ティツィアーノ「聖愛と俗愛」
今回はルネサンス期ヴェネツィア派の
巨匠ティツィアーノ・ヴェチェッリオを取り上げる。
この絵はヴェネツィアの有力貴族ニッコロ・アウレリオと
花嫁ラウラ・バガロットの結婚を
祝福して描かれたもので、
タイトルは「聖愛と俗愛」である。
この絵は理想美として古来より描き続けられてきた
ローマ神話における愛と美の女神ヴィーナスを
天上と地上における象徴的な姿で描かれた
寓意的作品である。
これは縦118cm×279cmの大型絵画で、
ブログの画面では細部が分かりにくく残念。
石造り水槽の泉の側に、2人の女性が座っている。
1人は裸体、1人は着衣で描かれている。
ルネサンス期は裸体像が描かれるようになり、
女神ヴィーナスは聖なる人物として
裸体で描かれていた。
つまり、衣服という物質で体を覆い隠すということは
俗なるものを意味していた。
この絵で、裸体の女性が左手に何か持っているが、
これは神性を象徴すると言われる
燃える火の壺である。
聖なる愛、天の愛の象徴である。
裸体の女性は深紅の布をまとっているが、
赤は「慈愛」、他者への愛を意味する色なのだ。
左側の着衣の女性が持っているものは、
財宝が詰まっているといわれる壺で、
地上の財宝にしがみついている
世俗的な愛、地の愛の象徴だと言われている。
そして大事な存在として中央の
キューピッドの登場である。
キューピッドが、水槽の無垢の愛の泉に
手をいれて、かきまぜるという行為は、
つまり、聖愛と俗愛を融合させている。
まさに、これはルネッサンスが目指したものだろう。
このように古代の神話などから、
描かれた作品の中にある
隠された意味を読み解くことが
ルネサンスの人々の高尚な楽しみだったようだ。
今晩の
「ひとりぼっちのウォークマン」の旅は、
ルネサンス期の壮大な絵を観る旅に・・・・・
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