カイユボット「バルコニーからの眺め」
この背中は何を語っているのか。
この絵はバルコニーの窓辺に立ち
背を見せている女性と、椅子に座る男性を描いた
「バルコニーからの眺め、(室内-窓辺の女性)」
である。
この黒い背中が気になるのだ。
この場面の少し前に、
二人はテーブルに向かい合い、何を話したのか。
男性の行動に女性が説明を求め、
詰め寄ったのか、
男性は痛いところを突かれながらも、
のらりくらりと言い訳をしたのか。
部屋の空気はさぞかし暗く冷たかったことだろう。
男性は新聞に目をやり、
俺は何も知らない、と言わんばかりに、
平静を保とうとしている。
女性は許さない、と言って、
唇をかみしめているのかもしれない。
とても重苦しい雰囲気が漂っている。
この私の解釈は、
大きく外れてはいないような気がするが、
どうだろう。
見たところ、とても豪華な住まいのようだ、
きっと裕福な環境にある二人だと推測できる。
しかし、このようなことは珍しいことではない。
長年、連れ添った夫婦の間にも、
恋人同士の間にも、
起こりうることだ。
こんな、誰もが経験したことがあるような、
日常の一コマが描かれている、
この絵がグッと身近に感じられた。
今晩の
「ひとりぼっちのウォークマンの」の旅は、
この二人の和解をひたすら祈るのみ・・・・・。
