私は、ネット証券1社と総合証券1社に口座を設けて、それぞれのメリットを享受している。投資目的に合わせて利用していると言ってもいいかもしれない。
ネット証券のメリットはなんといっても、手数料の安さである。
最小単位で細かく買い下がり、上げ始めれば、これまた、信用売りを細かく建てて行くツナギを活用する相場技法では取引手数料の安さが必要である。私が考えるメリットはもう一つある。無期限信用売りが主要銘柄にある点である。制度信用が6カ月の決済期限があるのに対して、無期限信用は決済期限が字の通り無期限である。ツナギや鞘取りをやっておられる人は理解できると思うが、低い位置の現物に対してツナギや鞘取りを行うのと同様に、高い位置の無期限信用売りを継続保有していればこれに対してのツナギと場合によっては異銘柄での鞘取りができる。
旧い時代の玄人の相場師が苦心してあみだした知恵と工夫を、ネット証券によって私のような素人でもいとも簡単に真似することが可能となっているのである。
総合証券でオンライン取引をしているが、手数料が高くて頻繁に売買できない。しかしこの点にこそメリットがあると感じている。
東証二部に公開している小さな企業だが、財務内容がよく、年々成長し利益を積み上げ、配当も3%を超え、そして利益剰余金が時価総額を上回っている。しかし地味な会社なので見向きされなくて株価は非常に割安のまま放置されている。こんな株を積立預金をするように、半年ほどかけて1枚ずつ拾っていく。そして高い手数料がジャマするので年3%の定期預金のつもりで当分売らない。株式配当には手数料はかからず自動的にMRFに入れられ極々僅少の利息も付いていくおまけもある。
余談だが、この銘柄が一昨年東証一部に鞍替えして陽が当り始め買値の2倍を超えてきた。
東証一部になると業績如何にかかわらず日経平均と大なり小なり連動を始める。ヘッジが必要となったが無期限信用売りの制度がない。
証券会社の担当が知恵を貸してくれた。
証券番号1357日経平均ダブルインバース=日経平均の下げ一方に賭け、下げ幅の2倍のレバレッジがかかっている。これ単独での売買は危険だがツナギ代わりのヘッジには向いている。今後コツコツと買っていこうと思っている。
私は、投資で生き残るのは損切りかヘッジのどちらかを徹底しない限り無理だと思っている。私のような老人には損切りを連続して行うことは、気力の面から不可能である。ならば旧い時代の相場師の知恵と工夫で編み出したヘッジの精神を受け継ぐより他はないだろう。