カイユボット「シルクハットをかぶったボート漕ぎ」
ギュスターヴ・カイユボットの絵は、
人物の表情が良く分からないものが多い。
横を向いていたり、顔を隠していたり、
遠くにぼんやり描いてあったり、
中には、後ろ向きのものさえある。
しかし、この人物だけは正面バッチリだ。
この絵は紳士がイエール川で、
ボートを楽しんでいるところを描いた
「シルクハットをかぶったボート漕ぎ」である。
この絵は顔がしっかり描かれ、服装がまた目を引く。
シルクハットに蝶ネクタイ、
黒いベスト、
ちょっと違和感があるこの姿でボートを漕ぐとは、
どういう人なのだろう、
職業は?
顔まではっきり描かれて、
余程、この男性を描きたかったに違いない。
しかし、何といっても、この水面の描き方には驚く、
まるで写真。
水面の波のキラメキ、
両岸に生い茂る草、映す影など、など、
そして、水の流れまで、はっきり分かる、
いや、それ以上の生々しさで、
迫ってくる。
こうしてみると、この水面と紳士が妙にあって見える。
1848年、カイユボットは、
繊維業を営む裕福な事業家の息子として
パリで生まれ、
豊かな財産を基に、高い教養と豊富な趣味の中で
生活をしていたとか。
彼もこのような姿で
ボート遊びを楽しんでいたのかもしれない。
今晩の
「ひとりぼっちのウォークマンの」の旅は、
このイエール川でボート遊びを・・・・・
