ギルディングとは西洋における 箔装飾です。

今回はオイル絵の具を使ったトールペイント作品の額縁を

ギルディングした例を ご紹介します。


オイルで描いた作品のデザインと色調に合ったギルディングを選んでいます。

「Holiday Glow」 デザイン/Cheri Rol
        ペインティング&ギルディング/Chieko

銀製のポットに葉や赤い実が映り込んでいます。
5段階のグレーバリューで、使い込んだポットの質感を表現しました。
額縁に Variegated Blue (青斑箔)をギルディングしました。
使用した 専用接着剤、保護液、箔はさみ。


「Cologne Bottle」  デザイン/Kaori Kawasaki
         ペインティング&ギルディング/Chieko

ろうそくの炎が揺らめいて、真鍮の燭台やリカーボトルに反射しています。
静かな空間が心を鎮めてくれるようです。
八角形の額縁に Variegated Red(赤斑箔)をギルディングしました。
赤いキャンドルや炎、オーク材のテーブルと馴染む色調にしました。


「White Antique」 デザイン/Reiko Yunbe
         ペインティング&ギルディング/Chieko

リネンウォーターの瓶、カットワークのドイリー、ハートの箱など異なる素材を
オイル絵の具で描き分けました。
お気に入りの小物で、お洒落な暮らしを楽しみたい。そんな気持ちになるデザインですね。
額縁は Dawn Leaf(曙光箔) でさわやかな朝のワンシーンを演出してみました。

箔はとても薄いので、静電気が起きない竹製の箔はさみ(日本画では 箔箸と言います)を使います。
接着面に、ゴールドリーフサイズという専用接着剤を塗り、乾きかけたタイミングで貼っていきます。
保護液は、箔が酸化して変色するのを防ぐ役目があります。


ギルディングの制作過程は、息を止めて箔を扱ったり、接着剤のタイミングが難しかったり、箔が破れたりシワになったりと、毎回緊張します。
でも、完成すると作品がグレードアップするので、とても嬉しくなります。
ただ、ギルディングの材料が手に入れ難くなったので、困っています。

今回の ベルデ·アート はいかがでしたか?
次回をどうぞ お楽しみに。


小さなアトリエ···工房Chieからのお便りでした。