山のない地域では考えられない数値、群発地震

西村准教授によると「3cm」という地盤の動きは火山周辺ではみられるが、能登半島のような火山のない地域では、通常では考えられない数値だという。こうした動きに合わせるかのように、珠洲市周辺では2021年1年間に群発地震が相次いでいる。震度1以上の有感地震がこれまでに80回近くも観測されているのだ。

地殻変動の原因などは分かっていないが、西村准教授らの研究グループはこうした動きをさらに詳細に探ろうと、地震の震源近くにある珠洲市の2か所に独自のGPSの機器を設置して注意深く調査を続けている。

近畿地方に集中する活断層「地震の巣」

そして、GPSのデータ解析でひずみがたまっているとされる近畿地方は、能登半島と同様に警戒すべき場所だ。

阪神・淡路大震災を引き起こしたのは、兵庫県の淡路島から阪神間に伸びる「野島断層」という1本の活断層だった。近畿地方には「地震の巣」と呼ばれるほど活断層が集まっていて、地盤のひずみがいま、こうした活断層などを動かそうとしているのだ。

海側のプレートが陸側のプレートを引き込み、たまったひずみが解放されたときに発生する南海トラフ地震。発生が近づくいま、特に西日本は活断層などが動くことで起きる「直下型地震」への警戒が必要だという。

(京都大学・防災研究所 西村卓也准教授)「近畿の地震というのは南海トラフ地震の前50年から、あと10年くらいに増えるという。そういう傾向がありますので。まさにこれからが活動期に入ってきている、そういう状況なんだろうと思います」

昭和の南海地震前も、西日本で「直下型が相次ぎ発生」

1946年12月に発生した『昭和の南海地震』の際も、その前後に西日本では直下型地震が相次いで発生した。

1925年5月には兵庫県北部を震源とした「但馬地震」が発生。また、1927年3月には京都府北部を震源とした「北丹後地震」が発生。さらに、1943年9月に鳥取県西部を震源とした「鳥取地震」などが起きていた。

そして近畿地方の地盤にも、いま新たにひずみがたまってきている証拠があるという。それは2018年に起きた「大阪北部地震」だ。

(京都大学・防災研究所 西村卓也准教授)「2018年の前のデータでみても、やっぱりひずみのたまり方が周辺よりも高い場所でしたので。ああいう地震が起こるというのは、ある程度ひずみがたまりやすい場所で起こったということがいえるんじゃないかなと思います。主要な断層は当然、近畿の場合もいっぱいあるのですが、そういう主要な所以外のちょっとしたところでも、M6クラスであれば起こりえますので。ある意味どこで起こってもおかしくない」

 発生までにすでにカウントダウンに入ったといわれる「南海トラフ地震」。備えとともに、私たちは活断層による直下型地震への準備も決して怠ってはならない。



1/6(土) 7:30MBSニュース

 

 

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